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先生、もう一度始めからお願いします

わ ん


教壇に立つ犬先生の本日の講義は

ゲームのし過ぎで廃人になってしまった小学生の話でした

(僕には吠えているだけにしか聞こえなかった)


相変わらず先生は尻尾を振りながら

雄弁かつ抑揚豊かに話の筋道をしっかりと伝えてくれたので

非常に解りやすかったと

昼食の時に向かいに座っていた人が言ったのは

もう少し未来の話

(不安になって隣のノートを覗いたら、

 わん、と、きゃん、の羅列)


わ ん


講義が中盤に差し掛かると先生は助手に用意させておいた

ハムカツを食べ始め、そのハムとカツの間にできた隙間を

パーソナルスペースに例えて

小学生とその両親の関係を話し始めたようです

(勿論、僕はノートをとれませんでした)


相変わらず先生の講義は

表現が豊かで多彩で美しいから

その場面に自分も居るような気分になるなぁ

(本当にそう思っているのか

 はなはだ疑問な友人が感涙している)


(教室を出ていくA子の背中)

僕は追いかけなければいけないはずなのに

先生があんまり吠えるものだから

結局ベルが鳴るまで着席してました


講義が終わると生徒に頭をよしよしされて

尻尾を振っている犬はうちの大学の人気者

(机の上にカツの粉塵が)


(これはつまり犬も食わない隠喩みたいなものなんです)


2005/4/27 10:57

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