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15 召喚獣を探して

 無理やり王の座を奪われたわけではない。もし、もう一度王にとお膳立てしてもその様子では王になろうとしないだろう。なりたくないわけだからな。かと言って彼をせめるつもりはない。誰だってやりたくないものはある。ましてやそれが王となるとね。皆と相談し、この件はなかったことにしようという話になった。


 翌日は観光をしに他の場所へ。工業区は鍛冶や彫金が主のようだ。ひと通り見て農業区へ。通常の農業とは違い、海藻のようなものを栽培していた。それから魚のような生物を養殖しているようだった。陸地ではお目にかかれない珍しいものを見て俺たちは満足していた。


 その次の日からはギルドで金策をすることに。ここから一番近い街に行くとしてもお金が足りない。稼がなくては。


「ダン王、明日出発らしいよ」


 ダナが王の情報を仕入れてきた。何でも最近砂竜の住処が増え、それを排除するために王自らが出陣、退治するというもの。彼らに「毒入りの餌」を食べさせ同士討ちを誘発、数を減らすという作戦を実行する。これは昔からある行事で、安全な場所に置きすぐに逃げるため、危険は少ない。これまでの歴史で失敗したことはないとか。


 度胸試しみたいなものか。これを王が行うことで、民衆からも人気が得られるとか。手続き的に、この遠征が終わって帰ってきてから王となるようだ。


 翌日、船団が出発。相変わらず偽者が王をやっているようだ。このまま仕事を終わらせて王になりそうだな。街の中は更に賑わってきた。お祭りの準備を進めている。王着任で本格的なお祭りが始まりそうだ。


 召喚獣の情報が手に入る。オアシスに生息しているとのこと。比較的近く、王の帰還前に済ませられそうだったので向かうことに。ただ船代が高いため今回は俺一人で。


 オアシスに到着。情報によるとここから少し離れたところに出現。外に出るのは止められるだろうから人目を避けて街を出ることにした。途中強力な魔物が現れる。本来ならもっと後に来る場所なんだろう。魔法を使いながら片付け進む。しばらく歩き目的地に到着。


 道具袋から特殊な液体を取り出し、辺りにまく。すると、後ろの地面の砂が跳ねた音が聞こえた。振り返るとそこには上部はイカ、下部はタコに似ている奇妙な生物が。服を着ており知的に見える。砂が跳ねたのは地面にある扉を開いたからのようだ。


『良い匂い。おお、人間か。とりあえず入れ』


 扉から入ると、中には部屋が。ここに住んでいるのかな。


『契約したいのであれば楽しませてみろ』


 袋から1枚の紙を取り出す。そこには三角屋根、中央にはバッテンが描かれた家が。これを一筆書きしてみろと召喚獣に手渡す。簡単だと解き始める召喚獣。あれ? 嘘だろ? と苦戦していたが無事解くことが出来た。


『面白かった。いいだろう契約しよう。サンドデビルだ、よろしく』


 契約後、外に出て早速使ってみる。スキルは墨吐き、いわゆる目つぶしだね。なかなか便利そうなスキルだ。魔物を片付けながらオアシスに向かう。


『ほう、底しれぬ力を感じる。私に勝てば契約してやろう。どうだ?』


 どこかから召喚獣の声が聞こえてきた。前方の砂が急激に盛り上がる。砂が滑り落ちると、そこには透明なサメに似た召喚獣が。

 単純な力勝負か、なんとかなるかな。いいだろうと答える。


『ゆくぞ』


 滑りながらこちらに近づき噛みつき攻撃。これを難なくかわす。これはどうかなと大きく口を開ける召喚獣。先端が歯の触手が。全部の歯に触手がついていて少し身震いをした。触手の攻撃を交わしていたが、地面から急に来た触手を思わず手で掴んで回避。瞬間電気が流れる。だがダメージはない。


『はっは、まさか今の電撃が全く効かないとはな、参った。では約束通り契約しよう。メガジェリーだ、今後とも』


 メガジェリーは情報にはなかった召喚獣。出現条件はわからないままだが契約できてしまった。運が良かったな。オアシスに戻り、船に乗り王都へ。ギルドで皆と合流。王はまだ帰ってきていないようだった。


 5日後、ギルドで仕事を探していると、一人の大男が息を切らしながら駆け込んできた。


「せ、船団が全滅、王を含む全員が生死不明に……」


 ギルド内に衝撃が走る。外からも悲鳴が聞こえてきた。冷え込む街。これまでのお祭り騒ぎが嘘のようだ。しかし、当然か。自分のところの王様が死んだかもしれないんだからな。


 その後もう少し詳しい情報が。王都から出発後、一旦住処の近くのオアシスに寄港。その後砂竜のところへ向かったが、なかなか帰ってこないから様子を見に行くと破壊された船を発見。近くに砂竜がいるかもしれないとのことで、近づかずそのまま撤退。

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