祭りの喝采
森の中の街には人々がいて、その人々は、騒がしい音を立てて、生きている。
街は祭りをしていて、まるで巴里祭の様な活気に満ちている。
食べ物がたくさん並んで、タコスやケバブ、ソフトクリームやクレープといった、出店に並んでいそうなもので埋め尽くされていた。
歌うもの、踊るもの、演奏するもの、どちらも朗らかに舞っている。
烙末はサングラスをしながら椅子を傾け、足をテーブルに乗せて座っている。
踊り子が踊っている。タップが激しさを増すごとに演奏者も激しさを増してゆく。
周りの観客は大いに盛り上がり、アンティゴネも思わず拍手をする。
ドレスに身を包んだアンティゴネは、烙末のテーブルに手をつく
「ね、忘れられそうな街でしょ?」
「そだね。」
「ここは忘れじの街ね。」
「さよけ」
街のみんなが広場に集まる。座っていた烙末はアンティゴネに連れられ立ち上がる。
「さぁ、みなさん、一緒に踊りましょう。若者も、老人も、子供も、牧師も、みんなみんなで踊りましょう、ハイッッヤッ!」
音楽が一斉に演奏される。広場をぐるりと回る様に、手をつなぎ、みんなで回りだす。
アンティゴネは烙末の手をとり、輪の中へ入りゆく、烙末は、その手のぬくもりに、少しの動悸を感じる。
花火が上がり、薄暗い空を明るく朗らめる。
曲がフィナーレを迎え、広場の人々は拍手を送る、そうして、各々談笑しながら散らばってゆく。
「たのしかったね。」
「そうだね。」
二人は適当な店でピザを頼み、テラス席で続く演奏に耳を傾ける。
どこからだろうか、こんな会話が聞くともなしに聞こえてきた。
「奴ら、この機会になにをするかな。」
「何もしない。いつもの手だろ。」
「カルタゴは?」
「さあ、最近は連絡が途絶えてる。カルタゴの中でも少しもめてるらしい。」
「…赤?」
「さあ、だがうちほど苛烈じゃない。それよりゲルマン民族たちのほうがな。」
「あっちの奴らとは連絡どうなってんだ?」
「あぁあっちは―――」
「お待たせしました。マルゲリータです。」
店員が来て会話を聞きそびれた。それからもアンティゴネとの会話に夢中で、食い終わる頃にはすっかりそのヘンテコな会話のことなど忘れていた。
花火が烈火の如く空で破裂する。祭は終わりを迎えようとしていた。
烙末は、アンティゴネをじっと見つめる。みつめたら、彼女もみつめ、微笑み、恥ずかしそうにする。
私は、どこかで、この光景を、見た様な、気が、
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