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私のお兄ちゃんは完璧すぎる  作者: 朱雀 蓮
第2章 転校生編
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居候

最新話更新です。 

 職員室前で土下座をしている紅葉とそれを見降ろす奏多の姿を見て職員含め周りがザワザワとなり始めていたので、奏多は頭を上げるように説得した。

 「頭を上げて訳を言ってください!」

 「そ、それが・・・都会の宿屋は高いうえに、住もうものなら拙者の金子が尽きてしまう・・・だ、だから学校に住まわせてもらおうと朝に頼んだが・・・案の定却下され、今こうして頭を下げているでござるよ」

 確かに田舎と都会ではアパートを借りようにもまず金銭的にも大変だし、単独で来ているのならばなおさらだ。

 「・・・そういう訳ですか。なるほど。」

 別に家の部屋には余裕がある、布団もあるし、1人増えたところで靫空家の貯蓄という玉には一切傷はつかない。だが、同級生・・・しかも女子が1つ屋根の下に長期間一緒となると・・・

 奏多が出した結論は・・・

 「良いですよ。使ってない部屋も結構ありますし、1人位なら全然面倒見れるので。困ったときはお互い様ですよ」

 このとき紅葉の目に見えた奏多は菩薩の如きだった。

 紅葉の目にはウルウルと涙がたまり、再び深く頭を下げた。

 「ありがとうございます!」

 と涙を拭い全部で5つある段ボールを軽々と持ち上げると奏多の後ろに付いて行くのだった。

 だが雨は容赦なく振り続ける。

 両手が塞がった紅葉はどうしようかと悩んでいると、奏多が横に並び傘を差した。

 「荷物濡れてないですか?服とか触れたら大変ですもんね。」

 「荷物は大丈夫でござるが・・・靫空殿、身体がほとんど濡れているではござらんか!」

 奏多は完全に濡れ、自分の傘一本で紅葉を雨からガードしていた。

 「気にしないでください、濡れるのには慣れているので。」

 紅葉は申し訳なさそうにそのまま奏多の家に向かうのだった。

 家に着くと、紅葉は荷物を置き、真っ先に荷物の中から乾いたタオルを奏多に掛けた。

 「早く着替えてくるでござる、このままでは風邪をひいてしまいます。」

 「では、甘えてそうさせてもらいます。リビングでくつろいでいてください。着替えたらすぐに部屋に案内しますので。」

 奏多はタオルで頭をワシャワシャとおおざっぱに拭き、暖かい格好に着替えると直ぐに一階に降りリビングに向かった。

 リビングに居た紅葉はソファに正座しておりソワソワとしていた

 「それではついて来てください。」

 段ボールを持ち先導し一階の一室に入った。

 「おおっ!和室でございますか!有り難いでござる!」

 靫空家は洋式タイプの家だが、一室だけ和室があるのだ。

 「日ごろから掃除はして、引き出しには布団が一式入れてあるので使ってください。トイレは廊下の突き当り、お風呂はその手前です。タンスは空にしてあるので服や下着もご自由に入れてください。」

 もはやどこぞのホテルだった。

 奏多は和室を後にし、リビングに向かった。

 「主様・・・流石にお持ち帰りはマズイんじゃニャイか?」

 猫に白い目で見られるとは・・・

 「お持ち帰りではなく居候だ!困ってたから宿を提供しただけです!!」

 ふ~んと言ってるような顔でこちらを見てくるソナタに奏多の頭には薄く怒りのマークが浮かんだ。

 「お前、最近僕をからかうのが楽しくなってきてないか?」

 それを聞き益々、上機嫌な顔でこちらを見てくる。

 奏多は大きくため息を付き、キッチンに向かうのだった。

 それと同時に恐れていた事態の引き金となろう人物がおかえりになった。

 「お兄ちゃん、玄関に草履があるけど・・・誰か来てるの?」

 リビングに入ると同時に発せられた言葉には少しプレッシャーを感じた。

 「あ・・・ええと、その、説明させてくれ。実は・・・・」

 —ガチャ

 「靫空殿~部屋の電球が切れているので、変えていただき・・・ん?靫空殿、この方は?」

 「ああ・・・妹の奏です・・・奏さん、いえ、奏さま。こちらは本日より居候として一緒に住むことになった・・・」

 「佐々木紅葉と申します。今日よりこの家で住まわせていただきます。よろしくお願い致します妹殿!」

 奏は開いた口を閉じれず、奏多は目から光が消えかけているのだった。

 どこかで見たようなデジャブ、紅葉がソナタと遊んでいる間に奏多の部屋では奏による家族会議が開かれていた。

 「どうして、相談しなかったの?しかも、同級生、しかも女子を・・・」

 正座している奏多は椅子に座っている奏多を見上げた。

 「急だったし・・・いつまでも職員室前で同級生が土下座してる姿は流石にやばいだろ・・・それに、部屋は余ってるんだ、住んでも何のデメリットはないだろ。」

 反論、言っていることは正しい?・・・が、奏の口も開く。

 「お兄ちゃんさ、最近最近学校で話題になってるんだよ!悪い意味で。」

 奏多は首を傾げた。

 「まず!林間学校での女子寮に堂々と上がり込んだのが一部で変な噂がたった上に、最近じゃあ、乙さん?例の私も仕方がないとは言ったけど・・・赤の他人の頭を廊下で撫でたり、腕組して歩くって!!私もしたことないのに・・・ (ボソッ)」

 奏多は何も言えなかった・・・事実、身から出た錆だ。

 「すいません・・・でも!彼女をこのまま都会の路上で一人ダンボールに囲まれてもいいの?良心は痛まないのか!?」

 もう、滅茶苦茶すぎる・・・

 「うっ・・・そうだけど・・・・。」

 「僕も近場の安いアパート頑張って探してみるから、それまで、それまででいいから!!」

 なんだか、『怪我が治るまで僕がこいつの面倒を見る!!』みたいな感じだ。

 「わかった・・・わかりました!!許可します!だけど・・・手出しちゃ駄目だよ。」

 言っていて恥ずかしいのか、顔が真っ赤だ。言わなきゃいいのに。

 「出すわけないだろ、奏は心配性だな。」

 奏の頭をワシャワシャ撫でまわすと、夕食の用意をしにリビングに降りた。

 奏は奏多の部屋でワシャワシャされた髪を掴んだ。

 「バカ・・・」

 リビングに降りると、紅葉はソナタの小さな体を指で撫でまわし、ソナタもまんざら喜びながらにゃんにゃんしていた。

 「あっ、靫空殿、話は済んだでござるか?」

 「うん、奏からも許可をいただいたからとりあえず近場の安いアパートが見つかるまでは家で面倒見るよ。あと、僕の事は気軽に奏多でいいよ、名字で呼ばれたら奏もうっかり反応するかもしれないし。」

 「それもそうでござるな。では改めてよろしくお願い致します、奏多殿。」

 こうして、我が家に4人目 (仮)の家族が増えました

 

次回更新は未定です。

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