第13話 死闘の果てにあるもの
アヤノサイド
私は、カノンをみぞおちへのパンチで
気を失わせて、眠らせた後、屋上で宿敵の
ソフィアと二人っきりになった。
ソフィアは幼かった頃の懐かしさを
忘れてはなかったようだ、それは
私も同じだった
アヤノ「・・ソフィアちゃん、私だって
幼い頃のあなたは、誰よりも
好きだった。グスン、」
ソフィア「・・アヤノちゃん・・」
アヤノ「・・あなたは、不思議な娘だったけど
私にだけは、優しくしてくれた。、
たった一人の大好きな
お友達だった。グスン、その時の私の
家は貧しくて、そんな私のパパを
助けてくれたのが、ホロロバの娘の
あなただった。」
ソフィア「・・そんなこともあったわね。」
アヤノ「・・あなたのおかげで、パパは
建設会社を作り、成功して
私達3人の家族は、バラバラに
なることもなく、幸せになれた。
だけど・・今は・・」
ソフィア「・・本当にごめんなさい・・」
アヤノ「・・もう、いいのよ、私こそ
あなたのおなかを殴って、
内臓を破裂させて
一度は死なせてしまって、
ごめんなさい、ソフィアちゃん、
痛かったでしょう?グスン。」
私は、もうソフィアへの憎しみを
忘れて、彼女をぎゅうっと抱きしめた。
ソフィアはちゅうちょすることなく
素直に私に抱けれた。柔らかい体の
ままで。
ソフィア「・・アヤノちゃん・・」
アヤノ「・・ソフィアちゃん、大好き・・」
私たちは抱き合ったまま
しばらくいたが、やがてお互いを
離した・・そして
笑顔でわらった。
アヤノ「・・もう、服きなさいよ、ソフィア
そんな下着だけの恰好じゃ
風邪ひくわよ・・」
ソフィア「・・ええ、そうね。じゃあ
アヤノは本当に私のこと
もう、許してくれるのね。」
アヤノ「・・・・・・・・・・」
私は一度は昔の懐かしさに
甘んじたが・・・自分の
気持ちを告げた
アヤノ「・・ええ、一度はね・・」
ソフィアが少し悲しそうな
顔で言った。
ソフィア「・・やはり、そうなのね・・
分かってたのよ、私には。
あなたの気持ち。」
アヤノ「・・一度は、幼かった頃の
私たちに戻りたかったけど
これで、思い出は充分よ。」
ソフィア「・・そうね・・じゃあ
遠慮なく、かかってきなさい
アヤノ!!想いのすべてを
私にぶつけて。」
アヤノ「・・・・・・・・・・・」
やっとこの時が来た、私は
ソフィアへの本当の願いを
言った。
アヤノ「・・ソフィア、どうしても、
カルデラ大陸の開拓と
天鵬山のソフィアパレス建設
の事業を中止することは
できないのね?。」
ソフィア「・・アヤノ・・それは・・」
私は最後の願いを込めてソフィアに
交渉を持ちかけた。
アヤノ「・・ソフィア、これが最後の交渉よ、
ソフィアパレスの建設工事を今すぐ
中止して、これ以上、私のような
孤児が増えないように
そして、犠牲者がでないように。」
ソフィアは目をつぶり涙を流した
そして目を開けて悲しそうな眼差しで
私を見つめた。そしてはっきりと
言った。
ソフィア「・・お別れ時ね、大好きだった
私のアヤノ・・悪いけど
それはできないのよ。・・」
アヤノ「・・分かったわ、あなたの気持ち。」
ソフィア「・・うん・・」
私は、左手をリードに構えた
完全回復したソフィアとの第二ランド
の幕開けだ、 ソフィアは今度は
構えた。私と同じく、オーソドック
に、
ソフィア「・・いつでも、来なさい
アヤノ・・」
アヤノ「・・フッ・・さっきのように
筋肉で、体を硬化しなくても
いいのかよ?」
ソフィア「・・あなたと戦う前に約束
したでしょ、戦いで
超能力は使わないと。」
アヤノ「・・ケッ、じゃあ、お前が破裂した
腸をサイコヒーリングで治癒した
のは、反則だったってわけだ。
もう既に使ってるじゃねえか?
ええっこらああ!!」
ソフィアは幼かった頃の面影が
消えたように、また薄気味悪く笑った。
私をバカにしてるような顔つきだ。
そして言った。
ソフィア「・・そうだったわね、ごめんなさいね
でも憶えておきなさい、アヤノ。」
アヤノ「・・・・・・・・・・」
ソフィア「・・約束とは、破る為にも
あるものよ。」
アヤノ「・・貴様あ・・やはり本性は
魔女だったか・・いくぜ
おらあああ。!!」
私は最初に戦ったような
慎重さはなかった。躊躇することなく
ソフィアの間合いにはいり、左リードジャブ
顔面への右、フック、そして肝臓の位置を狙った
左ボディへの腸列なフックの3連打を
放った
ソフィアは私の左リードジャブを
右手でガードして、顔面への右フックを
かがんでかわし、肝臓を狙った左フックを
右手をわきに入れてこれもガードした。
次の瞬間、ソフィアは私の体を掴むと
左ひざをあげて膝蹴りを放った。
しかし私とソフィアとでは
11㎝もの身長差があり ソフィアの左
膝蹴りは右足をあげて難なくカットできた
私とソフィアはそのままクリンチの
状態で抱き合った。
アヤノ 「・・フッフッフ、第1ラウンドの時
よりもやるじゃないか、ソフィア。」
ソフィア「・・あなたの動きはもう読めてる
からね。右ボディーストレート
だけは、打たせないわよ。
また内臓を破裂させられたら
たまらないものね。」
アヤノ「・・筋肉硬化しておかなくても
いいのか?そんなプニプニの腹では
また、同じ目にあうぞ。」
ソフィア「・・本当はね、あなたごときに
サイコ、ハーディング、ボディは
使うまででもないのよフッフッフ。」
アヤノ「・・なんだと、馬鹿なやつ
身長差がある私とクリンチに
組むとこうなるんだよ。」
ソフィア「・・・あっ、いっけない!!・・」
私とソフィアは今はお互いに
クリンチに抱き合って両手が
ふさがってる、この場合は
身長が高い私が有利なのだ。
私は、ソフィアを組み相撲で
頭を抑え込み、ソフィアの顔を
うつむかせた、次の瞬間顔面への
強烈な左膝蹴りを食らわせた。
【ドゴッ】
私のソフィアへの顔面膝蹴りは
完璧に入った。ソフィアは鼻血を
出した。
ソフィア「・・グウウウウ・・」
フッフッフ、決まったぜこの
クリンチ状態は身長差がある
私に有利に傾く、
カノンサイド
私はアヤノとソフィアの再び
戦おうとするのを何とかやめてもらおうと
したところ、アヤノに軽くみぞおちを殴られて
気を失ってた。
私は仰向けに倒れてた。しばらく眠ってた
ようだが、気が付いた。
カノン「・・ううん、私、どうしてこんな
所に、ああっ・・アヤノちゃんに
ソフィアちゃん、」
そうだった、この二人は、どうやら
また戦いを始めたようだ。二人は
腕を組んで、取っ組み合いをしていた
この状態では体が大きいアヤノが
有利だということは素人目の私にも
わたった。ソフィアはアヤノに
首相撲で完全に力負けして頭を
抑え込まれている。
私は叫んだ。
カノン「・・もう、二人ともやめてえええ・・」
だが彼女らに、私の声は届いて
いないようだ。しかし、私は
有利に見えるアヤノの身を
また心配していた。
それはソフィアの心が燃えるように
怒っていることが、彼女の体に
触れずとも分かったからだ。
アヤノちゃん、止めなければ
今度こそ、殺される
せっかく、お友達になれたのに
誰よリも心が、綺麗で、優しくて
深い悲しみを背負ったアヤノちゃん・・
私は、戦いの仲裁に入ることも
できずに、ただ黙って二人を
見守るしかなかった
アヤノサイド、
カノンのやつ、気が付いたか、
だがあいつももう私とソフィアの
戦いは止められないことを理解した
ようだ。
私はクリンチに組み、首相撲で
ソフィアの頭をうつむき加減に
ねじ伏せた状態で、顔面への膝蹴りを
一撃いれたのだ。
ソフィアは鼻血を出した。ソフィアも
膝蹴りで応戦したが背が低いので
私の肘をさげ、足をあげることで
難なくカットできる。
何発かは私のおなかに食らったが
腹筋で鍛えてる私の腹には背が低く
体重も軽いソフィアの蹴りは
全く効かなかった
ソフィアサイド
さすが、フェザー級のチャンプの
アヤノだ、私との身長差もあるし
体重差もある。私は背中を壁に
押しつけられて
首相撲で抑え込まれてた。
アヤノのクリンチを解くことは
できない、押し込まれた状態で
膝蹴りを放っても、威力がなく
しかもアヤノへの顔面まで届かない
おなかに何発かは入れたが
アヤノのおなかは、相当鍛えている
ようで、岩のように硬くて、
全く効いていないだろう。
キックのルールでは団体にも
よるが、クリンチしてからの
膝蹴りは一度までがルールだが
これは、試合ではないのだ。
クリンチを解かない限り
アヤノからは何度も膝蹴りを
受けてしまう、顔面に、
ソフィア「・・フッフッフ、やるわね
アヤノ・・」
アヤノ「・・今度こそ、お前を
殺してやるぜ・・おらああ。」
ソフィア「・・・・・・・・」
アヤノは左右の足を上げて何発も
私の顔面に膝蹴りを入れた。
カノン「・・ああ、ソフィアちゃん」
そうか、カノンは気が付いたのね。
まあいいわ。できれば、彼女の見てる
所で、アヤノを殺したくはなかったけど
気が付いたのなら仕方がないわ。
私はアヤノの膝蹴りをもう30発は
食らったのだろうか。
私の前歯は折れて、口は裂け
鼻の骨も折れて、出血が酷くなった。
私の右目も腫れて、瞼が半分
しか開かなかった
しかし、アヤノはクリンチに組んだ
私を離そうとはしない。
もし私を離すと、またサイコヒーリングで
回復されることは分かってるようだ。
アヤノの膝蹴りを受ける痛みは
もちろんあった。しかしそれは
限定的なものだった。
私はオーラで、体中の痛覚を
麻痺させることもできるのだ。
アヤノはなおも膝蹴りを続ける
もう100発は顔面に受けただろうか。
鏡があれば自分の顔を見てみたいものだ
アヤノはハアハアと苦しそうに
息を乱してた。それもそうだ。
これほど、連続で膝蹴りを放つと。
アヤノ「・・はあ はあ、今度は油断は
しない、お前が死ぬまで、この
クリンチは外さないぜ、はあはあ。」
カノン「・・あああ、ソフィアちゃん・・
綺麗なお顔、どうなってるのだろう?
うつむいてるから分からない。
アヤノちゃん、もう離してあげてよ。
どう見てもまたアヤノちゃんの
勝ちだよ・・」
ソフィア「・・・・・」
アヤノは、ハアハアと息を
切らしながら答えた
アヤノ「・・・はあはあ、黙って見ていろ
カノン、今こいつを離すと、はあ はあ
さっきのようにまた回復される。
このまま殺すしかない。」
カノン「・・だけど、殺さなくても
いいじゃないグスン
あなたの両親がされたことに
対する気持ちは分かるけど。」
アヤノ「・・馬鹿野郎、私は自分の憎しみの
為に戦ってるのじゃないんだ。
ホロロバを止める為に、これ以上
私のような可哀そうな孤児が
増えないためなんだ。はあはあ」
カノン「・・アヤノちゃん・・」
フッ 甘いわよ アヤノ・・戦い中に
よそ見をするなんて、まだまだ甘いわね。
私はアヤノのクリンチがカノンに
話掛けられたことにより緩んだ
隙を逃さなかった。
ソフィア「・・フッフッフ、甘いわねアヤノ
試合中にセコンドと話をするバカが
どこにいるの、ゲホ、ゲホ、」
アヤノ「・・しまった。」
私は緩んだアヤノの両手をかいくぐり
右手でアヤノの首に巻き付けて
強引に背負い投げをした。
アヤノは屋上の中央付近に
転がった。
カノン「・・ああ、アヤノちゃん・・」
カノンがアヤノに近づき
体を両手で触れて心配そうに
顔を覗き込んだ。
私は血だらけになってる自分の
顔を見る為に、脱いだ自分の制服
のポケットから、折り畳み式の
小さな鏡で自身の顔を見た。
やはり、こうなるのだろう
私の歯は半分くらい折れたり
抜けたりして、口裂け女の
ように口が裂けて血だらけになり
鼻はへし折れて、レンコンの
ように見えた。そして左目は腫れて
完全に閉じて、右目も、瞼が
大きく腫れていた。
まるで、ゾンビのようだ。
アヤノは本性の優しさとは
裏腹に、よくここまで容赦なく
やってくれたものだと、感心もした。
いや、私を倒すことが本当の
私への愛だと思っているようだ。
私は呟いた
ソフィア「・・ありがとう、アヤノ」




