選択
今回の話は特殊です。
紅葉が居候として家に住み始めて早1日が終わろうとしていた。
田舎暮らしの紅葉は最新設備の家に興奮していたが、転校初日というものもあるのか疲れて9時には寝てしまった。
「いやー、満足してもらえたようで良かった。」
「だね、紅葉さんのリアクションが新鮮すぎてなんだかおもしろかった。」
それもそのはず、お風呂のジャグジー機能や、ロボット掃除機を見て大興奮だったのだ。
「さ、僕らも今日は早めに寝よう!!僕は疲れた」
「う、うん・・・じゃあ、お休み・・・」
奏は渋々部屋に向かい、奏多はソナタを連れ自室に向かった。
「何とも、面白い小娘じゃのう。」
「ああ、けど僕はあの袋の中に入っている物が気になる。」
そう、家でも持ち歩き、風呂場にまで持っていくという始末、一体何が入っているんだろうか?
「だが!そんな事より、朗報にゃ!!ようやく、妖力が戻った。」
すると、はぁぁぁぁぁぁと言いながら体が発光し始め体がどんどん元に戻ってゆく。
「おおおおお・・・すっかり元通り・・・」
「完・全・復・活じゃ!!ようやく思い通りに動けるわい。」
ということは・・・
「じゃあ、今日からあんまり気を使わなくてもいいって事だね!!」
そう、奏多は自分のせいで縮んでしまったソナタに最大限のお礼を兼ねて、優しく接していたがこれも今日で最後。
「し、しまったぁぁぁぁぁ!!!!」
勢い余って、人間体になったソナタは頭を抱えて後悔していた
「儂のだらけ生活がぁぁぁぁぁ!!!」
「明日からはちゃーんとキャットフード生活とカルピス禁止生活になるからね、じゃ、おやすみ。」
「ご主人様!!」
布団に入る直前に呼ばれたため振り向くと
「お願いにゃん。」
猫のポーズをとり肩をはだけさせていたが、奏多は無反応だった。
「おやすみ。」
「のぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・」
悲痛な猫の叫びが夜の夜空に響くのだった。
◇
そして朝、いや、朝というのには早すぎる時刻は4時過ぎ
奏多はあまり広くない庭に妹に秘密裏に買っておいたピッチングマシンを出した。
全100球の弾を装填し、奏多はそこから10メートル先に立った。
そして、設定速度160キロの弾が10秒に一発出る設定で次々と弾が出てくる。
だが少年は素手でバットもグローブも無い。
そして160キロの弾は容赦なく飛んでくる。
すると少年は片手で弾をキャッチした
「3」
ボールをみると少年がいった数字がペンで書かれていた。
「8」
「5」
「1」
「0」
「4」
「4」
「9」
「2」
「7」
「5」
全て的中・・・凄まじい動体視力及び反射神経がなければできない芸だ。
そしてラスト100球目
「凄いでござるな。」
不意な声にたまらず反応しボールは奏多の脇腹に刺さった。
たまらず蹲り、怪我した箇所を触った。
(肋骨が折れてる・・・)
だが、こんな時には再生能力。
こんなくだらない事で使うのは癪だったが、日常に支障が出るのはもっと癪だ。
「だ、大丈夫でござるか?」
「う、うん。大丈夫、それにしても早起きだね」
「剣の修業時代の習慣でこの時間には目が覚めるのでござる。それにしても・・・」
興味深そうにピッチングマシンを見つめていた
「ああやって動体視力の教化を図るとは・・・面白いでござるな。」
「ただのボールキャッチの練習ですよ、ところで紅葉さんは稽古ですか?」
すると、昨日から気になっていた袋を開け、一本の刀を取り出した。
「日本刀か・・・」
そう、袋から取り出したのは本物の日本刀だった、鞘を見るだけで凄い物だとわかる位立派な物だった。
だが、鞘の特徴を見た奏多は察した
「大業物、大包平・・・まさか、もう一本あったとは・・・・」
「詳しいでござるな・・・左様、これは奏多殿の知っている 太刀・銘備前国包平作、通称大包平と並行して作られた影の大業物、太刀・銘備前国包平作終、通称大包平焉でござる。」
普通なら国宝級の逸品だがどうして所持しているのかが不思議だった。
「これは、我が家に伝わる免許皆伝及び次期当主に送られる我が佐々木家の魂、御先祖様達の結晶でござる。」
スルッと刀を抜き刀身が姿を現した
水に濡れたような美しい刀身、見ていると虜になりそうな刀だった。
だが、直ぐに刀をしまい、袋に入れた。
「どうして、それを僕に見せたんです?」
すると、急に真面目な顔になった。
「奏多殿に手伝ってほしい事があるでござる。」
その目はのほほんとした彼女ではなく昨日、木刀を持った際の目になっていた。
「何かな?僕にできることなら力になるよ」
「人探しでござる。」
「人探し?東京で?」
「左様。」
「その人の特徴は?」
「写真があるでござる。しばし待たれい。」
すると、和室から古めかしい写真を持ってきた。
「この右端の男でござる。今は片目に切り傷が入っており黒い眼帯をしておるので見れば一発でわかるでござろう。」
写真の男は優しそうな顔で笑っていた
「何故この男が東京にいると?」
「・・・この男も東京で人を探していると確実性の高い情報があるでござる、そしてなお、奴は探し続けている。」
再び写真を見ると、写真には数人の男と小さな女の子が映っており、真ん中の男の裾を引っ張ている。
「・・・この女の子、紅葉さんですか?」
「ええ、5歳の時のものでござる。」
なんだかほほえましい写真だが、今はそれどころではない、写真のその部分をケータイで撮った。
「うん、僕の・・・友達?いや、妹分が人探しが得意なんだ。そこで当たってみるよ。」
「かたじけない・・・」
訳は聞かない方がいいだろう・・・この表情を見ればおおよその見当がつく。
「・・・優しいでござるな」
その言葉にドキッとした
「あえて事情を聞かぬとは・・・人の鏡でござる。ですが協力してもらう身、事情は話すでござる。
そして、紅葉はつい、数年前の話をし始めた
紅葉は京都の田舎で日々稽古を積み、道場に通う男衆に負けない実力を発揮していた。
紅葉は所謂天才だった。
あらゆる技、あらゆる戦術をすぐさま覚え、対人戦においてはほぼ無敵だった。
だが、紅葉にも勝てない相手がいた、それは実の父である師範と師範代の男だ。
幼き頃より挑んでは負け挑んでは負け、師範代が武者修行に世界へ行っても師範である父に挑み続けた。
そんなある日、武者修行から師範代が帰ってきた・・・がすっかり変わり果てていた。
片目を失い、残った片目からは以前の優しさは全く感じなかった。
そして、その夜、師範代の男は仲間である道場の門下生の剣の命とも云える腕のみを二度と剣が握れぬほど切り刻んだ。
そして父も、剣士としての命を失い、その誇りもズタズタにそがれてしまった。
師範代は何も言わず、その日の内に煙の様に消え去り、佐々木家の流派は若い紅葉に受け継がれた。
そして今に至る・・・
「そんなことが・・・」
「ええ、我らが同じ志を目指した同胞の・・・剣士の命を奪われたのだ!!許せるものか!!!」
その目には涙が流れていた。
「分かりました・・・出来るだけの協力はします。」
涙を拭き、紅葉は奏多に深く頭を下げた。
◇
そして、奏多は3人分の弁当をこしらえ、台所で洗い物をしていた。
「奏多殿、朝食の準備も出来たでござる。」
完ぺきな配膳で朝食のテーブルは輝き、寝ぼけている奏も目が覚めた。
「では、いただきます。」
「「いただきます」」
3人は黙々と朝食を食べ始めた。
本日の朝食は鮭の切り身をほぐしたお茶漬け、きんぴらごぼう、蒸し野菜。
あっという間に完食し3人は手を合わせ、学校へ行く準備をした。
紅葉は今日に制服が届くので今日も和服を着ての登校だった。
そして、学校に着くや否や、教室の面々は奏多と紅葉に近寄ってきた。
「ねぇ、2人が同棲してるって本当!?」
心配している事態が起こった。
恐らく、経った今後ろで笑っている悪魔の仕業だろうが、ここは冷静に対処しよう。
「うん、紅葉さんはまだ下宿先が見つからないので、見つかるまで住まわせてるんだよ。」
これでいいはず!!・・・だが、皆の顔は変わらない
「紅葉さん?下の名前で呼ぶ間柄か!!」
「み、皆の衆!!落ち着いてくだされ、私と奏多殿は・・・」
油が点火した合図だった。
「佐々木さんも!!!絶対何かあったでしょう!!」
もう収集が追い付かない。
皆がギャーギャー言ってると其処に助け船が来た。
「皆、落ち着いて。靫空君がそんなそこら辺の男子と同じで下心ありで女子を家に住まわせたりしないわよ。先生から聞いたけど、ホントそうよ。彼女昨日まで学校に泊まろうとしてたんだから。」
我らが学級委員長、高ノ宮恵里佳の一言で収集は付いた。
そうか・・・と皆が納得し解散して奏多は恵里佳にお礼をいった
「助かったよ、一時はどうなるかと・・・」
「ええ、でも、ちょっと顔を貸してもらえるかしら・・・靫空君。」
と親指をクイッとした先の教室の入り口付近では加奈、月夜が凄まじい剣幕で、刹那、永遠はダブルピースで待機していた。
「・・・拒否権は?」
顔を見る、笑っているけど笑ってない・・・
奏多はトボトボと連行され、紅葉は首を傾げながら席に座った。
「で?一夜、都会を知らない田舎娘と共にした気分はどうだった~?」
「まさか童貞喪失した?既成事実?」
この姉妹の言い方は物凄く悪い・・・勘違いを300倍加速させる。
「言いがかりもいいところだな・・・そんな事実はない!!」
「でも、一緒に住んでるんでしょ?」
「あの胸の魅力で心を奪われたか!盟友!」
「普通は何か思う事はあるでしょ!!しかも隣の家で!!」
奏多はため息をし、取り囲む女子達にこう言い放った。
「だから・・・僕は、恋愛や性的な興奮に関して一切興味ないんだ!!何回も言わせないでくれ!!それと、刹那!永遠!ちょっと来い!」
少し不機嫌なまま、二人を呼び出し、今朝の件を話した。
「なる~オッケー、じゃあその男の写真見せて。」
「見せて見せて~」
と画像を見た瞬間、二人はギョッとした
「どうした?見覚えがあるのか?」
二人はコクリと頷いた
「うん、こいつ組織の人間だよ」
「裏切り者の処刑人」
という事は・・・
「昨日、殺りあったな?」
ふたりはコクリと頷く
「でも!牽制しただけ、その後は逃げたから言いつけは守ったよ」
「ちゃんと守った・・・・」
二人の表情からしてかなりの手練れだったのだろう。
「なら、次に発見したら直ぐ僕に連絡しろ。紅葉さんに合わせる。」
「でも、あの目は普通に誰でも殺す目だよ。」
「うん、昔のお兄ちゃんの目にクリソツだったよ。」
そいつが1つの流派の師範おも倒す腕を持っているなら、仮に腕が一流でも女性というハンディキャップがある以上、勝率は低いだろう。
「こいつは厳しいな・・・」
「で、依頼人にはこの事言うの?」
「言わないの?」
・・・どっちにするべきだろう?
選ぶのは読者の皆様!!
「言う」or「言わない」での答えでこの先の結末が大きく変化します。 (予定)
5月1日までにどちらかを選んでいただいて多かった方の展開で進めていくのでよろしくお願いします。
もちろん、選ばれなかった方の話の展開ものちに掲載する予定ですので結果的にはどちらも載せます。
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