ダンジョン 15階 3
15階に移動してレッサーバイソンを探す。
「きた!」
ケインが叫んで慌てて後ろに下がる。前からレッサーバイソンが突撃してきたようだ。どうやら先に見つかってしまったらしい。
ブタちゃんが前に出て盾を構える。不意を突かれたので今回はブタちゃんが抜かれると被害が出てしまいそうだ。なんとか受け止めてくれ。
『ドンッ!』 ブタちゃんが盾でレッサーバイソンを吹き飛ばした。
吹き飛ばした? わが目を疑ってしまったが、レッサーバイソンは仰向けに倒れて目を回している。
その隙にユウが素早くレッサーバイソンの首を切りとどめをさした。
「すげえー…………」 ケインが驚いているが、俺も驚きだ。レッサーバイソンを受け止められるか? と思っていたのに、まさかひっくり返してしまうとは思わなかった。
「今のは凄かったね。ブタちゃんは大丈夫だった?」
「この盾はいいですね。壊れる気がしないです」 確かにそんな鉄板みたいな盾をどうやったらぶち破れるか想像できない。ブタちゃんは全然余裕そうだ。
「それじゃあ解体して、先に進もう」
レッサーバイソンを倒しながら先に進む15階は1匹ずつしか出ないようだ。
レッサーバイソンはブタちゃんと相性抜群だったらしく、任せてしまえば問題ない。
まったく危なげなく戦闘から解体までスムーズに進む――――。
16階に移動するとレッサーバイソンは2匹出るようになるが、それでも問題ないようだ。2匹であろうとブタちゃんが抜かれる事はないので、ユウがさっさと止めをさしてケインとブタちゃんが手際よく解体する。
俺は特にやることがない様なので、周囲を警戒しておく。何が起こるか解らないダンジョン内では、そういうのが大事だよね。
その後もブタちゃんの腹が鳴るまで進み、18階のゲートから帰還する事ができた。
ギルドでツノと食べきれない肉を換金して孤児院に戻る。
「今日はステーキパーティーだぜ。ロレッタが準備して待ってるはずだぞ」
「それは楽しみだな」 レッサーバイソンはいったいどんな味だろうか? 見た目は牛肉みたいだったので期待できると思う。
「ステーキ楽しみですね~」 ブタちゃんの腹がひと際大きく鳴ってうるさい。
孤児院に着くとステーキパーティーはもう始まっているようだ。食卓で子供達が夢中で肉に齧りついている。
「どんどん焼きますからね。いっぱい食べてください」 ロレッタがキッチンで肉を焼いているようだ。俺たちもさっそく席に着いてステーキをいただくとしよう。
「めちゃくちゃ美味しいです!」ブタちゃんはさっそく食い散らかしている。だいぶ気に入ったようで満面の笑みだ。
「…………」 ユウも黙々と目の前に置かれたステーキを食べ続けている。ケインはロレッタの手伝いに行ったようだ。
それでは俺も頂くとしよう。
「…………!」 外側はカリっと良く焼けていて、内側はレアでジューシー。これはなかなかの焼き具合。ロレッタやるな。味付けはシンプルに塩コショウだけのようだが、肉の味は日本で食べたビーフステーキそのままで、筋張っている部分もなくて柔らかくて食べやすい。
これはこっちに来てから食べた肉の中で一番うまいな。
「ご主人様、レッサーバイソン最高です。明日も狩りましょう!」 ブタちゃんが目を輝かせて俺に訴えてくる。
「大丈夫、明日もレッサーバイソン狩りが続くからね」
20階のボスまではレッサーバイソンのはずだ。こんなに美味しいなら今日は売ってしまったがレッサーバイソンの肉は取っておいたほうが良いかもしれない。
マジックバッグの中は時間停止していて腐らないらしいので生肉も安心だ――。




