3.アリューマ・インタビュー(マチルダとフレックの場合)
なんでこうなったのかしら?
アリューマの質問に答える気軽なお茶会の予定だったのに。
企画の話が侯爵夫人に伝わったら、何故か、『アリューマの質問を通して、婚約者同士の理解を深める会』のガーデンパーティになってしまったわ。
場所はうちのマナーハウスだけれど、主催者は侯爵夫人。大規模すぎるわ。
しかも侯爵夫人が
「小さなお客様もいらしているの。疑問いっぱいのアリューマの質問には答えてあげてちょうだい」
と言って今回参加のカップル全員にアリューマを紹介していたので、断らず皆相手をしてくれている。
目論見どおり、アリューマは婚約中のカップルに色々質問していた。
可愛らしい回答を聞けて周りの大人たちもニマニマが止まらなかった。
若い子のストレートな好意と恥じらう表情にキュンキュンしちゃうわ。多くの夫人が気が付かれないようにちらちら見て耳をそばだてる。
まあ、わたくしもその一部ですけれど。
「マチルダさまは、どのようにして、こんやくしたのですか?おしえてくださいませ」
「えっと、その、デビュタントの夜会で、お会いしたのがはじめてでしたわ。
その時に、靴擦れをしてしまって。動けなくなった所を、フレックが気がついてくれて、こっそり手を貸してくれたの」
デビュタント後1年の幼い令嬢がちょっと照れながら視線をふわふわさせてお話していて、とても可愛らしいわ。
「こっそりてをかしてくれたのですか、やさしいですね。
フレックさま、なんでマチルダさまにきづけたんですか」
「えっと、マチルダがポニーテールにしていたんだけど、その、スッキリしているのに、髪がふわふわしているのが目について、見ていたら挨拶を回るごとに動きがぎこちなくなっていってて⋯」
「ずっとみていたんですね」
「そうだね」
「マチルダさまはきれいだったんですか?」
「いや、きれいっていうより可愛らしくて」
その言葉に真っ赤になるマチルダ。
ちらっと真っ赤なマチルダを見て、照れ始めるフレック。
「フレックさまは、マチルダさまがかわいいからこんやくしたのですか?」
「いや、見た目だけじゃなくて、休憩所まで送った時にこちらを気遣う感じとか、僕の趣味が絵なんだけど、同じ作家の話で盛り上がったり、なんか、そうだな、同じペースで生きてくれそうな感じがしたからかな?
僕はあんまりハキハキしているほうじゃないから、ゆっくり話してくれるマチルダといると落ち着くんだ」
マチルダ嬢も知らなかったみたいで、興味津々に聞いています。
もう同じような会話が5回ぐらい別々のカップルで行われていますわ。可愛らしいわ。
切り的にちょっと短めです。




