存在
シンを連れ 毎日を修行に費やし 最初は刀より重い木刀を使い 腕の力をつける事を 教えた。
力任せに ただ木刀を 振り回すだけだった シンが 少しづつ コツを覚え 僕が言った
「右手も左手も 同じように できるように 鍛えるんだ」
その言葉を 忠実に守っていた。
「刀はぶれる事なく 切り落とす 真っ直ぐに 斜め左右 横に水平に そして、止まらず 動け!」
そう教えた......
それが正解なのかは 僕には分からない......ただ 言えるのは あの時の......経験...それしかなかった。
「シン 忘れるな 体力だけは 毎日つけとけ!」
これも あの経験から 学んだ。
人を切る事は 簡単じゃなかった......裸でいる者を切るならまだしも 服の重み 相手の攻撃を交わしながら切る 腕も重く挙がらなく それでも 相手の攻撃は止まない......我を忘れて
気合いだけで戦い......左腕がなくなった。
だから 更にもう一つ上を 考えなければ...
「シン!刀だけに頼るな 腕も足も頭も使える所は 全て使え!その場の状況で 戦い方を考えろ!」
毎日 朝から夕日が沈む頃まで 修行を続け
1ヶ月 2ヶ月と過ぎた頃
木刀での 実戦を始めた。
打ち合いは 常に激しく お互いに 隙を与えず真剣に 手を抜く事はなかった。
シンが 繰り出す 一刀は ぶれる事もなく 真っ直ぐに 振り落とされ 僕の握る 木刀から 流れる振動は 腕の筋力までも 硬い盾のようにした。
シンの強さは どこから生まれるのか......僕は 少し 心が弾む
何処かで 僕は この実戦を 楽しんでいた。
打ち合いから学び 更に成長し合い 打撲 擦り傷 そんな痛みも 心地よかった。
シンは 弟子でもあるけど 僕の弟のような存在に......なっていた......
そして、シンも 僕を
「リク兄!」
と、呼ぶようになっていた。
半年後
シンに刀を手渡した。




