未開のダンジョン
翌日、全員フル装備でダンジョンに向かう準備を整えていた。
「ソフィアも今日からうちの正式パーティメンバーだ。このRoomキーを渡しておくよ。」
「ありがとう、兄さま。戦闘の時は兄さまではなく、リーダーとして従います。よろしくお願いします。」
なんか他人行儀で寂しいのだが。
でも、けじめは大切だよね。
「皆、準備はいいかい? それじゃ、テレポートするから手をつないでくれ。ソフィアは慣れていないから目を瞑っていてね。テレポート。」
一瞬で先日スタンピードの魔物の群れを殲滅した荒野に転移した。
「これはひどいですね。当分、草木は生えないですよ。アオイさん、やりすぎって分かりますよね?」
「え! でも、このまま見逃したら王都が大変なことになってたんだよ? 全力でいくでしょ?」
「限度の問題ですよ。これインフェルノですよね? ファイアストームでも十分だったんじゃないですか? あのクレーターはエクスプロージョンかな? はぁ。」
美咲に説教されてしまった。
正直、強くなりすぎちゃって調整が難しいのは事実なんだよね。
素直に反省して次回から気を付けます。
『ティア、発生源のダンジョンへの案内をよろしく。』
メークイン、メルル、ユキ、ミント、サスケを召喚し、ダンジョンに向かった。
数時間走ると森の中にある洞穴に辿り着いた。
「ここが入り口のようだ。じゃあ、戦闘準備に入ってくれ。」
バトルホースたちは戻して、ナイトを召喚した。
今回からナイトとサスケも戦闘に参加してもらう。
ナイトはマリーと前衛で盾役と近接攻撃を。
サスケは後衛で魔法と支援、そしてソフィアの警護を行ってもらう。
ソフィアは後衛で魔法攻撃に特化する。
「じゃあ、未開のダンジョンに侵入するよ。何の情報も無いから油断禁物だ。いきなり1層から罠があるかもしれない。十分警戒するように。」
スノーも召喚した。
スノーには罠の警戒と無効化、敵の拘束、ドロップアイテムの回収を任せる。
*ステータス
名前: スノー
種族: シルクスパイダー(アオイの召喚獣)
レベル: 1
スキル: 念話、糸を出す、糸を紡ぐ、糸で拘束、染色、布を織る、
アイテムボックス(アオイのインベントリへ転送可)、
罠感知、罠解除、隠密、気配探知
洞窟内は薄暗い。
今のところ、ゴブリン系しか現れていない。
スノーは器用に糸でドロップアイテムを回収し、アイテムボックスへ収納している。
他のダンジョン同様、1階層は然程強い魔物は出現しないようだ。
突然目前に大きな扉が現れた。
1階層からボス部屋があるようだ。
扉を開けると居たのはゴブリンキングだ。
これは高難易度ダンジョン決定だ。
初心者がゴブリンキングを倒せるわけがない。
キングはAランクなので推奨Aランク以上になるね。
まあ、うちのパーティには全く問題ないのだが。
サクッとゴブリンキングを倒し、2階層へ向かった。
『皆様、ちょっと待ってください。』
2階層に入った瞬間、スノーから警戒の念話が飛んできた。
『はい、大丈夫です。毒矢が飛んでくる罠がありましたが、糸で穴を塞いだのでもう大丈夫です。』
2階層から罠が設置されていた。
しかも毒矢か。なかなか厄介な罠だ。
2階層を進むとコボルトが現れた。
しかも群れで襲ってくる。
フライングディスクで切り刻み、ガンガン進んでいく。
『マスター、右の通路の先に宝箱がありますね。』
2階層から罠も宝箱もあるようだ。
宝箱にはスキルスクロール《鑑定》が入っていた。
ソフィアが持っていなかったので使用した。
ちなみに1階層のゴブリンキングからドロップした宝箱には100銀貨、HP回復ポーション、MP回復ポーション、聖なるナイフ、身代わりの指輪が入っていた。
ソフィアが身代わりの指輪を装備した。
2階層のボスはやはりコボルトキングだった。
このダンジョンのパターンが分かってきたね。
ここもサクッと倒し3階層へ。
宝箱からは神秘の指輪、疾風のブーツ、魅惑のカチュウシャ、10金貨、スキルスクロール《鑑定》が入っていた。
装備はソフィアに、鑑定はメアリーが使った。
3階層はオークだ。
罠を回避しつつ、宝箱を回収しながら進む。
ソフィアが暇そうにしているので召喚獣とソフィアのみで3階層は進んでもらうことにした。
もちろん、こっそり4人態勢でソフィアを護衛しているのだが。
「ソフィア、魔法職は基本やられる前にヤレだ。見つけたら一気に魔法をぶつけてやれ。でも、MP管理も忘れずにな。MP枯渇になったら紙防御の魔法職には死しかない。注意するように。」
「わかりました、リーダー。」
素直なのは良いのだが、兄さまと呼んでほしい。
それにしてもナイトは強くなったな。
装備も良いのだろうが、オークジェネラルを一撃で沈めたよ。
階層ボスは予想通りオークキングだった。パターンが確定した。
スノーが糸を巻き付け拘束し、ナイトが走った。
ソフィアとサスケの魔法が立て続けで炸裂し、距離を詰めたナイトが首を切り落とした。
宝箱は幸運の腕輪、幸運の指輪、幸運のネックレス、100金貨、ミスリルの杖。
幸運シリーズはソフィアに装備しておいてもらおう。
Luck:+600でソフィアの幸運値は900となった。
「今日はここまでにしよう。お疲れ様、ソフィア。初めての本格的ダンジョンだったから疲れただろう。」
「私は元気です。明日も頑張ります、リーダー。」
兄さまと呼んでくれないソフィアに複雑な気分の俺であった。
ケジメだよね!




