ダンジョン 18階~ボス
翌日もダンジョンに向かう。ブタちゃんの希望通り今日はいっぱいレッサーバイソンを狩る事が出来そうだ。
18階からは4,5匹のレッサーバイソンが出てくるが、狭いダンジョンの通路では数はあまり意味がない。ブタちゃんがレッサーバイソンを盾ではじき返して抜かれなければ、こちらに被害が出る事はない。俺が後ろから弓でペチペチしてユウが止めに首を切る。この繰り返しで問題ないようだ。
19階、20階とレッサーバイソンの数は少し増えたが特に代わり映えしなかった。レッサーバイソンの数が増えたことで解体作業に時間がかかる様になったが、俺も手伝う事にして、ユウも見て覚えたのか手伝ってくれるようになった。
ユウは剣で大雑把に切ってくれるだけだが、それでも大幅に時間の節約になった。
途中休憩をはさみ20階ボス部屋に到着。
ボス部屋に入る前に皆に説明をしておく。
「20階のボスは11階辺りに出てきたダンジョントードの大きい奴だ。ジャイアントダンジョントードとそのままの名前だが、こいつはポイズンブレスを吐くらしい。ブタちゃんとユウは前に出て貰うから、このブレスを喰らうかもしれない。ポーションを用意してあるから、毒状態になったら無理せず下がって回復してね」
皆、理解できたようで頷いている。
「ボスの他にも普通のダンジョントードが取り巻きでいるみたいだけど、ブタちゃんはボスの方を抑えてね。ユウは取り巻きの方から片付けるように。ケインに何本か解毒ポーションを渡しておくから、毒を食らって後ろに下がったら貰うようにしてくれ」
「さあ、行くぞ!」
勢いよくボス部屋の扉を開けてブタちゃんが走り出す。部屋の中央には大きいカエルと小さいカエルが見えた。敵もこちらに気が付いているようでこちらに向かって飛び跳ねて来る。
先頭のブタちゃんが敵とぶつかる前に、俺の矢とユウのエアスラッシュが手前に居たダンジョントードにあたり2匹倒すことができた。
すぐにボスとブタちゃんが戦いだす。ブタちゃんはボスの舌を盾で受け止め、隙を見てメイスを打ち込む。さすがにボスは簡単には倒れない。俺もボスの方に矢を撃って何本か刺さっているがボスの動きは変わらない。
そうしているうちにユウが他のダンジョントードを倒してボスの方に向かう。俺はそれを見て勝ったなと思ってしまった。
その時ボスのジャイアントダンジョントードは大きく頬を膨らます。見た目は可愛い姿だが、これは恐らくポイズンブレスの予備動作だ。
「ブレスが来るぞ!」 俺は前衛の2人に向かって叫んだ。
2人はすぐに俺の声に反応して後ろへと下がる。 が思ったよりもブレスの範囲が広いのか2人とも紫のブレスに巻き込まれて見えなくなってしまう。さすがに最初から離れていた俺とケインまではブレスは届かなかったが前衛の2人は食らってしまった様だ。
紫の霧の様なブレスで2人とボスの状況を見る事ができない。仕方がないのでステータス画面を開いてみる。
ユウは毒抵抗2のおかげか毒状態になっていないが、ブタちゃんの方のステータスには毒状態の文字が現れている!
「ブタちゃん! 解毒するから一度後ろに下がって」
「私は大丈夫みたいです!」
? 何が大丈夫なのか? もう一度ステータス画面を見てみるがまだ毒状態のまま変わっていない。紫の霧で良く見えないが2人はボスと戦っているようだ。
「あの2人はポイズンブレスの中で大丈夫なのか? 心配だぜ」 ケインの心配はもっともだが、この毒霧のようなブレスが無くなるまでは俺たちは何もできない。
少しすると霧が晴れて2人が見えてきた。すでに戦闘は終わっているようでボスはもう動いていない。
「おい、大丈夫だったか」 2人に駆け寄るが2人とも元気そうだ。
慌ててステータス画面を見てみるが2人とも毒状態の文字はない。
確かにブタちゃんのステータスには毒状態の文字があったはずだが、今は消えている。
考えられるのは回復スキルのおかげか? 状態異常まで回復してしまうのだろうか? ブタちゃん無敵だな。
「ちょっと息苦しいくらいでポイズンブレスは問題なかったですね。それよりメイスでの攻撃が全然効いてなかったような気がしました。ユウが剣で切りまくって倒してくれましたけど」
メイスみたいな打撃武器はカエルには効きにくいのかもしれない。
そんな事よりも報告してくれたブタちゃんを見ると、だいぶ痩せている!
いつもの飛び出た腹がくびれて腹筋が6パックに割れて全体的に引き締まっている。ブタちゃんではなく、美女のモモカさんになってしまった。
これは孤児院に帰ったら今日狩ったバイソン肉が無くなるかもしれない。ロレッタにステーキ調理を頑張って貰おう。
「お疲れ様。お腹空いたんじゃない?」 ブタちゃんに干し肉を渡す。少しでも飢えを凌いでもらいたい。
「ありがとうございます! なんで私がお腹空いているってご主人様解ったんですか? 優しすぎですよ!」
ブタちゃんは自分が痩せてしまったことに気が付いてないのかな? ユウは特に何も変わってなさそうだ。相変わらずぼんやりしている。
「宝箱あったぞ!」 奥からケインの声がする。
「ケインが開けていいぞ」 宝箱ガチャはケインの一番の大仕事だ。ケイン頼むぞ!
「なんかマントが出たぞ。見た事ないからきっとレアアイテムだぜ」
ケインが見慣れぬマントを持ってこちらに戻ってきた。マントを受け取り装着してステータス画面を確認してみる。
特に項目が増えたりなどの変化が見られない。マジックアイテムじゃないのか?
「このマントはノーマルアイテムなんじゃないか?」
「布のマントっていうアイテムはあるけど、もっと安っぽいぜ。これはきっと特殊な効果が付いたマジックアイテムだぜ!」
「じゃあ神殿で鑑定してみるか」
確か鑑定料は金貨1枚といい値段だったはず。ハズレだったら悲しいが、ここはケインの豪運を信じるしかない。
カエルたちから素材の回収も終わったようなので、移動を開始する。ボス素材も舌だったようだ。
ボス部屋から扉を開けて21階への階段へと進む――――。




