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私のお兄ちゃんは完璧すぎる  作者: 朱雀 蓮
第2章 転校生編
46/75

残虐

とりあえず、頑張って今回の展開を終わらせました!次回からは日常回に戻ります!

奏多が目を覚ますと、目の前には『俺』がいた。

不満そうな顔で此方を睨んでいた。

「馬鹿が!またあの薬使ったな?」

「ああ、うん。勝てないと思ったから・・・」

「で、あの有り様か・・・くだらねぇ、薬になんか頼りやがって。」

「ごめん・・・」

すると、胸ぐらを掴み睨みが増した。

「テメェの殺意や残虐性は誰だ!?俺だ!テメェが心の奥底で俺を受け付けてねぇせいでこうなった!お前のせいだ!!」

胸ぐらを離し、ハァとため息をついた。

「俺が行く。お前はちったぁ反省しろ。」

「な!?何で?お前は・・・しかもあいつはもう虫の息だ!」

「いーや、あいつが組織にいるってことは当然肉体改造くらい受けてんだろ、だから切断した足の腱が再生してこうなってんだろ。」

『俺』は首をコキコキ鳴らした。

「しかも、今テメェの精神で押さえつけられる俺じゃねぇよ。」

そして、目の前から『俺』は消えた。

奏多が倒れて数分後、紅葉は自分の足を動けるように足を木で固定し、奏多を担ごうとした瞬間。

後ろに倒れていた、信長がゾンビ映画のゾンビのようにゆらりと立ち上がった。

「ば、馬鹿な!?立ち上がれるはずが・・・」

だが、実際にこの男は立ち上がり、剣を再び掴んでいる。

「な、る、ほ、ど・・・これが、再生か。」

全身の傷が瘡蓋程度まで再生し、高らかに笑った。

「・・・化け物め!」

だがもう紅葉に戦う力は残されてない。

このままだと二人とも・・・

「奏多殿・・・剣を借りる!」

菊一文字を拾い、構える。

「その足で何が出来る?死にたいのか?」

だが、紅葉は信長を睨む。

「ただでは死なん・・・貴様を道連れにしてでも・・・」

「それじゃ、『僕』がボロボロになって助けた意味がねぇーだろうが、馬鹿が。」

その声に振り向くと、先程胸を貫かれた奏多が立っていた。だが、明らかに雰囲気と目つきが違った。

「奏多・・・殿?」

「あー、違うよ。てか、俺の刀返せ。」

紅葉の手から菊一文字を奪うと菊一文字についた血を拭いた。

「まともに使えねぇ足で無理すんな。あとは俺に任せろ。」

「で、ですが!奏多殿も怪我を!」

「うるせぇ、時間が限られてんだ、テメェの心配してる方の優男の方の俺は俺じゃねぇ!」

もうややこしすぎて紅葉は理解できてなかった。

「あー!もういい!ソッコーで片付けてやる!おい!眼帯野郎、とっとと決着つけんぞ。」

「今度こそ、ころしてやるぞ!小僧!」

すぐさま攻撃を仕掛けてきたが、奏多は難なく刀を払いのけ、信長の胸から腹にかけて一刀両断した。

「ぐはっ!さ、さっきと・・・動きが!」

「知るかぁ!オラァァァァァァ!」

もうデタラメに刀を振り回しているようにしか見えないが、その一撃一撃が急所のみを狙っていた。

「す、すごい・・・」

だが、何かがおかしい。

一撃一撃は殺す気で斬っているが、ギリギリで軌道を変え大して重傷を負わせてない。

「フハハハハ!この程度の傷、すぐ再生するわ!」

その言葉の通り、信長の傷はみるみる再生してゆく。

今度は逆に信長の刀、牙の一太刀は奏多の腕を捉えた。

「ぐっ!ちっ、かすったか。」

腕から血が滲むがそんなことは気にせず、信長を切り刻む、再生、切り刻む、再生の連鎖が数分続いた時点で奏多に異変が起きた。

「ちっ!そろそろか・・・考えと動きが合わなくなってきやがった。」

言葉の通りに動きがぎこちなくなり、タイミングもズレ始めていた。

「隙あり!死ねぇぇぇぇぇ」

辛うじて避けられたが、足並みはフラフラだった。

そんな状態で奏多は大きく後ろに飛ぶと、ため息をついた。

「後はアイツの仕事だ!おい、眼帯野郎、ひさびさに楽しかったぜ!次はアイツの番だ!」

すると、再び力が抜けるように倒れたかと思ったら倒れる直前に膝をついて耐えた。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・」

その顔は元に戻り穏やかな表情の奏多に戻っていた。

「何なんだ、もう訳がわからんぞ。」

呆れた信長を他所に奏多は目を閉じたまま止まっていた。

『ちったぁ、反省できたか?』

(うん・・・少しは。)

『そこは滅茶苦茶反省しましただろーが!ったく、世話のかかる俺だぜ。』

(ああ、ホントだね。迷惑ばっかだ。)

『なら、反省の結果、俺に見せろ!とりあえず、アイツを倒せ。』

(了解!)

奏多は立ち上がり、スゥーと深呼吸をした。

(相手に甘えを見せるな・・・相手が戦闘不可能になるまで叩きのめす。)

すると、ゆっくりと目を開けた瞬間、境内がピリッとした空気に包まれた。

「この殺気!小僧、本気で来るな!」

信長は嬉しそうに刀を構えるが、奏多は無表情で、ダラーとしていた。

「隙だらけだ!!」

信長は連続で奏多の全身を切り刻もうとしたが奏多は全てを紙一重でその場を動かず避けていた。

「馬鹿なっ!うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

だが、信長は気がついた、自分が切り込もうとした時点で動きが全て読まれている。

それは反射神経とは違い、予知に近かった。

「くっ!」

信長が後ろに引こうと足を動かそうとした瞬間、奏多は既にその場に居なかった。

そして、聞こえたのは一音の足音、そして信長の体には三回の衝撃。

それは正に新撰組、一番隊隊長、沖田総司の有名な技、【三段突き】だった。

奏多は剣を収め、信長の背後をテクテクと歩いてゆく。

何が起きたか分からない信長は通り過ぎてゆく奏多を斬ろうとするが身体が動かない。

「ば、馬鹿な!な、何故動かん!?」

「僕の攻撃が決まった時点で終わってたんです。先程、もう一人の僕から受けた傷、再生はしてもダメージだけは残るんです。再生能力を持つ者として再生に頼る戦闘は避けるべきです。要はダメージの許容がオーバーしたんですよ。」

そして、信長はそのまま地に伏せるように倒れた。

『峰打ちか・・・やっぱ少ししか反省してねぇ。』

(そういう君も倒そうとしたらいつでも倒せたくせに。甘いのはどっちだか)

鼻で笑うように言うと、慌てて切り返してきた。

『お、俺はだな!泣き虫僕ちゃんに華を持たせようと加減してやっただけだ!感謝しろ!感謝!』

(はいはい。まぁ、次もなんかあったら頼む。)

『・・・おう!』

奏多は深呼吸をし、体を伸ばした。

「終わった・・・」

奏多は座り込んだ紅葉に近寄った。

「ごめん、紅葉さんには迷惑かけた。」

「奏多殿が無事なら良いでござる・・・それに拙者は慢心したのが敗因、力の差も理解せず忠告も無視したらこの有様・・・自分の無力さに呆れるでござる。」

すると奏多は立ち上がり信長の腰について居た大包平焉を取り上げ、紅葉に渡した。

「人間、誰だって何回も失敗して生きてるんだ。一回失敗してもまた、立ち上がればいい。紅葉さんなら出来るよ。」

「でも、この刀は敗者には・・・」

奏多はため息をつき、紅葉のおでこにデコピンした

「一々アイツの言ったことを真に受けない!なら、今からこの剣を帯びるに相応しい剣士になればいいんだ。」

「拙者が強く・・・」

「人生長いんだ。なんだってなれるさ。」

奏多は紅葉に剣を握らせた。

「これはご先祖の魂なんでしょ。しっかりと離さないように紅葉さんが次に繋ぐために守らないと。」

そうだ、私で終わらせてはいけないんだ・・・次に繋げるんだ、魂を!

紅葉は下を俯くと、奏多の胸にギュッと抱きついてきた。

「ちょっとだけ、ちょっとだけでいい。泣かせてください。」

そして、紅葉は泣いた。

自分の無力さに、偽善者と蔑まれても戦ってくれた一人の戦士に、そして、自分の弱さを受け入れられたことに。

数分して泣き止み、紅葉は顔を上げた。

「グスッ!すまなかったでござる!迷惑をかけた!」

紅葉は頭を深く下げたが、奏多はその頭をそっと触った。

「いいですよ、もう頭を下げるのをやめて下さい。ああ、あと、今日の事は内緒ね。」

「ええ、了解でござる。奏多殿には何か事情があるのでござろう。あ、あと一つ、いえ、二つお願いがあるのでござる!」

珍しく積極的だ。

「何かな?」

「拙者をこのまま、奏多殿の家にいさせて下さい!そして、拙者を奏多殿の弟子にして下さい!」

奏多は唖然としていた。

「そうきたか・・・うーむ。」

奏多は顎に手を当て考えた。

「居候の件はいいけど、弟子は保留!」

「わ、分かったでござる!」

奏多はやれやれとため息を吐いて、境内を見渡した瞬間、あることに気がついた。

「アイツがいない・・・いつの間に?」

血だけがベットリ付き、地面を這ったような跡があった。

「・・・まだ、終わってないということでござるな。」

紅葉は拳を握りしめた。

「今度は拙者一人で勝ってみせる!」

そう決意した紅葉は奏多と竹林に吹き飛ばされても無傷だったバイクで帰っていくのだった。

そして、自宅に着くと、リビングにはソナタが座っていた。

「ニャーニャー!?シューシュー!!」

奏多のとなりにいた紅葉を見て威嚇していたが、奏多のアイコンタクトで落ち着いた。

とりあえず、紅葉の傷の手当てが先だった。

「痛っ!結構深いでござるな・・・」

だが靭帯には別状はなさそうなので、少ししたら治るだろう。

そして、腕の傷を奏多が見ようと、奏多が紅葉の腕を触った瞬間、紅葉はバッと振りほどいた。

「あっ、ゴメン、痛かった?」

「い、いえ。すいません・・・」

胸がドキドキしていた。

奏多が自分の腕に包帯を巻いている際に顔が近づく。

近づくたび心臓がバクバクなる。

(ど、どうしてしまったのだ!?私は!)

今の自分の初めての感情に紅葉は頰を赤らめ奏多を見つめていた。

「これでよし!じゃあ、濡れたタオルで体拭きなよ。」

紅葉は奏多から濡れたタオルと桶を受け取り、部屋に入った。

紅葉はボロボロの服を脱ぎ、体を拭きはじめた。

傷に水が沁みるが、それよりも今は顔の火照りを冷ますために体を拭き終わって、タオルを桶の水で流し、顔にタオルをベシャッとつけた。

落ち着いたと思い、新しい服を着ると、タオルと桶を返すためリビングに戻ると、奏多が上半身を拭いていた。

「あっ、拭き終わった?そこに置いておいて。」

奏多の上半身は今日の切り傷が付いていた筈だが、もう既に薄っすらとしていた。

「ファァァ〜眠いや、もう1時だし、早く寝よう。おやすみ!」

奏多は紅葉の桶を風呂場に持っていき、鏡を見た。

鏡を見た瞬間、笑顔は一気に披露した顔になり、その場に膝をついた。

「はぁ、はぁ、はぁ、また、無茶しすぎたかな?」

肉体の疲労、再生の為の体力の体力消費、戦闘のみで奏多が消費したカロリーは4000Calを超えていた。

紅葉が部屋に入った事を確認し、ヨロヨロと階段を登りベットに倒れた。

次回投稿も未定です、不定期になり過ぎているのですいません!

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