林間学校③
投稿しました!そして・・・PV10000人突破しました!ユニーク数も3000人に迫る勢いです!!これも、読者の皆様のお蔭です。宜しければ、これからも思い付きで書いているこの小説の応援をお願いいたします!!!!
集会場から夕食づくりの為に、奏多達は施設から数十メートル離れた場所にあるキャンプ場と書かれた大きな広場にやってきた。
「では、これより、夕食のカレー作りをしてもらう。各学年でそれぞれ作ってもらう、今日の夜はリクリエーションで希望者のみナイトウォークを実施する。希望者は私に行ってくるように。」
おお~っと半数が盛り上がった、それもそのはず、このナイトウォークはリア充以外が (主に男子)が参加するのだ。
奏多は特に参加する理由も無かったが、暇なので参加すると言いに行った。
「おお~、靫空か!お前このイベントに参加するのか!散々女子振ってるくせに。」
無礼な先生だ。まぁ図星だが。
「まぁ、暇なんで。」
その言葉を皮切りに調理実習が開始した後、皆密かに参加申し込みをしていくのだった。
そんなこともつゆ知らず、奏多は野菜の下ごしらえに集中していた。
加奈を含む女子男子十数人で皮をむき、恵里佳を含む女子数人と奏多は野菜と肉を切り、月夜を含む残りで具材を煮込んだり、ルゥをいれたり、味を調えていた。
奏多は手慣れた手つきで玉ねぎを刻んでいく、そして偶に奏多が玉ねぎで涙し、それを見られて恥ずかしがる様子を女子は微笑みながら見ていた、すると、
「あっ!あちゃ~、指切っちゃった。」
野菜切りメンバーの一員が指を切ったらしく血が滴っていた。
「大丈夫!?ああ、気をつけないと・・・ちょっと、待ってて。」
と、腰につけているウエストポーチから小型の救急セットを取り出し、その女子の血をティッシュで拭き取り、消毒液で洗浄すると、絆創膏を丁寧に貼る。
「これでよし、痛むようだったら休憩しといて、その分も僕がやっておくからさ。」
正に神対応・・・男子も見習えと言わんばかりに女子が男子を睨む。男子も幾分感心していたが、眼鏡山は睨みながらスライサーで静かに指を削り、密かに先生の治療を受けているのだった。
「うーん、このジャガイモ、固い・・・」
恵里佳が固いジャガイモを切っている。その姿を見て奏多は声を掛けた。
「固いのは、こうやって手を上に添えて思いっきり・・・ふっ!」
と峰の方で包丁を思い切り押し込む、スパッと切れた。
「よーし、私も・・・ふんっ!」
だが、刃が中途半端に刺さり抜けなくなってしまった。
すると奏多が恵里佳の包丁を抑えている手の上に手を優しく置き、グッと抑えた
「高ノ宮さん、いい?この中心に手を置いて・・・そうそう、そしたら、って聞いてる?」
顔を真っ赤にさせ、恐らく聞いていない。それもそのはず、後ろから抱かれるように包丁を抑えてくれていたからである、幸い誰も見ておらず、この幸せな時間は誰にも邪魔されず、恵里佳はジャガイモを切った。
そして、切った野菜と肉を炒め、水を投入、煮立ったらルゥをぶち込み完成。
そしてご飯を先生サイドから受け取り、奏多達、2年生の調理は成功した。
同じく1年生も完成したようだが、3年生のカレーの鍋から火が上がっているのがみえた。
「消火器ィィィィィィィィィィ!おい、誰か、消火器を!!」
先生が叫び、消火器をカレーなべに吹っ掛け沈下したが、もう真っ白な粉塗れだった。
「仕方がない・・・1、2年から分けてもらえ!お前らは3年連続でどうして鍋を燃やすんだ!」
3年は顔を下げ、ご飯とカレールーを各学年から貰い、完成?となっていた。
『いただきまーす!』
全員の掛け声と共に、カレーの実食が始まった。
普通に美味しく、普通にできていた。
直ぐに食べ終わり、奏多達は水道で鍋の掃除を終わらせ、その後に備えるナイトウォークを待つのみとなった。
その30分後、122に名中57人、男子27人、女子30人とあまり切りの良くない数だった。
「ん~、例年だとあんまりバラつきがないんだけどな・・・よし!男子は男子で組め、女子も女子で組め、あ~、靫空、お前には途中のチェックポイントの立ち番になってもらう。すまん、数合わせだ。」
奏多はやれやれと先生サイドに立つと、トランシーバーと懐中電灯を持ちひっそりと山の中に入っていくのだった。
男子は活力を失い、目が死にながら男同士で組んでいた。逆に女子はチェックポイントに奏多がいることで躍起になっていった。
最初の組、男子、女子、男子、女子と交互に行くのだった。
女子第1組、撫子と渚だった。
「さぁ!行くぜ!」
「走らずゆっくり行きましょう。」
ハイ&ローペースのこの二人、この二人と組めたなら・・・男子は後ろから見ているのだった。
だが・・・
「うをああああああああ!!何かいる!!!何かいるって!!」
「落ち着いてください!!えっ!?何処ですか?轟さーーーーーーん!!」
叫び声が山から聞こえるのだった。
そして、女子4組目、生徒会の刺客、飛鳥と曙だった。
「さーて!行きますよ!!曙ちゃん!」
「はい、会長。」
だが、先程と同じく、叫び声と共に消えていった。
そして、女子5組目、加奈、月夜ペアが行くのだった。
「大丈夫か?貴様は足を・・・」
「へーき、へーき、ゆっくり行こうよ!」
この二人はマイペースで順調に進んでいった。
そして、女子13組目、寝ぼけている澪とそんな澪を心配そうに見る恵里佳だった。
「・・・れっつごー」
「・・・おー・・・」
話しかけにくい後輩に手間取りながら歩いていくのだった「。
そして、最終組、奏と蛍だった。
「奏ちゃん。ゆっくり行こう・・・」
「うん、ちょっと、怖い・・・」
一方、遡ること数十分奏多は最初の男子に次の道を支持し丸太の幹に座っていると叫び声を上げた撫子がやってきた。
「・・・大丈夫ですか?」
「はぁ、はぁ・・・奏多ぁぁぁぁぁ!」
「撫子さん、パートナーは?」
後ろを見るが誰もいない・・・
「・・・渚ぁぁぁぁぁ!!」
と再び叫びながら再び闇の森の中へと駆け抜けていった。
その数分後、合流していたのか、撫子、渚、飛鳥、曙の4人が震えながら来るのだった。
「おつかれさまでーす、このまま右に曲がってもらうと折り返して出口に向かえるので気をつけてゆっくりゴールしてください。」
顔を真っ青にしながら4人はフラフラと足並みを揃え右の道へと向かうのだった。
そのあとすぐに、大前がきた。
「おう!奏多、お疲れさん!!」
昔から怖いモノに何も動じない奴だったので、普通に散歩の様に同級生の男子と歩いてきた。
「この先を右に曲がってもらえばゴールに着くから、気をつけて。」
「おう!頑張れよ!」
別に一人でいるのは心細くはないが、なんだかホッとした。
次の男子が来た3分後に松葉杖をつきながら笑っている加奈と、悪霊退散!と書かれた鉢巻と十字架を手にビクついている月夜が現れた。
「お疲れ様。加奈、足は大丈夫?痛くない?」
「うん、平気、平気!それよりも、月夜ちゃんが・・・」
「うおああああああ!!!悪霊がぁぁぁぁぁ!!滅してくれるわぁぁぁぁぁ!!!おお、盟友よ!貴様も祈れ!!消えろぉぉぉぉ!悪霊がぁぁぁぁぁ!!!!」
聞くところによると、風で木々が揺れその際に何かしらの固い木の実が脳天に直撃し、ふらついた際、足の指に埋まった岩が痛い角度で刺さり、後ろにのけぞった瞬間、カマキリが髪につき散々な目に遭った為、悪霊の祟りだ、と叫びながら除霊をしているらしい。
「そ、そうか・・・えと、この先を右に行ったらゴールに着くから。」
加奈も苦笑いで周りを警戒しながら十字架をぶん回す月夜と共に歩を進めた。
そして次は恵里佳と澪だった。
「・・・あ、奏多。」
眠そうにフラフラとこちらに歩を進め、座っている奏多の膝辺りにドサッと顔を埋めた。
「こらっ!澪ちゃん!そんなところで寝ちゃダメ!奏多君ごめん、澪ちゃん起こして!」
奏多は何時もの所作で澪を起こすと、若干不機嫌な感じで奏多のお腹をポカポカ殴っていた。
「澪、ほら頑張って、あと半分。頑張ったら、生徒会室にお菓子作って持って行ってあげるから。頑張って!」
大げさだと思っているが、若干の不機嫌と化した澪はこうでもしないとずっとお腹をポカポカするのだ。
無言でコクっと頷き、恵里佳の腕を掴み先の道へ向かって行くのだった。
「・・・道の説明してないのに、大丈夫かな?」
心配しながら見ていたが右に曲がってくれてホッとした。
そして最後、奏と蛍のペア。自分の妹の森を怖がる姿を見て微笑みを隠せなかった。
「お疲れ、奏、蛍ちゃん。さ、あと半分!頑張ってね!この先を右に行けばゴールだ。」
「うん、お兄ちゃんもお疲れ様。でも、私達で最後だから一緒に行かないの?」
「ああ、先生に待機命令が出されてるからね、残念だけど一緒には行けないんだ。さ、蛍ちゃんとゆっくり気をつけて行きな。」
2人に手を振りながら別れると、帰ってもいいかとトランシーバーで応答を待ったが、反応がない。
「ん?ノイズが・・・どうしたんだろう?」
と、トランシーバーの調子がおかしくなったかと思いいじっていると、森の陰から何かがぶつかった衝撃が走り、横の地滑りした崖に身体が流れた。
辛うじて、岩肌にしがみ付いているが、明らかに故意的な攻撃の為このままでは止めを刺されるかと思ったが、追撃がくる気配がなく自力で上ると、そこには腰を抜かし地べたに座っているフードの男がいた。
フードをがばっと獲り、顔を確認すると、眼鏡山だった。
「眼鏡山君。何で、こんな事を?」
すると、眼鏡山は下を俯いたまま涙を流していた。
「どうして・・・どうして!どうして、お前は・・・そんなに何でも出来るんだよ。どうして、俺は勝てないんだ!死ぬほど努力して勉強しているのに・・・・クソッ!クソッ!」
「それで、僕が骨折でもすれば、来週ある模試を受けられなくなると・・・下らないね。」
その言葉を聞き、眼鏡山はこちらをギラッと睨んだ
「下らない?下らないだと!?お前みたいな天才が・・・凡人の何が分かる!?」
「そんな事を、思っている時点でお前は負けているんだ、良いかい。僕だって努力はしてるさ。単に他の人より呑み込みがいいだけで別に自分を天才だなんて思ったことも無い。それか、今度のテスト僕が受けないであげようか?それで、君がトップになればいいんだろう?」
奏多は容赦なく眼鏡山を責める。
目はもはやごみを見るような目で見ていた。
「う、ううう・・・違う。違うんだ。俺は、自分の力で・・・勝ちたい。だけど・・・敵わないんだ、どうすればいいんだ?」
涙をボロボロ流しながらさらに下を俯き始めた。
「・・・なら、頑張れ!僕に勝つって思ってるから気が張って本調子が出ないんだと思うよ。自分のペースでいけばいいよ。もういいから泣かないでくれ」
一瞬にして、慈愛の天使の様な目になった。
「・・・許して、くれるのか?」
「うん、別に良いよ、君も焦ってたんだね。僕だったからいいけど、他の人だったらどうなってたことか・・・」
「ありがとう・・・ありがとう・・・すまなかった!すまなかった!!!」
「もういいよ。別に、何事も無かったんだし、それよりトランシーバーの調子が悪いのって君の仕業かい?」
「あ、ああ・・・トランシーバーはおんなじ波長の通信にさらに強い電波を出せば妨害できるって・・・書いてたから。」
「書いてた・・・?何に?」
「計画書に・・・テストの結果発表日に、渡されたんだ。」
「誰に?」
「分からない・・・気づいたら後ろに居て、そいつはその紙をくれて、この合宿のどのタイミングにこうやれば骨折位の怪我はさせられるって細かく書いてたんだ。まぁ、これ以外にも色々試そうとしたけど、上手く行かなくて・・・やっと出来たと思ったら、なんてことをしてしまったんだって・・・腰が抜けたんだ」
「そうか、ありがとう。話してくれて。悪いけど先に帰っててくれないかい?先生が多分連絡が取れないってくるから、君がここで見つかると疑われる。さぁ、早く。」
眼鏡山は涙を拭い、よろよろと歩きながら森を抜けて帰っていった
その間、奏多は考えていた。
「計画書だと・・・一体、何者だ?」
木々が風に揺られ轟轟と風が鳴る。
すると、その風の音とともにクスクスと笑い声が聞こえた。
「動かないで。動いたら・・・死ぬよ。」
一瞬だった、笑い声が遠くから聞えたかと思えば既に後ろに立たれていた。
「・・・誰だ?」
クスクスと2つの笑い声が響く。
「3番目と4番目・・・って、言えばわかる?お兄ちゃん」
その言葉を聞いた瞬間、奏多の顔は驚きが隠せなくなっていた。
「ハハハ、驚いてるのが後ろからでも分かるよ・・・でも、ご対面はまた今度、じゃあね。」
「バイバイ、兄ぃ」
後ろからふっと気配が消え、奏多は膝をついた。
「・・・時間切れか。」
奏多は月を見ながらスーッと涙を流し、1人暗い道を歩いていくのだった。
次回投稿は明日か今日中に頑張って行います!
次回は林間合宿の夜の物語。
その名の通り、ちょっとエッチな表現が入るかもしれないので、どうかそれをご承知の上でお読みになって頂くことをご理解よろしくお願い致します。




