従妹の第1王女と出会った
4階層のボス部屋を覗きながら作戦を考える。
*鑑定
種族: ダンジョンオオカマキリ
ランク: A+
スキル: 食いちぎる、切り刻む、カマイタチ、風魔法
ドロップアイテム: 魔石、カマキリの大鎌
*鑑定
種族: ダンジョンオオサソリ
ランク: A
スキル: 挟む、毒針、土魔法、闇魔法
ドロップアイテム: 魔石、毒針、甲羅
*鑑定
種族: ダンジョンオオタランチュラ
ランク: A
スキル: 毒牙、糸攻撃、罠設置、回復魔法、再生
ドロップアイテム: 魔石、毒牙、糸袋
周囲に無数にいる虫たちは雑魚と言っても全てCランク。
数で押されれば非常に危険だ。
「まず、俺が極大魔法で数を減らす。最初から全力で行くから巻き込まれないようにな。クモが回復持ちなので真っ先に倒すこと。カマキリは遠距離攻撃もしてくるから油断するなよ。サソリは状態異常をかけてくるかもしれない。いいか、雑魚⇒クモ⇒サソリ⇒カマキリの順番で行くぞ。」
みんなの顔を見渡してから気合を入れる。
「行くぞ! ファイアストーム! インフェルノ! アブソリュート・ゼロ! サンダーストーム!」
雑魚は最初のファイアストームとインフェルノで全て灰になった。
アブソリュート・ゼロでボスたちが凍り付き動きを止め、サンダーストームの雷の衝撃でクモが砕け散った。
ナイトがダッシュでサソリに接近し、凍ったままのサソリを斧で叩き割った。
残りカマキリのみとなった。
メアリーがカマキリに斬りかかろうとした瞬間、氷にヒビが入った。
そして、氷の中からカマキリが這い出した。
メアリーの攻撃は大鎌で防がれてしまった。
カマキリが鎌を振る度にカマイタチやエアスラッシュが飛んでくる。
それをサスケと美咲が魔法で相殺する。
「斬撃っていうのはこういう風にやるんだよ!」
俺は魔力を込めて巨大なエアスラッシュを放った。
やばいと感じたのか、カマキリは大鎌で防御の構えをとった。
しかし、甘い。
大鎌では防ぎきれず、斬撃はそのまま大鎌諸共カマキリの首を刎ねた。
戦いが終わるとボス部屋にはたくさんのドロップアイテムと宝箱が散らばっていた。
全てアイテムを回収し終わるとスノーが、
『主様、進化しても良いですか?』
「構わんぞ。もっと強くなってくれ。」
スノーが光り出し、どんどん大きくなっていく。
お腹に小さな羽が生えた。
*ステータス
名前: スノー
種族: クイーンエンジェルスパイダー(アオイの召喚獣)
レベル: 1
スキル: 念話、糸を出す、糸を紡ぐ、糸で拘束、染色、布を織る、裁縫、
気配探知、アイテムボックス、罠感知、罠解除、隠密、光魔法、土魔法、
水魔法、魔力感知、魔力操作、再生、全状態異常耐性、浮遊、変身
羽はエンジェルの翼で、浮くことはできるが飛べはしないそうだ。
回復魔法を中心とした光魔法と攻撃魔法として水、土魔法を覚えた。
純白の天使風味となったスノーはとてもきれいだ。
それにしても精神的に疲れたな。
「ちょっと休もう。あれだけの数の蟲の群れを見てしまうと精神的にきつい。今日はもう止めておこうか。」
「そうですね。すっごく疲れました。」
「だよね~。」
Roomに戻って休むことにした。
それにしてもこの大量の魔石をどうしようかな。
ギルドでもこの数は買い取ってもらえないだろうな。
そんなことを考えていると念話が届いた。
『アオイ、今大丈夫?』
『大丈夫ですが、何かありましたか? 母さん。』
『王様に報告したらすぐに詳しい話を聞かせろって聞かないのよ。』
『今、ダンジョン帰りですっごく疲れているのですが。』
『お願い、王城に行ってきて。』
はぁ、めんどくさいなぁ。
「王様が城に報告に来いだってさ。」
「「「行ってらっしゃい。」」」
「え? 俺だけで行ってこいと?」
「当然です。」
「いやいや。せめて、メアリーだけでも付き合ってよ!」
「仕方ない人ですね。いくつになっても子供なんですから困ったものです。」
「お世話になります。」
城門から死角になっている城壁にRoomの玄関を繋ぎ外へ出た。
門番さんに王に呼び出されたことを告げ中に入れてもらった。
「伯父さん、来ましたよ。」
「おい、こっちじゃなくて謁見の間で待っておれ。こっちはプライベートじゃ。」
「別にいいじゃないですか。それで聞きたいことがあると母さんから聞いたのですが。」
「まず、スタンピードについて詳しく頼む。」
「王都から南に馬車で2日ほどの場所に魔物数千頭の群れが居ました。まっすぐ王都に向かって進んでいたので非常にまずいと思い殲滅しました。」
「殲滅したのであれば安全だな。それで発生源の方はどうなった?」
「只今調査中です。現在、ダンジョン4階層まで確認しました。」
「今後も調査を頼む。もう一つ聞きたいことがあるのだが、お前の農園からグリフォンらしき魔物が飛び立ったと娘から聞いたのだが何か知っているか?」
あの王都に向かっていた隊列は姫様一行だったのか。
「はい、知ってますよ。グリフォンで間違いないです。それ、俺ですから。」
「はぁ? グリフォンは人里はなれた山奥のさらに山奥の人が到達できるかも怪しい場所に住んでいると言われる伝説的な魔物だぞ? 俺ですら絵でしか見たことないレベルだというのに。どういうことだ?」
「俺の召喚獣です。サスケって言います。見ますか?」
「ちょっと待て。娘を呼んでくる。それにここじゃ狭いから庭で頼む。」
しばらく待っていると王が10代半ばほどの少女を連れてきた。
「初めまして、第1王女のジャスミン・ハワードです。」
「こちらこそ初めまして。アオイ・ハワード、辺境伯4男、男爵です。」
「おいおい、他人行儀だな。従妹だろ。それじゃ、庭に向かおうか。」
メアリーも含め4人で庭に向かった。
ところでメアリーがずっと気配を消して空気になっているんだが。
少しは俺を助けてほしい。
何のために連れてきたかわからないじゃないか。
「アオイはいくつになったんだ?」
「15歳ですが?」
「ジャスミンは14歳だ。嫁にどうだ?」
「ここに嫁が居ますので。」
「おっ! メアリー居たのか。全く気付かなかったぞ。」
「正確にはまだ結婚式を挙げていませんので婚約者です。私の他にすでに2人の妻候補が居ます。」
「3人も4人も変わらんだろ。親から見ても娘は器量も良し、気立ても良しだ。俺はお前を評価している。きっとこの国だけに留まらず、世界を背負う男になると信じている。そんな男に娘を託したいのだ。」
「歩きながら気軽に話す内容ではないですよ? 」
ジャスミンをチラッと見たら顔を赤くしモジモジしていた。
満更でも無いらしい。
庭に着いたのでサスケを召喚した。
「おお! 素晴らしい! 本物のグリフォンではないか!」
「わたくしも初めて見ました。綺麗ですわ。触ってもよろしいでしょうか?」
「サスケ、座ってあげて。どうぞ、噛みついたりしませんから。」
「本当に従順なのですね。可愛いですわ。」
「乗りますか?」
「よろしいのですか? ぜひ、お願いします。」
サスケに2人乗りして大空へ舞い上がった。
「キャー。凄いですわ。飛んでますわ。お嫁さんにしてください。」
「そんなに燥いで落ちないでくださいよ。って、どさくさに紛れて告白するのはやめてください。従妹同士だし、その件は保留です。」
「従妹は関係ないですよ? 兄妹でも結婚できるのですから。」
この世界の結婚は何でもありだね。
地上を見ると王様が乗せてほしそうな顔で見ていた。
メアリーの目が冷たい。
Roomに帰ったらきっと嫁会議が開かれるのであろう。




