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カノンのカルデラ  作者: ジェノヴァnovel


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2/18

第2話 カノンとミツキの家族

  両親はカノンが家にいると機嫌が

 よくなる。とりわけ父親がそうだ。

 カノンに父親がいないことをいいことに

 してるし、静佳さんとは昔から親しい

 間柄だったこともある



母親  「あらカノンちゃんいらっしゃい」


カノン 「あっ おじゃまします。」


母親  「カノンちゃんコヒーでいい?」


カノン 「うん ありがとうございます。」

    


   母親の恵梨香は僕とカノンの

 コーヒーを入れてくれてリビング

 のテーブルに運んでくれた。1月の

 寒い時に出される暖かいコーヒーは

 何か心を落ち着かせるものがあった。



母親  「カノンちゃん、お母さん

    どうだった?だいぶ良くなった

    とは聞いたんだけど?」


カノン 「手術の結果が出たら先生が、

    退院の日取りを決めて

    もらえるってお母さん

    言ってました。お母さんもう

    よくなったみたい。」


母親  「そうなの・・・あっそれは

    良かったねカノンちゃん。

    一人でいるのって

    大変でしょ?」



   何か引っかかるような母親の

  反応だが僕も直接、担当医の

  先生から聞いたわけじゃない

  のだが結果という言葉が

  引っかかる。


   入院したのは2週間前でその前

  は風を拗らしたらしく高熱と咳が

  ひかずに近くの内科に通院してた

  のだが、総合病院で検査も兼ねて

  入院することになった。


   当初は軽い肺炎と診断された

  ようだが。病院の処置もあり熱も

  咳も少しずつ改善されてきてる

  みたいだが。


カノン 「お兄ちゃんや恵梨香さん

    たちが助けてくれるから、

    寂しくはないけど。」


母親  「それは良かったわ。」


光樹  「お母さんコーヒーありがとう。

    僕たちはちょっと上

    行ってるから。」


カノン 「恵梨香さんいつもよく

    お邪魔してすみません。」


母親  「気にしなくていいのよ。」

                       


  僕たちは温かいコーヒーを飲んだ後、

 上の部屋に行った。僕はドアを開けて

 カノンを先に通した。僕は都内の農学部に

 自宅からで通っている。


  他の学部と違って植物に触れる機会が

 多いので都内から少し離れた農場や山に

 行く時は自家用車を所持してると

 便利である。 

     

  今日のようにカノンを部屋に招き入れる

 ことは昔からなので、普段の少し散らかった

 男風の室内を見られるのも違和感がない。

 

  隅に置いたベッドとこたつ 勉強用の

 デスク テレビ ゲーム機 パソコンなど 

 必要なものは揃えてるつもりでシンプルな

 構成の部屋だ。


  ベランダにはサボテンや、珍しい花、

 松の植木も趣味で置いてある。このあたりが

 他の若者と違うのかも知れない。

 

  誰の監視もなくカノンと二人っきり

 になるとついカノンの体に触れたく

 なってしまう。 

 

  実際に今までカノンの頭をなでたり、

 カノンを抱いて一緒にテレビ見たりは

 よくあった。カノンも嬉しそうにして

 くれるのでつい調子に乗ってしまう。


  時々思ってしまう。カノンは自分に

 とってどれだけ大切な人なのだろうって。


  だからいくらカノンが嬉しそうにして

 くれるからってそれ以上調子に乗っては

 いけないと一応、自分を制御

 してるつもりだった。


  それでもたまに 

 「お兄ちゃんちょっと痛い、」とかは

 よくある。

     


光樹 「静佳さん良くなりそうだけど

   カノンは大丈夫なの?

   明日学校行く日かな?」


カノン「うん明日は行く日になってる。」

    


   カノンは心臓が弱くて高校の授業

  は40%を目安に出席している。学校側が

  カノンの体の状態を考慮してくれた

  らしい。週に2、3回登校する

  プログラムだ。


   通学はバスをメインに使うのだが

  時々僕が大学行く前にカノンの学校

  まで車で送ることもある。



光樹 「ねえ カノン 時々学校行く

   のってつらくないかい?」


カノン「最初は私の体が弱かったり、

    みんなと違ってて、いじめられた

    こともあったけど。

    今は仲良くしてくれる美咲もいるし。

    美咲、勉強できるから遅れてる

    カノンを助けてくれたりするの。」



    その美咲って娘はカノンの同級生の

   クラスメートで正義感がある娘で他の

   女子生徒からも信頼されている。


    その美咲のおかげで僕も母親の

   静佳さんもカノンの学校生活

   のこともいくばくかは安心できる。


    僕もカノンの送迎やカノンの家で

   たまに美咲に会う。少し茶髪の

   セミロングヘアーでスタイルも

   よくしっかりした感じの娘だ。



光樹 「そっか。勉強とか

   分からなければ僕も

   教えれるから、一応

   大学生だしね。」


カノン「そうだね、でもお兄ちゃんに

    教えてもらってるの時々

    間違えてるよ。」


光樹 「そんなこともあるさ、高校の

   普通科の科目って難しく

   なってるからね。で僕明日朝は

   講義があるから一緒に

   乗っていくかい?」

         

カノン「うん、ありがとう。」


光樹 「じゃあ僕も君も明日学校だし

    そろそろ帰る?」

   


  時計を見ると午後7時を回ってた。

 僕たちは隣同士だったから女の子の

 夜道を送ったりする必要はないけど、

  

  1月の夜だけに外は寒くていっそう

 暗くなっていたがカノンは少しムスッと

 した表情をして言った



カノン「ヤだ。もう少しだけ

    お兄ちゃんと一緒に

    いたいよ。」

    


  カノンは時々こんな感じで

 付き合わされることがあるが

 全然悪い気がしない。僕自身も


  学校のレポートやバイトとか

 あるけど、バイトは一応学校の

 成績が認められて家庭教師を

 やっている。


  今は2人の女子中学生を

 担当している。


光樹 「またか。でも今静佳さん

   いないし。じゃあテレビゲーム

   でもするかい?」


カノン「うんやるやる。じゃあ

    鉄道ゲームの続きやろうよ。」


光樹 「そうだね あれやると

   はまってしまうけど 

   いいねえ」



  その鉄道ゲームはテーブル系の

 モノポリに似ててある特定の駅に

 止まればお菓子の店

   

  地域の名物店、高いものだと

 ホテルやドーム球場や

 総合レジャーランドなど日本中の

   物件を買っていく。


  その利益でまた次の物件を買って

 いって最終的に総資産が一番多い

 プレイヤーの勝利となる。

 4人までゲームに参加できる。


  正月など定番の人気ゲームである。

 夢があって楽しいゲームである。



カノン 「ヤッター私の勝ちだね。」

光樹  「あーあまた負けちゃった。

    カノンは兼業ひきこもり

    やってるだけあって

    さすがにテレビゲーム強いね」


カノン 「どういう意味よ?!そこ!!

    兼業引きこもりって?」


光樹  「冗談だって。ごめんごめん。」



  カノンは自分の体のハンデの為に

 学校に認められた特別休暇はほとんど

 自宅で過ごしている。


  どちらかというとまじめな高校生

 なので遅れた分はちゃんと勉強は

 してるのだが、


  僕がゲーム好きな為カノンにいろいろ

 ゲームを教えた責でもあり、カノンも

 女の子にしては珍しいゲーム好きに

 なってしまった。


  半分引きこもりをしてるだけあって

 ゲームはさすがに強い。

     

  時計を見ると午後9時40分に

 針が差してた。



光樹  「すっかり遅くなっちゃったね。」

カノン 「そうね。じゃあそろそろ

     帰らないと」

  

   

  僕はカノンを自宅まで送るために

 一緒に階段を降りた。するといつの

 間にか父親の重信が仕事から帰って

 リビングでくつろいでた。


  恵梨香からカノンが遊びに来てる

 ことを聞いて知ってたらしい。カノンを

 見ると顔を明るくして話しかけてきた。



重信 「おやカノンちゃんいらっしゃい。

   光樹と遊んでくれてありがとうね。」


カノン「長い間おじゃまして

    ましたおじ様」


重信 「きょう仕事でケーキ

   もらったから少し持って

   帰りなさい。」



    重信は嬉しそうにケーキを包んでカノンに手渡した。



カノン「わーありがとうおじ様。

    今日夕飯まだだしおなか

    すいてたの。」


重信 「それは良かったよ。カノンちゃんは

   昔からイチゴショートが好きだったね。

   今お母さんいないし困ったことがあれば

   私に何でも相談していいからね。」


カノン「はいおじ様 じゃあ失礼します。」



  カノンは僕の母親を呼ぶ時は

 恵梨香さんが多いが父親はいつの

 間にかおじ様になってる。親しみが

 あり重信もそう呼ばれるのが

 嬉しそうだ。


  僕はカノンを自宅まで送って

 門の前まで来た。隣同士だけど

 いつも僕はカノンが家に来た

 帰りに送ってた。



カノン 「送ってくれてありがとうね。

    お隣りだけど。」


光樹  「いつもの事じゃん。じゃあ

    明日8時10分に車庫に

    来ててね。」


カノン 「うん分かった。お兄ちゃん

    だっこ。」


 

   カノンは小さな子供の様に

  両手を上げて僕を見上げる。

  僕の身長が181㎝あって


   カノンが155㎝で身長差が

  あるのだけど普通に抱きしめ

  られる高さだ。

     

   僕はいつものようにカノンを

  優しく抱きしめてあげた。寒い

  のもあるがカノンの体は暖かくて

  柔らかく感じた。


   この瞬間は癒される時でまた

  カノンの心臓の病気のことが心配

  になり不安にもなる。


   もしカノンがいなくなったら

  と思うと不安で切なくなる。



カノン 「ムギュギュッ お兄ちゃん?

    どうしたの?」


光樹  「あッごめん また強くホールド

    しちゃったね。」


カノン「もう慣れたよ。抱っこして

    くれてあるがとう。じゃ

    おやすみなさい。」

         

光樹 「あーおやすみ。」

   

    

  カノンはすこし駆け足で

 玄関のドアのカギを開けて

 家に入って行った。


  それを見届けると

 僕も隣りの自宅に戻った。



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