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第12話 ヒーローであるために

放課後。


帰りのホームルームが終わるなり、朝日奈は勢いよく藤野の机に両手をついた。


「藤野くん! 大変だ!」

「帰っていいか」

藤野は即答した。


「待て! まだ何も言っていない!」

「そのテンションで碌な話だったことないだろ」

「今回は違う! なんと――」


朝日奈はびしっと一枚のチラシを突き出した。


派手な原色。

稲妻。

大きく描かれた古めかしいヒーローのイラスト。


『ビリビリマン 懐古ヒーローショー開催!!』


「……」

藤野はしばらく無言でチラシを見つめた。


「駅前の特設会場に、あの伝説のヒーローがやってくるのだ!」

朝日奈は胸を張る。

「しかも今日は特別公演! 懐古ツアーだぞ!」

「懐古ってお前」

藤野は眉をひそめた。

「それ、子ども向けじゃないのか」

「ヒーローに子ども向けも大人向けもない!」

朝日奈が力強く言い切る。

「ヒーローは、いつだって誰かの心を救う存在だ!」

「急に真面目なこと言うな」

「真面目に決まっている!」


凪沙がチラシを覗き込んで、くすっと笑う。


「ビリビリマン、懐かしいね」

「知ってるのか」

藤野が意外そうに見る。

「小さい頃ちょっと見てたよ。主題歌だけ覚えてる」

「うむ! 名曲だ!」

朝日奈が食いつく。

「わかるのか凪沙くん! さすがだ!」

「ヒナくんほど熱心じゃないけどね」

凪沙は笑った。


灰薔薇は窓際の席から、心底どうでもよさそうに一瞥した。


「馬鹿馬鹿しい」

「灰薔薇くんにはまだヒーローの良さが分からんのだな!」

「一生分からなくて結構だ」

「言い切るなよ」

藤野が呆れる。


朝日奈はそのまま凪沙にも身を乗り出した。


「凪沙くんも一緒にどうだ!」

「あー、ごめん。今日はちょっと用事」

「なんと……!」

朝日奈が目に見えて肩を落とす。


そして、その視線がゆっくり藤野へ向いた。


「……」

「やだ」

「まだ何も言っていない!」

「どうせ一緒に行こうだろ」

「その通りだ!」

「帰る」

「待て待て待て! これはヒーロー研究の一環でもある!」

「どこがだ」

「ヒーローを学ぶことは、ヒーローに近づくこと!」

「知らん」

「頼む! 君しかいない!」

「ヒナくん、必死すぎ」

凪沙が笑う。


結局。


「……なんで俺が」

「ふふ、いってらっしゃい」

凪沙に手を振られ、

藤野はたいして納得しないまま、朝日奈と二人で駅前へ向かうことになった。


***


駅前の特設会場は、思った以上に子どもでいっぱいだった。


簡易イスが何列も並べられ、赤や青の風船が揺れている。

ステージの前方では小さな子どもたちが騒ぎ、親たちはスマホを構えている。


その中に、高校生男子二人が並んで座っていた。


「……俺は一体何に付き合わされてるんだ……」

藤野が小さく呟く。


その隣で、朝日奈は目を輝かせていた。


「見たまえ藤野くん」

「見てるよ」

「この高揚感……! 空気が既にヒーローだ!」

「意味わからん」

「君はもっと心を開くべきだ」

「こんなとこで?」


ステージ袖から、場内アナウンスが流れる。


『みんなー! 今日はビリビリマンが来てくれたぞー!』


子どもたちがきゃあっと歓声を上げる。

その中で朝日奈だけが、子どもたちに負けないくらい真剣な顔で身を乗り出していた。


ショーが始まる。


悪役が現れて、街の平和が危ないだのなんだのと叫び、

そこへビリビリマンが颯爽と登場する。

スーツは古い。

演出も少し安っぽい。

声もマイクのノイズが混じっている。


なのに朝日奈は、最初から最後まで、ひどく真剣に見ていた。


必殺技のポーズ。

子どもたちへの呼びかけ。

倒れても立ち上がる場面。


その全部を、ひとつも見逃さないみたいに。


ショーが終わったあと、子どもたちは物販コーナーへ走っていった。

ビリビリマンのお面やキーホルダー、ステッカーが並んでいる。


朝日奈は満足げに息を吐く。


「いやあ、素晴らしかった! 実に勉強になった!」

「……お前は気楽だな」

藤野が言う。

「気楽?」

朝日奈は首を傾げた。

「ヒーローを学ぶ姿勢に気楽も何もないぞ」

「その返しがもう面倒くさい」


少し離れたベンチへ座る。

夕方の光が、駅前の広場に長く影を落としていた。


子どもたちの騒ぐ声が少し遠くなる。


しばらく朝日奈の一方的なヒーロー雑学に付き合ったあと、藤野が口を開いた。


思えば、藤野は朝日奈自身のことをほとんど知らない。

だから、少し気になったのかもしれない。


「……お前、うちに転校してくる前どこにいたんだ?」


朝日奈の表情が、ほんの少しだけ止まった。


「……」

「……言いたくないなら、別にいい」

「いや、その……」

珍しく、言葉が詰まる。


藤野は視線を前に向けたまま言った。


「適当に誤魔化されるくらいなら、聞かない方がましだ」

「……そ、そうか」

朝日奈はほんの少しだけ視線を落とした。


沈黙。


駅前のざわめきが、かえって静かに聞こえた。


藤野はベンチの背にもたれ、空を見上げる。


「お前さ」

「うむ?」

「どうしてそんなにヒーローにこだわるんだ」

「……」

「時々、必死に見えることさえある」

藤野は言った。

「まるで、ヒーローであろうとしてるみたいに」


朝日奈はしばらく黙っていた。


それから、珍しくふざけない声で言う。


「……オレが、オレであるために……かな」


藤野は横目でそれを見る。


いつもの底抜けな明るさはなかった。

冗談めかして誤魔化す気配もない。


ひどく真剣な顔だった。


「……」

藤野はそれ以上追及しなかった。

朝日奈も、それ以上は話さない。


しばらくして、今度は朝日奈の方が口を開く。


「君の方はどうなんだい」

「……何が」

「いつも触れるのをためらっている」

朝日奈はまっすぐ言った。

「能力のせいというだけでは、少し過剰な気がする」


藤野の指先が、わずかに動いた。


心臓の奥の方に、触れられたくないものがあるみたいだった。


「……」

「無理に話さなくてもいい」

朝日奈が言う。

「ただ、君はずっと何かを怖がっているように見える」


藤野は、少しだけ笑った。

笑ったというより、息を漏らしただけに近い。


「……俺が初めて力を得た時」

声が、自分でも驚くほど静かだった。

「人を……」


喉が詰まる。


「……母さんを、水に変えたんだ」


重い沈黙が落ちた。


朝日奈は言葉を挟まない。

ただ、藤野の方を見ていた。


「川の中で溺れそうになった時……母さんの手を掴んだ」

藤野は、ゆっくり言葉を続けた。

「そしたら、不意にその感覚が消えて」

「……」

「最初は何が起きたのか分からなかった。しばらくしてから、おかしな力に気づいた」

ベンチの端を指先でなぞる。

「コップとか、鉛筆とか。触って少し念じたら、形を失って水になる。感情が昂った時に、勝手に発動することもあった」


朝日奈は、ただ静かに聞いていた。


「……それを、一人で抱えてたのか」

ようやく返ってきたのは、その一言だった。


藤野は答えなかった。

でも、それが答えみたいなものだった。


朝日奈も、軽い慰めなんて言わなかった。

言えなかったのかもしれない。


***


その時だった。


駅前の広場の向こうで、誰かの悲鳴が上がった。


「きゃっ!?」

「うわ、なんだ!?」

ざわめきが一気に広がる。


藤野と朝日奈が同時に顔を上げる。


噴水の近く。

人混みの中心で、ひとりの若い男がよろめいていた。

二十歳前後だろうか。

顔色が悪い。

目の焦点が合っていない。

その右腕の周囲で、妙な光がばちばちと弾けている。


「っ……あ、熱い……!」

男が苦しそうに叫ぶ。


次の瞬間、その腕から火花のようなものが散った。

近くの屋台のビニールが焼け、子どもが泣き出す。


「危ない!」

朝日奈が真っ先に立ち上がった。


「待て!」

藤野も後を追う。


人混みをかき分けて近づく。

男は苦しげに頭を抱えていた。


「なんなんだよこれ……! 聞いてねぇ……!」

「おい!」

朝日奈が声を張る。

「落ち着け!」

「来るなっ!!」


男が腕を振る。

散った火花が地面を這い、駅前の看板を焦がした。


「電気じゃない……熱か?」

朝日奈が眉をひそめる。

「いや、プラズマみたいなもんか……!?」

「分析してる場合かよ!」

藤野が言う。


男の周囲で不安定な光が弾ける。

強くはない。

でも、このままじゃ周りが危ない。


「っ、くそ……!」

男は明らかに自分でも制御できていない。

暴れたいというより、苦しんでいるように見えた。


「藤野くん! 周囲を!」

「分かってる!」


藤野は片方の手袋を取り、近くの倒れかけた金属ポールへ手を伸ばす。

触れた瞬間、それは音もなく水へ変わった。

ばしゃ、と地面へ崩れ、火花の行き先を逸らす。


朝日奈はその隙に男へ踏み込んだ。


「少し痺れるぞ!」

「は――」


バチッ!


強すぎない電撃。

気絶させるほどでもなく、暴走した神経だけを止めるような一撃が入る。


男の身体がびくんと跳ね、そのまま膝から崩れ落ちた。


「は……っ、は……」

息は荒いが、光は消えた。


周囲のざわめきが少しずつ戻ってくる。

人々は距離を取りながらも、何が起きたのか分からず見ていた。


「警察呼んで!」

誰かが叫ぶ。


朝日奈はしゃがみ込み、男の肩を掴んだ。


「おい、しっかりしろ」

「う……」

男は怯えた目で二人を見た。

「な、なんだよ……なんなんだよこれ……」

「それを聞きたいのはこっちだ」

藤野が低く言う。


「お、俺だって変わりたかったんだ……!」


男は肩を震わせ、錯乱したように叫ぶ。


「会社じゃ上司に怒鳴られて、同僚には笑われて……っ、ずっと、何もできないままだった……!」


苦しそうに呼吸を乱しながら、男は腕を押さえた。


「だから……これを打てば強くなれるって言われて……! もう誰にも舐められなくなるって!!」


朝日奈と藤野が、わずかに視線を交わす。


「どういう意味だ」

朝日奈が問う。


男は苦しそうに顔を歪めた。


「怪しいやつに、薬……もらって……」

「薬?」

藤野が眉をひそめる。

「使えば変われるって……力が手に入るって……」

「……っ」

「最初は、本当に少しだけだったんだ……! でも、だんだん身体が熱くなって、止まんなくなって……!」


「誰にもらった?」

朝日奈が鋭く問う。


男はびくりと肩を震わせた。


「……わ、わかんねえよ」

「わからない?」

藤野が眉をひそめる。


「顔も、ちゃんと見てねえし……ただ、次の場所を指示されるだけで……」

「次の場所?」

朝日奈の声が低くなる。


男はしまったというように口をつぐむ。

けれど藤野は逃さなかった。


「次はどこなんだ」

「……っ」

「答えろ」

「駅裏の、古い倉庫……」

男は震える声で吐き出した。

「明日の夜……また受け取りに来いって……」


そこで、遠くからサイレンの音が近づいてきた。


朝日奈が立ち上がる。


「藤野くん」

「ああ」


二人とも、もう同じことを考えていた。


ただの暴走じゃない。

ただの事件でもない。


一般人に薬を渡し、無理やり能力を引きずり出している。

“アガスティア教団”が関わっていると考えるのが自然だった。

雨降り村とは別の形で、あの組織は確かに動いている。


「……気楽じゃいられなくなったな」

藤野が小さく言う。


***


駅前のざわめきはまだ収まらない。

倒れた男を遠巻きに見つめる人々。泣きじゃくる子ども。慌てて店じまいを始める屋台の店員。


朝日奈は男の様子をもう一度だけ確かめると、小さく息を吐いた。


「……ひとまず命に別状はなさそうだな」

「お前、加減したのか」

藤野が言う。

「当然だ!」

朝日奈は胸を張る。

「相手は悪の怪人ではなく、力に振り回された一般人だからな!」

「その言い方だと怪人には加減しないみたいだな」

「悪の怪人には容赦しない!」

「おい」


そんなことを言い合っていると、近くで誰かが足を止めた。


「……君たち」


二人が振り向く。


そこに立っていたのは、さっきまでステージの上にいたビリビリマンだった。


赤と青を基調にした古いヒーロースーツ。

胸元の大きな稲妻マーク。

頭のマスクだけは外していて、中から現れたのは四十代半ばほどの男の顔だった。

少し汗ばんでいて、目尻には細かな皺が刻まれている。


朝日奈の動きがぴたりと止まる。


「……!!」

「お前、固まってるぞ」

藤野が小声で言う。


男は倒れた一般人と、周囲の様子、それから朝日奈と藤野を見た。

その目には、さっきのショーの大げさな明るさとは違う、静かな真剣さがあった。


「今の、見ていたよ」

朝日奈がごくりと息を呑む。


「君たちが、あの人を止めたんだね」

「……! あ、いや、その……」

珍しく朝日奈がしどろもどろになる。

「オレたちは、その、成り行きというか……!」

「成り行きで飛び込むやつがあるか」

藤野が呆れたように言う。


男は少しだけ笑った。


「勇敢な少年たちよ」

その口調は、半分だけショーの延長みたいだった。

「よくぞ街の平和を守ってくれた」


朝日奈の目が、ぱっと見開かれる。


けれど男はすぐに、少し照れくさそうに頭をかいた。


「……なんてな。職業病だ」

「び、ビリビリマン……!」

「中の人だよ」

「……!」

「今はね」


朝日奈は何か言おうとして、でもうまく言葉が出てこないらしかった。

いつもの勢いが嘘みたいに消えている。


男はそんな朝日奈を見て、少しだけ目を細めた。


「でも、本当に立派だった」

「……」

「ヒーローは、スーツじゃない」

その声は静かだった。

ざわめく駅前の中なのに、不思議とはっきり聞こえた。


「誰かを守ろうと走った、その瞬間にいるんだよ」


朝日奈の肩が、わずかに震える。


藤野は隣を見た。

朝日奈はもう、ふざけた顔をしていなかった。


男は今度は藤野の方にも視線を向ける。


「君も」

「え」

「怖かっただろうに、ちゃんと手を伸ばした」

藤野は少しだけ目を逸らした。

「……別に」

「そういう顔じゃないな」

「うるさい」


男はまた笑った。


それから少しだけ遠くを見る。

サイレンの音はもうかなり近い。

スタッフらしい人間が、向こうから「すみません、そろそろ!」と呼んでいる。


「もう行かなきゃいけない」

男はそう言って、ポケットを探った。

出てきたのは、さっき物販で売っていたのと同じ、小さなビリビリマンのキーホルダーだった。


「え」

朝日奈が目を丸くする。


男はそれを朝日奈の手にぽんと乗せる。


「今日は特別だ」

「……い、いいんですか!?」

「本物のヒーローを見せてもらったお礼」

それから、少しだけ悪戯っぽく笑う。

「ただし、それに甘えないこと」

「!」

「ヒーローっていうのは、憧れるだけじゃ続かないからな」


朝日奈はキーホルダーを見つめたまま、しばらく固まっていた。


やがて、ぎこちなく、でもまっすぐに口を開く。


「……はい!」

その返事だけは、妙に素直だった。


男は満足そうに頷く。


「じゃあな、少年たち」

踵を返しかけて、ふと思い出したように振り返る。


「……ああ、そうだ」

「?」

「さっきの君」

男は朝日奈を見る。

「ステージの上の俺より、よっぽどヒーローらしかったよ」


朝日奈は、完全に言葉を失った。


男はそれ以上何も言わず、スタッフの方へ走っていく。

ビリビリマンのスーツの背中が、夕暮れの雑踏の中へ消えていった。


しばらく、二人ともその場に立ち尽くしていた。


やがて藤野が、朝日奈の手元を見た。

朝日奈はまだ、もらったキーホルダーを大事そうに握りしめている。


「……よかったな」

ぽつりと言う。


朝日奈はしばらく黙っていたが、やがて小さく笑った。


「……うむ」

「満足したか、ヒーロー」

「うむ」

「それしか言えねえのか」

「うむ……!」


声が少しだけ震えていた。


藤野はそれ以上何も言わなかった。

ただ、夕暮れの駅前に吹く風の中で、隣に立つ朝日奈の横顔をちらりと見た。


その顔はいつもより少しだけ静かで、

でも、いつもよりずっと嬉しそうだった。


少しして、朝日奈はようやくキーホルダーを制服のポケットへしまう。

まるで壊れ物を扱うみたいに、そっと。


「……藤野くん」

「ん?」

「明日の夜だ」

朝日奈の声は、もういつもの調子に戻りつつあった。

けれど、さっきまでとは少し違う。

軽さの奥に、ちゃんと芯がある。


「駅裏の古い倉庫」

「ああ」

藤野も頷く。

「あいつの話が本当なら、そこにまた薬の受け渡しがある」

「うむ」

「アガスティアと繋がる手がかりになるかもしれない」

「うむ!」


朝日奈は一度だけ、駅裏の暗がりの方を見た。


さっきまでは、ショーの余韻と事件の気配が入り混じっていたこの街が、

今はもう、別の顔を見せ始めている気がした。


華やかな駅前の灯りのすぐ裏で、

誰かが力を売り、

誰かがそれに縋り、

誰かが壊れていく。


その気配が、確かにある。


「……行くしかないな」

藤野が小さく言う。


朝日奈は振り向いた。

その目は、さっきよりずっとまっすぐだった。


「うむ」

それから、いつものように胸を張る。

「ヒーローは、見過ごさないからな!」

「そういうとこだよ」

藤野が呆れたように息をつく。

「だが事実だ!」

「はいはい」

「なんだその気のない返事は!」

「騒ぐな、目立つ」

「目立ってこそのヒーロー――」

「だから静かにしろって」


そんなふうに言い合いながら、二人は駅前をあとにした。


夕暮れは、いつの間にか夜へ変わりかけている。

ポケットの中で、朝日奈の手が一度だけ小さく動いた。

たぶん、さっきのキーホルダーを確かめたのだろう。


藤野はそれに気づかないふりをした。


明日の夜。

駅裏の古い倉庫。

アガスティアに繋がるかもしれない、次の現場。


少しずつ、確実に。


何か大きなものが、こちらへ近づいてきていた。

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