帰宅
翌日、朝から出発し昼過ぎには町に着いた。
「父さん、ただいま戻りました。」
「お帰り、全員無事で戻ったのだな。ところでエミリー、お婿さんは見つかったのか? その顔はまたダメだったようだが。」
「きぃぃぃ! 久しぶりに会った娘にいきなり結婚の話ですか!」
「まあまあ、エミリーのことは置いておくとして、アオイからたくさん報告があるでしょ?」
「はい、母さん。父さん! メアリー、美咲、そしてマリーとの結婚を許してください。」
「おう、構わんぞ。息子を頼むぞ。」
「え? そんなに簡単に許可していただけるのですか?」
「いや、すぐにでも結婚してほしいくらいだ。なぜかここ数日、アオイへの問い合わせや見合いの話が殺到してな、収拾がつかないのだ。何かあったのだろうか?」
「それは王様のせいですね。俺がダンジョンを攻略したと大々的に発表しましたから。」
「兄さんのせいか! 全くろくなことをしない人だ。こっちの迷惑を全く考えずに突っ走るのは相変わらずだな。」
「アオイ、まだあるでしょ?」
「そのダンジョン攻略の報酬として、男爵の爵位をもらいました。それに王都の隣に領地をもらい、孤児院と農場を作りました。」
「すごいじゃないか。兄より先に出世してしまったな。わははは。」
「あのね、お父様。そのアオイの作った孤児院のオーナーを私が引き継ごうと思うの。」
「そんなことしてたら、また婚期が遅れるじゃないか。」
「私は結婚しないの! 大丈夫よ。結婚できないときはアオイが面倒をみてくれるって約束したんだから。ねぇ、アオイ。あら? 嫌なの?」
「何を言っているのですか、姉さま。姉さま大好きな俺が嫌なわけないじゃないですか!」
「そうよね。うふふ。」
「まあ良いか。アオイ、エミリーを頼んだぞ。」
「わかりました。ソフィアもいいからね。」
「私は結構です。ちゃんとお婿さんを見つけますので。」
相変わらずの塩ソフィアでした。
「姉さま、引っ越しの準備が出来たら声をかけてください。」
「わかったわ。研究所の人たちとお別れしてくるわ。」
晩御飯をみんなで食べていると3男のアレン兄さんが帰ってきた。
「久しぶりだね、アオイ。随分大きくなったね。」
「あ! アレン兄さんじゃないですか。久しぶりですね。学校はいかがですか?」
「学校は今年で卒業だ。学校は面白かったぞ。」
こちらの学校は小中高を吹っ飛ばして、いきなり大学または専門学校に入学する感じだ。
成人(15歳以上)してから通うことになる。
アレン兄さんは20歳。今年で卒業となる。
孤児の子たちにも文字の読み書き、簡単な算数くらいは教えてあげたいな。
そうだ、姉さまに先生になってもらおう。
「姉さま、オーナーの他に子供たちに文字の読み書きと簡単な算数を教えてもらえませんか?」
「構わないわよ。学校の先生の代わりってことね。楽しそうね。また楽しみが増えたわ。」
アレン兄さんに学校の話をいろいろと聞いた。
こちらの世界の学校には魔法の授業や武術の授業があるそうだ。
卒業したらすぐに嫁を貰いたいと言っていた。
残念ながら学校では相手が見つからなかったそうだ。
そして、最後に言っておこう。
全く今まで話題に出てこなかった次男のモーガン兄さんは、今もなお引きこもり真っ最中だ。
ネットも娯楽もないこの世界で何をやって過ごしているのだろうか。
不思議でならない。
翌日、何も予定がないので魔の森とダンジョンで建材を集めることにした。
姉さまの引っ越しの準備ができるまではギルドの依頼をこなし、建材集めで時間をつぶすしかないかな。




