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私のお兄ちゃんは完璧すぎる  作者: 朱雀 蓮
第1章 日常編
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林間学校④

最新話投稿しました!

 奏多は何時もの時間5時に目を覚ました。

 昨日の夜の出来事を含め合宿初日の疲労はスッキリとれ、奏多は朝日が出る前に外の空気を吸い身体を伸ばした。

 そして、新しいジャージに着替え、別館から外に出る。

 山の中、薄く霧が発生している中、奏多は施設周りを歩いていた。

 外は肌寒く、白息がふーっとでる。

 口笛を吹き、歩く、誰もいないことをいいことに優雅に口笛を吹いてしまう。

 口笛の音色はやまびこの様に森に響き、小鳥たちのさえずりとハウリングし正に自然の演奏会だった。

 だが、奏多は口笛を止め、近くにある大きな池のほとりに座った。

 池も霧が立ち込めているため、目の前の景色は見えなかった。

 水の表面を見ると鏡越しに自分の顔を見る。

 「・・・今、こんな顔してるのか。僕。」

 水面に映った顔は正に無表情だった。何も感じずただ人を殺していた時代の自分・・・そして水面の顔は不敵に笑い始めた。

 『いい顔してんな、俺。昨日のあいつらの出現がそんなにショックだったか?』

 それもある。あの二人が自分の近くに現れたという事は、もう時間がないと言っているようなものだった

 『まぁ、昨日もお前が思ってたように今は深く考えない方がいいと思うぜ、考えるだけ損だ。』

 「・・・ああ、言われなくても分かってるよ。」

 水面に石をぽちゃんと投げ、奏多はその場を後にするのだった。

 部屋に帰り朝の集いの6時半までの間、奏多は部屋で寝ているソナタの頭を撫でるなど、特に何も考えず興味本位で肉球などをいじり始めた。

 すると、ソナタはバッと飛び跳ねるように起きた。

 「な、何じゃ!いきなり!ビックリしたわ!!!儂の睡眠を妨害するどころか、我が至宝の肉球を弄るとは・・・主様とは云え、許されることではないぞ!!」

 シャーと警戒する体勢を取り始めたソナタに対し、奏多はソナタの頭をポンポンとした。

 「ごめん、ごめん。つい・・・寝ている猫が肉球触るとどんな反応するかなーって・・・」

 「なんじゃその、見た感じ思いつきました感の興味は?」

 「ホントにごめん!嫌だったなら謝る。お詫びにカルピス買ってやるからさ。」

 すると、急に大人しくなった。

 「ふ、ふん!今回限りじゃぞ!今回限り!!カルピス特大サイズで許してやる!な、なんじゃ!その、目は!!!その目を止めろぉぉぉ」

 すっかりソナタいじりにはまり、その後、必要以上に撫でまわし、ヘトヘトになったソナタをその場に放置し朝の集いに出向くのだった。

 朝の集いはラジオ体操をするだけでその後は皆で食堂に朝食をとるという物であるが、正直、朝女子と顔を合わせるのは正直気が引けた。

 奏多がラジオ体操の場に姿を現すと、女子が心配そうな顔で見てきた。

 奏多は気にしない、気にしないと言い聞かせ、ラジオ体操は始まった。

 ラジオ体操が終わり、皆ゾロゾロと食堂に向かい、おぼんに乗った白飯、鮭の塩焼き、ワカメの味噌汁、海苔の乗った朝食を受け取りそれぞれ食べ始めた。

 奏多も席に座り、手を合わせ朝食に箸を伸ばそうとすると、左隣に奏、その隣に蛍、そのまた隣に澪、右隣に加奈、その隣に月夜そのまた隣に恵里佳。そして、正面に撫子、その左隣に飛鳥、右に曙、そして、その隣に渚が座った。

 もう、逃げられなかった・・・

 「昨日は・・・ホントに!ごめんなさい!!私、また・・・変な事を・・・・。」

 渚は頭を机にガンとつけ謝ってきた。

 「私も・・・ちゃんと謝れなかった・・・昨日はいきなりの飛び蹴りスマン!!」

 撫子も頭を下げた。

 「い、いえ・・・何も起きませんでしたし、大丈夫ですよ。お二人とも頭を上げてください。折角の朝食が覚めますよ。さぁ、食べましょう。」

 奏多は味噌汁を啜り、朝食を食べ始めた。二人は頭をあげ、渚は鮭、撫子は海苔を奏多の皿にのせ朝食を食べ始めた。

 奏多はこれが、反省の形か・・・とふっと微笑みながら朝食を平らげるのだった。

 それを見て、周りもホッとするのだった。

 朝食を食べ終わり、今日の日程を確認した。

 本日は短き林間学校の最終日、午前中はカヌーで激流下り、昼食はバーベキューで林間学校は終わり。

 何とも快適しかなかった合宿だった。

 一行はバスで激流下りの舞台である河に到着し、ライフジャケットを着て、各学年3隻に分け皆の結束力と腕の力で激流を下っていく。

 奏多も初めての経験だったので内心ワクワクしていた、だが、隣に座る月夜はガタガタ震えていた。

 「この河にはリヴァイアサンがいるのだ!この場の全員水に落ちれば奴の餌だ!!」

 奏多は声を掛ける事も無く激流下りは始まった。各船に1人、ベテランの人がついてくれているのでスムーズに行けるが、たまにある衝撃はジェットコースターの様なスリルを味わえるのだった。

 「きいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 隣で常時叫び声や何か呪文を唱え始める月夜が船の上に居るのだった。

 そして、船が目標地点に着き、船から降りた一同は満足そうに楽しんでいた。

 だが、月夜の顔は死にかけ、蒼白となっていた。

 到着地点は昨日とは別のキャンプ場になっており、そこでバーベキューが開かれるのだった。

 バーベキューでは撫子や、体育系の猛者たちによる肉の争奪戦が行われていた。

 奏多も少量の肉と野菜、おにぎりを1つ獲りむしゃむしゃ食べていた。

 「おう!奏多、何だお前、男ならこの位食え!」

 すると、猛者たちから勝ち取った大量の肉の一部を奏多の皿にドサッと盛った。

 「い、いただきます・・・」

 油ぎった部位だらけで正直、嫌になりかけていたが、撫子の好意を無下にできず胃を抑える決心をしながら食べきったのであった。

 そして、事は呆気なく終わり、遂に帰るとき。荷物とソナタを鞄に詰め、今回は使う事はなかったアタッシュケースを片手にバスへと乗り込んだ。

 バス内では皆寝てしまい、本当に何事も無く安全に今回の林間合宿は終わるのだった。

次回、Dating story【月夜編~我が王道を見よ~】でお会いしましょう。

それでは。

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