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孤児院始動開始

孤児院の準備が完了した。

いよいよ孤児たちを迎えに行く。

みんな素直に移り住んでくれると良いのだが。


「美咲、今日の炊き出しの時に孤児たちを誘ってみよう。」


「わかりました。では、従業員の皆さんにも伝えておきますね。」


「俺はちょっと伯父さんに報告しておくよ。後で邪魔されたりしたら嫌だからね。」


王城に向かい、そのままプライベートルームに行った。


「おはよう、伯父さん。」


「お前も普通に会いにくるな。一応、俺は王様なんだが忘れてないか?」


「王様の前に俺の伯父さんでしょ?」


「そうだが、まあいか。それで何の用だ?」


「西門の外の孤児院が完成したから報告に来ました。」


「ああ、噂になっておったぞ。随分でかい孤児院を作ったそうだな。まあ、あそこは草原だけの荒地だったから別に構わんが。あの土地はすでにお前の所有物として登録しておいたから好きにすると良い。ただ、広げるときにはちゃんと報告するんだぞ。」


「わかりました。完成したので今日からオープンさせますのでよろしくお願いします。」


「わかった。頑張るのだぞ。」


昼になったのでスラム街に炊き出しに向かった。


「食べながらで良いから聞いてくれ。噂で聞いているかもしれないが、西門の外に孤児院を作ったんだ。君たちに移り住んでほしいのだがどうだろうか?」


「俺たちをここから追い出すのか!」


「違うよ。君たちを救いたいだけだ。安心して眠れる家、おいしい温かい食事など衣食住を保証するよ。俺を信じてくれ。」


「そんなことを言って騙す気だ! 俺たちはずっと大人に騙されてきた。信じられない。」


「じゃあ、騙されたと思って一度来てくれ。出入りは自由だ。ただ、未成年に限るけどな。それにちゃんと働いてもらうぞ。働かないで食事にありつけると思うなよ。それが俺からの条件だ。」


「ただ与えられるだけじゃないのね。それなら少しは信じられるわ。騙して奴隷商に売られたりしないわよね?」


「そんなことしないから安心してくれ。」


その少女が移住に同意してくれると次々と賛同してくれた。

満腹になった少年少女を引き連れて孤児院へ向かった。


「ここが今日から君たちの家になる。まあ、入ってくれ。」


噂では聞いていたそうだ。

でも、一度門を潜ると身分証を持っていない彼らは町に戻れなくなるため見に行けなかったそうだ。


「おっきい! こんなきれいな場所に住んでもいいの?」


「もちろんだ。君たちのために作ったんだからな。来るときに見えたと思うが、外の農場の畑の世話や動物の世話が君たちの仕事だ。明日から働いてもらうからな。まずは風呂からだ。綺麗にしてこい。女の子はマリーと美咲に着いていってくれ。男どもは俺に着いてこい。メアリーも手伝ってね。俺一人じゃこの人数の面倒はみれないよ。」


「仕方ないですね。男どもは行きますよ。着いてきなさい。」


子供たちを風呂に入れ、新しい下着とジャージに着替えさせた。

そのあと部屋割りを決め、晩飯を食べ安心して眠ったようだ。


翌朝、最初に移住を希望してくれた少女が話かけてきた。

少女の名前はリン。


「アオイさん。一度、町に戻りたいのですが。」


「忘れ物か?」


「ここがどんなところかわからなかったので、友達や兄弟を置いて私だけが偵察で来たのです。だから迎えに行きたいのです。」


「わかった。俺と一緒であれば町に入れるだろうから一緒に行こう。」


少女を連れ、町に戻った。

彼女の兄は、スラム街の少年少女を仕切っていたガキ大将的存在らしい。

そして、スラム街に戻った少女は兄に報告し、残っていた孤児全員が移住することが決まったそうだ。

そして、全員を引き連れて西門を出ると、元々あった孤児院の院長に声を掛けられた。


「あなたがアオイ様ですね。私は孤児院で院長をしておりますマリアンと申します。こちらはシスターのケートです。私たちのところでお世話をしている孤児もこちらで引き受けていただけないかとご相談に参りました。正直、ギリギリの生活なので子供たちに十分な食事を与えられていません。よろしくお願いします。」


「別に多少増えても問題ありませんので。それにあなたたちもうちで働いてもらえませんか? 予想以上に孤児が多かったので今の従業員だけで回せるか心配だったのです。院長は子供たちの世話を、シスターは教会を作りますのでそこの管理をお願いします。住み込みでお願いしますね。」


「私たちも雇って頂けるのですか? 大変ありがたい申し出です。よろしくお願いします。」


マリアンとケートは引っ越しの準備に自分たちの孤児院へ戻った。

俺は新たな孤児とともに孤児院へ戻った。

門のところに【アオイ農園】という看板が出来ていた。

メアリーの仕業だな。


農地では、元農民の指導の元、子供たちが種まきをしていた。

新入りたちも仲間に加わって種まきを教わっている。

そんな子供たちを見ながら孤児院の隣に教会を建てた。

教会の奥にはケートさんのプライベートルームも作ってあげた。

もちろん、シャワーもトイレも付いたワンルームだ。

丁度ケートさんが荷物を持って訪れた。


「こんなきれいな部屋に住んでも良いのですか?」


「もちろんですよ。大きな風呂に入りたいときは孤児院2階の女子大浴場を使ってくださいね。食事も孤児院の方で食べてください。」


「ありがとうございます。」


「ところでケートさんは神の存在を信じていますか? 神託を受けたことは?」


「もちろん神を信じております。神託は聖女様だけが受けることができるのでは?」


「では、これから神が降臨します。そして、あなたに回復魔法が使えるようになってもらいます。あなたのここでの仕事は教会の管理もですが、子供たちの心と身体のケアも頼みます。」


「え? 降臨?」


《神託》発動!


「おう、アオイか。どうかしたのか?」


「やっと孤児院が完成し、子供たちを迎えたので報告にきました。それとこちらのシスターケートの紹介とお願いがあります。」


「それはおめでとう。お願いとはなんだ?」


「こちらのケートさんに回復魔法が使えるようにしてほしいのです。ケートさんにはこの教会の管理と子供たちがケガした場合の治療をお願いしたいのです。」


「この子はなかなか信仰心の強い子だ。問題ないぞ。」


放心状態のケートさんの身体が光り出した。


*ステータス

 名前: ケート

 称号: 神に仕える者(回復効果が2倍になる)

 職業: シスター ⇒ 聖女

 性別: 女

 年齢: 18歳

 レベル: 10

 状態: 放心状態


 スキル

  家事、料理、精神集中、祈り、光魔法


シスターから聖女に職業が変化し、光魔法が追加された。

ケートさんが放心状態から復活したころ、院長が新たな孤児を連れ引っ越してきた。

とりあえず、これで全員移住が完了した。

総勢、男60人、女40人の100名という大所帯となった。

この町にはこんなに孤児が居たのかと逆に驚く数だった。



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