王女がやってきた
夕日に染まる空の散歩を終え地上に降りた。
「アオイさん、ありがとうございました。ロマンチックでしたわ。本当に楽しかったです。サスケさんもありがとうございました。」
「いえいえ、喜んで頂けて良かったです。」
「お父様、わたくしはアオイさんと結婚したいと思います。お許しいただけませんか?」
「もちろんだ。あとはアオイ次第だな。アオイに気に入られるように頑張りなさい。」
「勝手に決めて大丈夫ですか? また王妃様に叱られませんか?」
「おい、痛いところを突くではないか。キャサリンにはジャスミンから伝えてくれるか?」
「わかりました。お母さまに伝えてきます。」
ジャスミン王女が走って部屋に戻った。
「ところでアオイよ。グリフォンをどうやって手懐けたのだ?」
「テイムか、召喚魔法を覚えればよいのではないですか?」
「まず、山奥に暮らすグリフォンに会うことができないからテイムは無理だな。召喚魔法は非常にレアな魔法スキルだ。まず、スキル所有者を見つけることが難しい。」
「そうなんですね。では諦めてください。私のテイム、召喚は特殊ですのでマネできません。私の召喚獣は人と同じようにレベルアップします。しかも、レベルMAXになると進化するのです。サスケは私の召喚獣になったときにはスモールイーグルでした。進化し、グリフォンになったのです。」
「魔物のレベアップと進化か。非常に興味深いな。ところで、他にも召喚獣を持っているのか?」
「はい。バトルホースが3頭、キングミノタウロス、クイーンエンジェルスパイダー、あと黒龍ですね。」
「ほんとにお前は規格外だな。黒龍が召喚獣と聞いても驚かなくなってしまっているほど俺の感覚が麻痺してしまったぞ。」
王女様が戻ってきた。
「お父様、お母さまの許可を頂きました。これからアオイさんのお母様に挨拶に行ってもよろしいですか?」
「少々お待ちを。」
『ティア、全員に一遍に念話って送れるのかな?』
『問題無いですよ。>allと念じてから話してください。』
『>all 王への報告が終わりました。その際、王から第1王女を嫁にと言われました。なんか話がとんとん拍子に進んでしまって、これから母さんに挨拶をしたいと言ってます。連れて行くので準備しててね。美咲、晩御飯を一人分増やしてね。マリーはパジャマとか下着を準備しといてくれ。とりあえず、農園の家の方に連れて行くから、母さんと姉さんは出迎えとお茶の準備をお願い。メアリーはこっそりRoomに帰って状況の説明をよろしくね。』
『大変なことになったわね。ジャスミンちゃんに会うのは5年ぶりかしら? とてもきれいな女性に成長しているのでしょうね。楽しみだわ。』
『母さん、よろしくね。』
『美咲、マリー、帰ったら嫁会議をしますからね。』>メアリー
『『わかったわ!』』
「念話で説明完了したので我が家に行きますか。もう遅いので王女様は我が家にお泊めしてもよろしいですか?」
「構わんぞ。アオイの家の飯はうまいらしいぞ。よかったな。護衛はいらんよな?」
「はい。サスケで飛んでいきますので正直邪魔です。私が守りますので結構です。」
「では、アオイさん。よろしくお願いします。」
我が家の受け入れ準備ができるようにすでに暗くなった夜空を旋回しながら農園に向かった。
「母さん、ただいま戻りました。」
「お帰りなさい。ジャスミンちゃんね? 大きくなったわね。おばちゃんのことを覚えているかしら?」
「はい、覚えております。お久しぶりです。」
「玄関で立ち話もなんだから入ってちょうだい。」
リビングに向かった。
「お久しぶりね。アオイの姉のエミリーよ。綺麗になったわね。」
「ありがとうございます。エミリーお姉さま。」
「座ってちょうだい。ベル、お茶をお願いね。」
「マーガレット叔母様、エミリーお姉さま。アオイさんとの結婚のお許しを頂きたく、急で申し訳ありませんがご挨拶に参りました。」
「私たちは構わないわ。問題はすでに決まっている婚約者3人の許可をもらうことね。まあ、お菓子とお茶をどうぞ。」
「いただきます。まあ、おいしいわ。お城でいただいてるお茶よりもおいしいです。どちらでお買いになられているのですか?」
「うちの農園で採れた茶葉を使っているのよ。明日、農園を紹介するわね。」
「はい。ところでアオイさんの婚約者様はどちらにお住まいですか? こちらにはいらっしゃらないようですが?」
「ジャスミン王女様。秘密を守っていただけますか?」
「他人行儀ですね。お互いの親の許可をいただいたのですからもう婚約者ですわよ。ジャスミンと呼んでください。それに嫁になるわたくしが旦那様の秘密を守らないわけがございませんわ。」
「では、お話しますね。ここの家には母さんと姉さまが住んでいます。私の家は私のスキルで作った異空間に存在します。これからご案内しますが秘密厳守でお願いします。」
Roomを起動し、ジャスミンを案内した。
「何もなかった壁に扉が?」
「どうぞ、お入りください。」
「皆さま、初めまして。第1王女のジャスミンと申します。」
「紹介します。こちらが王城でもお会いしました専属メイドのメアリーです。そして、美咲とマリーです。この3人が私の婚約者です。それと妹のソフィアです。」
「突然ですが、アオイさんと結婚したいと思います。お許しを頂けないでしょうか? 成人まであと1年ありますので、それまでに認めていただけるように頑張ります。」
「嫁会議では基本的には許可の結果となりました。ただ仲良くアオイさんを共有できるのか確認させていただきたいと思います。」
「了解しました。よろしくお願いします。」
えっと、完全に俺が蚊帳の外なのだが俺の気持ちは無視なのかい?
まあ、1年の猶予があるからそれまでには決めよう。
「アオイさんには聞かれたくない話もあると思いますし、まずは裸の付き合いということでお風呂に入りますか。」
「こちらにはお風呂がございますの?」
「ありますよ。私たちは毎日入ってますよ。」
「毎日ですか!」
「こちらですので、どうぞ。」
全員で風呂に向かってしまい、取り残された俺。
やることないし、デザートでも作っておくか。
しばらくして女性陣が戻ってきた。
「お風呂が大きくて気持ち良かったですわ。それにシャンプー? 髪がサラサラになりました。こちらで暮らしても良いでしょうか?」
「え? それはキャサリン王妃様の許可をもらってください。」
「みなさん、ご飯の用意をしますのでリビングで寛いでいてください。」
美咲がキッチンへ向かった。
今日の晩飯はオーク肉を使ったポークカレーだった。
庭で採れたシャキシャキ生野菜サラダ付きだ。
「おいしいです。ちょっと辛いですが。アオイさんのところのご飯はおいしいと聞いていましたが本当でした。ここに住んでもいいですか?」
「ですから、王妃様の許可をもらってね。王女なのだから公務もあるでしょ?」
「王女の役目は結婚して縁を結ぶことですから、アオイさんのそばに居て気に入ってもらうことが私のお仕事ですよ。」
「そうですか。では、農園のお手伝いをしたいとでも言ってください。この部屋のことは内緒ですからね。」
「もちろんです。でも、この素晴らしいお部屋のことを黙っているなんて辛いですわ。」
「ジャスミンは客間を使ってください。王妃様の許可が下りたら個人部屋を作りますね。」
「了解です。これからよろしくお願いします。」
翌日、母さんは王城に向かった。
「王妃様、うまくいきましたね。」
「そうね、マーガレットさん。」
裏で2人が動いていたらしい。
王妃様がジャスミンにアオイのことをいろいろ話して仕向けたようだ。
そんなことを全く知らなかったアオイであった。




