果てしなく遠い
僕にとって シンやサヤカは まだ子供にしか思えず 兄のいる あの塀まで たどり着くには まだ 早いと感じていた。
それは、
討伐部隊が いつ襲ってくるかも分からず あの塀に 近づく程 危険だったからだ。
僕の そんな思いを察してか シンは日々 鍛練に励み サヤカは ユミさんに弓を教わっていた......
海さんも あの時の 討伐部隊の襲撃もあり 慎重になり あの塀に たどり着くまでの 策を何通りも考え 武器も いくつか作っていた。
リョウさんは 変わらないように見えて 海さんや僕を 危険な目に もう合わせたくないようで 鍛練に鍛練を重ね 肉体を鍛え上げていた。
そして、ユミは......顔にも心にも決して悟られる事はないくらい 冷静な装いで過ごしていた。
ただ、違うのは 僕の側にいてくれる事だった。
もし僕が ここで 一人で偵察に行きたいと言ったら......
僕も 確かに あの時以来 慎重になっている部分もあるのは確かだ...
けど このままじゃ......そんな思いが交差し ジレンマに襲われていた。
そんな時だった 海さんが 試作であるものを作り 皆で試す事に
それは レインボーシティ
僕たちが暮らしている 街のビル だいたい あの塀の高さくらいの ビルの外壁を上るという物を作ってくれた。
それを使って 皆が無事 ビルの屋上まで たどり着けるか テストしたいらしい。
僕も 皆も賛成だった。
僕は 視察の事ばかり考えていて あの塀をクリアする事や その後の事をまだ考えていなかった。
やっぱり海さんは凄い人だ。
この時 僕は 果てしなく遠いと思っていた......あの塀までの道のりが 少しずつでも 前に進んでいるんだと分かり 自分の至らない考えに 恥ずかしさを覚えた。




