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アオイ村へ帰還

「アオイ、準備ができたわ。早くアオイ村に行きましょう。それでお願いがあるの。私の専属メイドのリサも連れて行きたいのだけれどもいいかしら?」


「リサさんは子供のころから見ているので信用できる人なのはわかるのですが、秘密を絶対に守ってくれるように説得しておいてくださいね。」


「わかったわ。」


「それでは、お昼ごろ出発しましょう。先に住民証を渡しておきますね。あと、リサさんの分も。魔力を注ぐと個人登録が完了しますので。」


「ありがとう。変わったカードね。」


「そのカードは、住民証の他に冒険者カードの機能、ステータス確認、小さいですがアイテムボックスがついていますので無くさないでくださいね。」


「え? アーティファクトなの? なんなのその機能は。これを子供たちも含めた村民全員が持っているの? こんなすごいもの誰が作ったの?」


「マリーと俺で作りましたが? そんなにすごいのですか?」


「すごいなんてもんじゃないわよ。あなたといると常識がなんなのか忘れてしまうわ。」


「とにかく父さんに挨拶してきましょうよ。当分帰ってこれないわけですから。」


父の書斎に向かった。


「お父様、これからアオイ村に行ってきます。当分帰ってこれないと思いますのでお元気で。」


「できれば早く孫の顔を見せてほしいのだが無理そうだな。婚活はちゃんと続けるのだぞ。元気でな。」


「もう! 私は結婚しませんから。アオイ村でオーナーを務めながら研究を続けます。では、行ってきます。」


「俺も向こうが拠点になると思いますので、父さんお元気で。」


「益々の活躍を期待しておるぞ。」


父の部屋を出て3人の婚約者の元へ向かった。


「昼にアオイ村に戻る予定だから準備しておいてくれ。」


「「「はい、わかりました。」」」


リサさんの準備も済み、俺の部屋に全員が集合した。


「では、母さん。行ってきます。それとこの指輪を。」


「母さんにプレゼントかしら? 綺麗な指輪ね。ありがとう、アオイ。」


これはルビーの指輪にスキル《念話》を付与したものだ。

指輪同士で会話ができるようにした。


「これは念話を付与した指輪です。魔力を注入し、相手を強く思うと念話で話ができるようになります。姉さまにも渡しておきます。緊急事態の時はこれで連絡してください。テレポートで駆け付けますから。もちろん、ソフィアにもね。兄さんと話したくなったらいつでも念話を送ってくれて構わないからね。」


「話すことはありませんので。でも、兄さまにお願いがあります。」


「ちょっと傷ついたが、でもソフィアのお願いなら何でも聞いちゃうぞ!」


「キモイです。聞かなかったことにします。それでお願いですが、マリーさんにも指輪を渡してください。」


マリーにどれだけ懐いているんだよ。

兄さん、嫉妬するわ。

仕方ない、マリーにも渡した。


「それでは、母さん、ソフィア、行ってきます。もし、王都にまた用があるときはゲートを繋ぎますので連絡してください。」


部屋の壁にゲートを設置し、アオイ村の自宅のリビングにつないだ。

初めてみるリサさんが怯えていたが、姉さまに手を引かれゲートを潜った。

ちなみにリサさんは犬耳のついた犬獣人のメイドさんだ。


「では、姉さま。皆さんに紹介しますので着いてきてください。」


まずは入り口の門番たちのところに向かった。

門の隣にある待機所に入る。


「やあ、今帰ったよ。問題は無かったかい?」


「え?! アオイ様! どこから湧いて出てきたんですか? 門を潜っていませんよね? なんで村の方から現れるんですか! アオイ様だから考えても仕方ないか。」


考えるのを諦めたな。


「それで異常はなかったか?」


「そうですね。アオイ様に会わせろという貴族や商人が来ましたが追い返しました。」


「おう、ありがとう。殴り合いはやめてくれよ。それと紹介するよ、俺の姉さまのエミリーだ。今後、ここの孤児院と農場のオーナーを引き継いでもらうことになるから守ってくれよ。それに専属メイドのリサさんのこともな。」


「了解しました。私は元Bランク冒険者で門番長をしているジョニーです。あと、プリン、ケン、サナです。この4人で門番をしておりますのでよろしくお願いします。」


「命令を下す。お前たち4人はアオイ村の村民全てを守らなければならないので強くなければならない。わかるな。お前たちは元冒険者でもある。だから交代でダンジョンに向かい鍛えることを義務とする。わかったな。」


「ありがとうございます。正直、門番だけでは退屈していました。冒険者の血が騒ぎます。もっともっと強くなって村を守ります!」


「おう、そうしてくれ。」


次に教会へ向かう。


「ケートさん、ただいま戻りました。姉さま、ケートさんは神の祝福を受けて聖女になったんですよ。」


「え? そうなの! ケートさん、初めまして。孤児院と農場のオーナーを任されたアオイの姉のエミリーです。お友達になってください!」


「初めまして、ケートです。この教会のシスターをしています。」


姉さまの押しの強さに引き気味のケートさんでした。

次は農場の説明かな。


「囲いの中の全てが俺の領地です。西に川があるので西から田んぼ、畑、そして東に牧場があります。農場の一番北の端にダンジョンの入り口があります。ダンジョンの方はあとで説明します。とりあえず、農場を案内しますね。」


畑にはもう青々と育った野菜が並んでいる。

思ったより早く収穫を迎えそうだ。

田んぼはまだ水を張っただけで田植えは行っていない。

牧場にはまだ少ないがのんびり動物たちが草を食んでいる。


「のどかでいい場所ね。ここが聖域になっていると言われて半分嘘だと思っていたけど本当に神秘的なものを感じるわ。」


「ここがダンジョンです。今は子供たちも使うことがあるので迷路をつぶしてホールのみにしてもらってます。その石碑に触れて話しかけるとダンジョンマスターのメイプルと話ができます。」


「メイプル、ただいま。姉さまを紹介するよ。メイプルと友達になりたいそうだからよろしくね。」


「ああ、アオイさんですか。お帰りなさい。アオイさんのお姉さんもよろしくお願いしますね。」


「初めまして、エミリーよ。たくさんお話してくださいね。」


「魔物と戦いたいときはメイプルにお願いすれば出してくれるから。『オーク10』、ファイアストーム。こんな感じ。」


「あなたの魔法の威力は凄まじいわね。わかったわ。」


ダンジョンから出てると農場管理責任者の農夫バンが子供を引き連れて孤児院に向かっているのが見えた。

そろそろ昼ごはんの時間だな。


「バン、俺の姉さまを紹介するよ。今後、ここのオーナーになるからよろしくな。」


「農場の責任者をしてますバンです。よろしくお願いします。」


貴族の姉さまに怯えているようだ。

平民、しかも奴隷出身なのだから仕方ないか。


「そんなに怯えないでちょうだい。アオイの姉のエミリーよ。よろしくね。」


農場管理者はバンの他に、ドル、カバ、エバ、エコー、ミナミの6人で行っている。

子供たちとともに孤児院へ向かう。

食堂にみんなが揃っていたので丁度良い。

姉さまを紹介しよう。


「食事の前に聞いてくれ。俺の姉さまを紹介するぞ。今後、ここのオーナーをしてもらうからよろしくな。」


「初めまして皆さん。私はアオイの姉のエミリーです。アオイからここのオーナーを引き継ぐことになりました。なにか困ったことがあったら遠慮なく言ってくださいね。職員の皆さんもよろしくお願いします。」


「俺はここの領主でもあるので今後も協力するから安心してくれ。それと君たちにもダンジョンを開放する。レベアップをするのも良いし、小遣い稼ぎをするのも良い。だが、無理はするなよ。仕事はちゃんとするように。ちゃんと仕事しないと姉さまに追い出されちゃうぞ。」


子供たちはダンジョンで小遣いが稼げるということに大喜びだ。

これも成人してここを出るときに強くなって、スキルを増やしておけば選択肢が増えるだろうという俺の親心だ。

金もあった方がいいしね。


「それと、毎日10人ずつ交代で休暇を与える。町に遊びに行くも良し、ダンジョンで鍛えるも良し。1日仕事のことは忘れて休暇を楽しむように。後は姉さまにお任せします。以上だ。食事にしよう。」


笑顔で食事をする子供たちを眺め満足する俺であった。

改めてキッチンの従業員と元院長のマリアンさんを姉さまに紹介し食堂を後にした。

別の仕事を任せるために猫耳メイドさんのスーザンだけ連れ出した。


「あの、アオイ様。私はアオイ様の夜のお世話をするのでしょうか?」


「違うから! そっちは間に合ってます。って、余計なことを言わせないでくれ。君には別な仕事をお願いしようと思ってね。これからダンジョンを使う子が増えると思うからダンジョンの入場者管理とドロップ品の買い取りをお願いしたい。ダンジョンの隣に小屋を作るから冒険者ギルドの受付嬢のようなことをしてほしい。」


「わかりました。ですが、ドロップ品の価値が私にはわかりません。」


そこで作ったのが伊達メガネにスキル《鑑定》を付与した鑑定眼鏡だ。

これで覗けば名称と相場が分かる。

インベントリから鑑定眼鏡と魔石を出した。


「この眼鏡をかけて魔石を見てくれ。」


おお、予想通り。

とっても似合うじゃないか。

やばい夜のお供をお願いしてしまいそうだ。


「あ! オークの魔石、50銅貨と見えます。」


「そんな感じで鑑定して買い取ってくれ。溜まったら冒険者ギルドで換金すれば良い。資金とアイテムバックを渡しておくぞ。」


「あの、私が持ち逃げするとは思わないのですか?」


「大丈夫だ。君がそんなことをしないとわかっているから。」


「ありがとうございます。信用して頂いてとてもうれしいです。一生懸命頑張ります。」


仮の冒険者ギルドにも美人な受付嬢は必要だよね。

これで俺のやるべきことは終わったかな。

しばらく様子を見たらまた旅に出ようと思う。


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