第32話 封じる者
大聖堂地下。
最深部へ続く廊下。
黒い脈。
茶金色の光。
二つの力が。
石床の内部で。
正面からぶつかっていた。
――ミシ。
――ミシミシ。
「…………」
ヴァイラが。
足を止める。
黒い《侵脈》。
進まない。
正面。
巨大な石扉。
その向こうから。
大地そのものが。
押し返してくる。
「強いな」
ヴァイラが呟いた。
シルヴァは。
その背後。
剣を構えたまま。
「だから言ったでしょ」
「何をだ」
「行かせないって」
「お前が止めているわけではない」
「……今の言い方嫌い」
ヴァイラが。
僅かに振り返る。
「事実だ」
「分かってる!」
シルヴァ。
踏み込む。
《風脚》。
一閃。
ヴァイラ。
長槍。
受ける。
ガキィン!!
「――っ!」
風。
地下廊下を走る。
壁。
床。
だが。
昔とは違う。
風は。
消えない。
シルヴァ自身が。
抑えている。
必要な場所へだけ。
流している。
「…………」
ヴァイラの目が。
僅かに細くなる。
「やはり」
「何?」
「記録とは違う」
「また記録?」
「幼少期」
「選抜大会」
「勇者一行への加入」
「ノクティス」
「分かる範囲では調べた」
「……気持ち悪い」
「必要な情報だ」
「俺の子供の頃まで?」
「風の恩寵保持者だぞ」
ヴァイラ。
槍。
押し返す。
シルヴァ。
後退。
「出生」
「能力発現」
「暴走」
「封印」
「制御過程」
「全て軍事的価値がある」
「…………」
「特に」
ヴァイラが。
横。
鉄格子の向こう。
かつての部屋を見る。
「この場所は興味深い」
シルヴァの風が。
一瞬で。
変わった。
「見るなって」
低い声。
「言ったよね」
「感情的になるな」
「無理」
「なら」
ヴァイラの長槍。
シルヴァへ。
「戦場では死ぬ」
突き。
「――!」
シルヴァ。
剣。
逸らす。
槍先。
頬。
掠める。
血。
「っ」
ヴァイラ。
さらに一歩。
柄。
脇腹。
シルヴァ。
風。
受け流す。
それでも。
衝撃。
「ぐっ……!」
壁へ。
足を滑らせる。
「感情は」
ヴァイラが言う。
「判断を鈍らせる」
「…………」
「恐怖」
「怒り」
「情」
「全てだ」
シルヴァが。
ゆっくり立つ。
「だから」
「危険なものは」
ヴァイラの視線。
牢。
「危険だと判断した時点で」
「管理する」
「封じる」
「必要なら」
「排除する」
「…………」
「聖都が」
「お前へ行った判断は」
その瞬間。
――ゴン。
低い音。
廊下全体。
震えた。
ヴァイラが。
前を見る。
巨大な石扉。
茶金色。
紋様。
ゆっくり。
開いていく。
ズズズズズ……。
「…………」
扉の奥。
長い聖杖。
白と大地色の祭服。
ガルド。
一人。
立っていた。
「続けろ」
低い声。
ヴァイラの眉が。
僅かに動く。
「何をだ」
「今の話だ」
ガルドが。
聖杖を持ったまま。
こちらを見る。
「聖都が」
「シルヴァへ下した判断が」
「何だと言う」
「…………」
シルヴァも。
ガルドを見る。
ヴァイラは。
躊躇しなかった。
「正しい」
静寂。
「…………」
シルヴァの目が。
僅かに伏せられる。
ヴァイラは続ける。
「未知の力」
「制御不能」
「都市一つへ被害を及ぼす可能性」
「さらに」
「神に由来する正体不明の権能」
赤い瞳。
「自由にしておく方が異常だ」
「…………」
「最高司祭」
ヴァイラが。
ガルドを見る。
「お前なら」
「理解できるはずだ」
黒い《侵脈》。
足元。
静かに広がる。
「危険なものは」
「被害を出す前に封じる」
「当然の判断だ」
「…………」
ガルドは。
答えなかった。
シルヴァも。
何も言わない。
ただ。
風だけが。
小さく揺れた。
◇
東南区。
ガキィン!!
ティナ。
メルザ。
剣と鉤槍。
火花。
「――っ!」
ティナ。
押される。
メルザ。
槍を引く。
鉤。
剣身へ。
絡む。
「捕まえた」
「まだ!」
《構装》。
剣。
解除。
「……!」
メルザの鉤から。
白い刃が消える。
同時。
ティナの左手。
新しい剣。
再構築。
「そんな使い方――」
「何回も捕まると思わないで!」
斬撃。
メルザ。
後退。
肩。
浅い傷。
「…………」
「当たった!」
ティナが笑う。
「まだ」
クジャが言う。
「後ろ」
「え」
魔物。
二体。
「そうだった!」
ティナ。
振り向く。
だが。
遅い。
「♦6!」
クジャ。
防壁。
一体。
止める。
二体目。
爪。
ティナへ。
「――!」
ティナ。
剣。
受ける。
腕。
痛み。
「っ……!」
膝。
沈む。
メルザの目が。
そこを見る。
「右腕」
「……」
「怪我しているのね」
「余計なお世話!」
「なら」
赤黒い光。
メルザの左手。
「そこから壊す」
「ティナ!」
《血標》。
飛ぶ。
ティナ。
避ける。
赤い光。
通過。
しかし。
その先。
聖都兵。
「――え?」
肩。
赤い印。
付着。
「しまった!」
魔物たちが。
一斉に。
兵士を見る。
「クジャ!」
「見えてる」
右眼。
赤い線。
「切る」
クジャ。
カード。
♠10。
投げる。
狙うのは。
兵士ではない。
兵士から伸びる。
赤い力の線。
斬撃。
――パキン。
印。
揺らぐ。
「……!」
メルザの顔。
初めて。
明確に変わった。
「あなた」
「何?」
「それを」
「何だと思って斬っているの?」
クジャが。
首を傾げる。
「線」
「…………」
「見えるから」
「斬った」
ティナが言う。
「本当に説明雑ね!」
「切れたからいい」
「それはそう!」
メルザが。
鉤槍を強く握る。
「厄介どころじゃない」
クジャを見る。
「あなた」
「ここで殺した方がいいわね」
「嫌」
「聞いてない」
「じゃあ」
クジャ。
残りのカード。
構える。
「こっちも」
右眼。
赤黒い流れ。
「倒す」
◇
大通り。
――ドン!!
ドレグの拳。
石畳。
砕く。
ディーン。
《迅雷》。
横へ。
「逃げんな!」
「避けてんだよ!」
「同じだろ!」
「違う!」
ドレグ。
踏み込む。
自身。
《加重》。
重量。
増加。
地面。
沈む。
そのまま。
拳。
「おらぁ!」
ディーン。
剣。
受けない。
横へ。
雷。
「《雷閃》!」
ドレグの脇腹。
一閃。
「ぐっ!」
血。
だが。
ドレグ。
笑う。
「浅え!」
「知ってる」
「何?」
ディーンの剣。
傷口。
すぐ近く。
青白い雷。
「だから」
「重ねる」
「――!」
バヂィィィン!!
「ぐおおっ!?」
傷口から。
電撃。
内部。
走る。
ドレグの巨体。
大きく。
よろめく。
「っつ……!」
「外硬くても」
ディーンが。
剣を肩へ乗せる。
「中まで同じとは限らねえ」
ドレグが。
顔を上げる。
「……お前」
「あ?」
「やっぱ最高だな!」
「何でそうなる!」
ドレグ。
笑いながら。
地面に刺さった鉄棍へ手を伸ばす。
「もっとやろうぜ!」
「早く終わらせてえんだよ!」
◇
大聖堂地下。
「当然の判断」
ガルドが。
ゆっくり。
その言葉を繰り返した。
「そうだ」
ヴァイラが答える。
「統治者として」
「合理的だ」
「被害を未然に防ぐ」
「責任ある者なら」
「当然だろう」
「…………」
シルヴァは。
二人の間。
少し後ろ。
黙っている。
ガルドが。
シルヴァを見る。
一瞬だけ。
幼い少年。
白銀の髪。
泣き。
叫び。
風を暴れさせ。
大人たちから。
怯えられていた。
『危険です』
『処刑を』
『再び暴走すれば――』
そして。
自分が言った。
『封じる』
あの時。
正しいと。
信じていた。
「……そうだな」
ガルドが言った。
シルヴァの目が。
動く。
ヴァイラが。
僅かに顎を上げる。
「なら」
「私は」
ガルドが続ける。
「かつて」
「そう考えた」
「…………」
「危険を消す」
「街を守る」
「民を守る」
「そのためには」
「一人を封じればいい」
聖杖。
握る手。
「合理的だった」
「ならば」
「だが」
ガルドの声が。
ヴァイラを止める。
「合理的であることと」
一歩。
前へ。
「正しいことは」
「同じではない」
「…………」
ヴァイラの目が。
少しだけ変わる。
「感情論か」
「違う」
「では何だ」
ガルドが。
シルヴァを見ないまま答える。
「結果だ」
「結果?」
「あの時」
「私は」
「聖都を守った」
「シルヴァを処刑から守った」
「そして」
低く。
「シルヴァを苦しめた」
「…………」
「全て」
「同時に事実だ」
ヴァイラ。
黙る。
「一つが正しかったから」
「他まで正しかったことにはならん」
「…………」
「お前の理屈は」
ガルドの目。
鋭く。
ヴァイラを見る。
「かつての私と同じだ」
シルヴァが。
ガルドを見る。
「危険だから封じる」
「危険だから奪う」
「危険だから殺す」
「確かに」
「簡単だ」
「最も早い」
「だが」
聖杖。
床。
――ゴン。
茶金色。
大地。
廊下。
一気に広がる。
「それを」
「正しいという言葉で」
「済ませるな」
ヴァイラの《侵脈》。
止まる。
「…………」
ヴァイラ。
足元を見る。
黒い脈。
一切。
動かない。
「これが」
「大地の恩寵か」
「そうだ」
「《封印》」
ガルド。
聖杖。
構える。
「お前の力は」
「ここから先へ」
「一歩も通さん」
◇
ヴァイラの口元。
僅かに。
上がった。
「なるほど」
「何がおかしい」
「いや」
ヴァイラ。
長槍。
構える。
「安心した」
「何?」
シルヴァが聞く。
「記録だけでは」
「分からなかった」
黒いオーラ。
ヴァイラの身体。
濃くなる。
「大地の恩寵保持者が」
「どれほどの障害になるのか」
「…………」
「今」
赤い瞳。
ガルド。
「分かった」
「だから?」
「排除対象に上げる」
シルヴァの眉が。
ピクリ。
動く。
「お前」
「何だ」
「さっきから」
一歩。
ガルドの横へ。
「人のこと」
「危険とか」
「対象とか」
「…………」
「物みたいに言うよね」
ヴァイラが。
シルヴァを見る。
「戦場では」
「兵も」
「指揮官も」
「能力も」
「全て戦力だ」
「俺はそう思わない」
「だから甘い」
「うん」
「…………」
「多分」
シルヴァが。
剣を構える。
「甘いままでいい」
風。
ゆっくり。
身体を包む。
「レオンも」
「ディーンも」
「ミルスも」
「ティナも」
「クジャも」
「俺の中じゃ」
「戦力じゃない」
「…………」
「一緒にいる人」
ヴァイラの目が。
僅かに細くなる。
「それで」
「負けたらどうする」
シルヴァ。
少し。
止まる。
二年前。
ノクティス。
負けた。
全員で。
ゼノアに。
勝てなかった。
レオンは死んだ。
「…………」
それでも。
「次は」
剣。
強く握る。
「負けないように」
「強くなる」
「答えになっていない」
「俺にはなってる」
「…………」
ヴァイラ。
長槍。
前。
「なら」
「試そう」
◇
先に。
ヴァイラが動いた。
速い。
「――!」
ガルド。
聖杖。
横。
長槍。
激突。
ガァン!!
「っ……!」
重い。
ガルドの足。
動かない。
《鎮環》。
身体。
足場。
聖杖。
全て。
大地へ。
安定。
「動かんか」
「この程度でな」
ガルド。
聖杖。
払う。
ヴァイラ。
後退。
そこへ。
「シルヴァ!」
「分かってる!」
風。
《風脚》。
横。
剣。
ヴァイラ。
長槍。
受ける。
「二人か」
「不満?」
「いや」
ヴァイラが。
地面へ。
《侵脈》。
「都合がいい」
黒い脈。
左右。
広がる。
「ガルド!」
「分かっている!」
聖杖。
地面。
茶金色。
「《封脈》!」
黒。
止まる。
だが。
ヴァイラ。
最初から。
そこを狙っていない。
「――!」
長槍。
突き。
ガルドの胸。
シルヴァ。
剣。
割り込む。
ガキィン!!
「っ!」
「シルヴァ!」
「大丈夫!」
ヴァイラの目。
シルヴァ。
「大地を守るか」
「仲間だから」
「つい先ほどまで嫌っていた男だろう」
「今も嫌い」
「…………」
ガルドの眉。
僅かに動く。
「だが」
シルヴァ。
剣を押す。
「死んでいいとは」
「言ってない!」
風。
爆発。
ヴァイラ。
後方へ。
足。
滑る。
「…………」
ガルドが。
シルヴァを見る。
「何」
「いや」
「今何か言おうとした?」
「戦闘中だ」
「逃げた」
「集中しろ!」
ヴァイラが。
本当に僅かに。
眉間へ皺を寄せた。
「……緊張感がないな」
「こいつがこうなんだ」
「ガルドまで!」
◇
ヴァイラ。
再度。
踏み込む。
長槍。
シルヴァ。
剣。
ガルド。
聖杖。
三つ。
激突。
――ガァァン!!
風。
大地。
黒いオーラ。
地下。
震える。
「…………!」
シルヴァが。
押される。
ガルドが。
支える。
「右だ!」
「分かってる!」
ヴァイラ。
槍。
引く。
左足。
シルヴァ。
腹。
蹴り。
「ぐっ!」
その瞬間。
《侵脈》。
シルヴァの後ろ。
壁。
内部。
「シルヴァ!」
ガルド。
聖杖。
石床。
突く。
茶金色。
壁。
黒い脈。
封じる。
爆発。
止まる。
「……!」
シルヴァが。
ガルドを見る。
「助かった」
「前を見ろ」
「うん!」
ヴァイラの槍。
すでに。
来る。
シルヴァ。
風。
跳ぶ。
ガルド。
正面。
受ける。
ガン!!
「…………」
ヴァイラ。
ガルドと。
至近距離。
「お前は」
「何だ」
「なぜ今」
「風の保持者を守る」
ガルドの目。
鋭い。
「守ってはいけないか」
「過去に封じた」
「それが何だ」
「危険性は」
「消えていない」
「…………」
ヴァイラ。
押す。
「いつ再び暴走するか」
「保証はない」
「…………」
「なら」
「合理的には」
「今も」
その言葉。
言い終わる前。
ガルド。
聖杖を。
強く。
振り抜いた。
――ドォン!!
「!」
ヴァイラ。
槍で受け。
後退。
「二度と」
ガルドが言った。
茶金色の光。
足元。
強くなる。
「同じ間違いを」
「合理的と呼ぶな」
「…………」
シルヴァが。
その背中を見る。
「私は」
ガルド。
一歩。
「シルヴァを」
一歩。
「危険だから守るのではない」
聖杖。
前。
「生きている人間だから」
「守る」
「…………」
シルヴァの目が。
僅かに。
大きくなる。
ヴァイラは。
無表情。
だが。
赤い瞳だけが。
ガルドを。
まっすぐ捉えていた。
「それが」
「お前の答えか」
「ああ」
「非効率だ」
「知っている」
「再び被害が出れば」
「私が責任を負う」
「死者が出ても?」
「それを防ぐため」
ガルドが言う。
「人は」
「学ぶ」
「…………」
「封じて終わらせるだけなら」
「何も変わらん」
◇
少し後ろ。
シルヴァが。
小さく。
息を吐いた。
「ガルド」
「何だ」
「今の」
「何だ」
「ちょっとだけ」
間。
「格好よかった」
「……戦え」
「褒めたのに」
「要らん」
「やっぱ嫌い」
「知っている!」
ヴァイラが。
初めて。
少しだけ。
深く息を吐いた。
「……理解できんな」
シルヴァが。
笑う。
「いいよ」
「何がだ」
「俺も」
剣。
構える。
「お前のこと」
「全然分かんないから」
「…………」
「だから」
風。
強くなる。
「戦いながら」
「分かればいい」
「それは」
ヴァイラ。
長槍。
低く構える。
「私も同意する」
「やっと一個合った」
「喜ぶな」
◇
その瞬間。
地下全体。
――ズズズズズズ……。
「……?」
シルヴァが。
足元を見る。
揺れ。
違う。
ヴァイラでも。
ガルドでもない。
「何」
「ガルド?」
「私ではない」
ガルドの顔が。
一瞬で変わる。
「まさか」
最深部。
さらに奥。
地脈の亀裂。
赤黒い。
光。
強くなる。
「…………」
ヴァイラも。
そちらを見る。
ドクン。
一度。
地下。
脈打つ。
ドクン。
二度。
封印陣。
揺らぐ。
「ガルド」
シルヴァが聞く。
「何が起きてる?」
「瘴気が」
茶金色。
封印。
一部。
暗くなる。
「上がっている」
「何で!?」
ガルドが。
ヴァイラを見る。
「お前」
「…………」
「《侵脈》を」
「どこまで入れた」
ヴァイラは。
答えない。
ガルドの声が。
さらに低くなる。
「答えろ!」
「…………」
「封印の内側へ」
ヴァイラが言った。
「一部」
「到達させた」
「――!」
シルヴァが。
ヴァイラを見る。
「お前!」
「破壊はしていない」
「同じだ!」
ガルドが叫ぶ。
「外部の力を入れれば」
「均衡が崩れる!」
ドクン――!!
次の瞬間。
最深部。
巨大な封印陣。
その中心。
地脈の亀裂。
赤黒い光が。
一気に。
噴き上がった。
――ゴォォォォォォ!!
「……っ!」
シルヴァ。
腕で顔を覆う。
ガルド。
聖杖。
地面へ。
「《鎮環》!!」
茶金色。
広がる。
だが。
赤黒い力。
強い。
「ガルド!」
「来るな!」
「でも!」
「ここを押さえる!」
ガルドの両腕。
震える。
「シルヴァ!」
「何!」
「ヴァイラを」
ガルドが叫ぶ。
「ここから出せ!」
「…………!」
ヴァイラ。
黒い長槍。
構える。
「できるならな」
シルヴァの目。
変わる。
「……言ったね」
風。
爆発。
黒いマント。
大きく翻る。
「後悔しないでよ」
ヴァイラ。
赤い瞳。
細くなる。
「それはこちらの台詞だ」
背後。
暴れる地脈。
前。
第二軍団長。
シルヴァが。
剣を握った。




