孤児院建設
まずは商業ギルドへ向かった。
「こんにちは。土地と家を買いたいのだが。できるだけ大きく部屋数が多く、庭が広い方がいい。貴族区はダメね。」
「残念ながら条件に合う家はありませんね。部屋数が多く大きな家ですと元宿屋がありますが、庭はありません。そもそも庭のある家は貴族区にしかありませんよ。」
「では広い土地が欲しい。」
「王都にそんな広い土地が余っていると思いますか? そもそもかなりの値段になりますよ?」
なるほど、じゃあ王都の外であれば良いのか。
「ありがとうございました。また来ます。」
そして、王城に向かった。
「伯父様、王都の外で良いので土地をいただけませんか?」
「領地が欲しいのか?」
「いえ、孤児たちの居場所を作りたいと思いまして。」
「ほう、何を作るのだ?」
「農場と加工場を作ろうと思います。」
「そうか、町の外で良いのだな。では、西門の先の草原を使うと良い。森からも離れているし、魔物も居ない。まあ居ないと言ってもゼロではないのだがな。たまに現れる程度だ。近くに川もあるし、水の確保もできるだろう。」
「ありがとうございます。では、早速現場を見てきます。」
急いで家に戻り、3人を誘って西門の外の草原を見に行った。
「なかなか良い場所じゃないか。牧場と畑と田んぼを作ろうと思っているんだ。孤児院や加工場も作って、あの子たちが安心して暮らせる場所を作ってあげたい。」
「いいんじゃないですか。」
まずは結界を張って魔物が寄り着かなくした。
ゼロでは無いと言っていたので用心しておいた方が良いだろう。
そう言えば、範囲を聞いてなかったな。
まあ、何もない草原だけが広がる土地だし、開墾しても怒られないだろう。
場所は決まった。
あとは家畜と種だな。
商業ギルドに頼むのも良いが、折角久しくなった商人がいるのだから今後のフォローも一緒にお願いしよう。
ジャックさんの店に向かった。
「これはこれはアオイ様。いらっしゃいませ。」
予想以上に大きな店だった。
王都で1、2を争う大商人だったそうだ。
だからこそ、母さんとも知り合いだったのだろう。
「ジャックさん、お願いがあってきました。家畜と野菜の種は扱ってますか?」
「もちろんございますよ。命の恩人のアオイ様のお願いですから無かった場合には全力で取り寄せますから遠慮なさらないでくださいね。」
「家畜にはどのような動物がいるのですか?」
「すぐにということなら、馬、ヤギ、ヒツジ、ウシですね。魔物ではなく家畜なのでご安心ください。時間を頂ければトリも取り寄せることができますよ。魔物は自然に湧くのですが、家畜は繁殖しなければならないので高いですよ。魔物をテイムする方法もありますが、肉食なのでエサの確保にも困りますし、成長も繁殖もしないので飼うというより確保するという感じになりますね。」
「なるほど。では、ヤギ、ヒツジ、ウシを10頭ずつ確保をお願いします。」
「かしこまりました。あとは種でしたね。何がよろしいでしょうか?」
「まず小麦と葉物野菜、根菜をお願いします。」
「了解しました。野菜の種を見繕ってみます。」
「ちなみに米は入手可能ですか? できなくは無いですが、周辺の町でも育てているところを見たことがございません。ここの気候に合わないのかもしれませんよ。」
「試してみますので取り寄せてください。あと、トリも取り寄せてください。俺は西門の外の草原に牧場と畑を作る予定なんです。加工品も作る予定なので買取をお願いしたいと思っています。頼めるだろうか?」
「了解しました。」
用が済んだので帰ろうとするとジャックさんに引き留められた。
「アオイ様、ちょっとだけお時間を頂けませんか? 妻と娘がお礼を言いたいと申しておりまして。」
「構いませんよ。」
ジャックさんが店の奥に走っていった。
「アオイ様、妻のミレーと娘のミカンです。」
「アオイ様、先日は助けて頂きありがとうございました。あの時助けていただいたおかげでこうして今も幸せに暮らしいます。アオイ様が居なければ今頃殺されていたか、奴隷に落とされていたでしょう。その前にひどい目にあわされていたかもしれません。本当にありがとうございました。」
「いえいえ、たまたま通りかかっただけですから気になさらないでください。」
「お兄ちゃん、助けてくれてありがとう。お嫁さんになってあげてもいいよ!」
なかなかオマセさんだな。
歳を聞いたら8歳でした。
もうちょっと大きくなったらねと濁しておいた。
店にあった野菜の種を持って農場に戻った。
場所は確保したが、どうやって開墾しようかな。
家も作らなきゃならないし、困ったな。
神様にお願いしてみようかな。
スキル《教会》発動。
おお、何も無かった草原に突然教会が現れた。
中に入ると祭壇と神様?らしき銅像があった。
確か神は神託を使えとも言っていたな。
祭壇の前に進み、神託を使ってみる。
スキル《神託》発動。
「アオイか、何か困ったことでもあったのか?」
神託は神からの一方通行のお告げだと思っていたのだが、会話ができるようだ。
「神様、お久しぶりです。はい、困っております。」
「ちょっと待ってくれ、今の状況を確認する。」
「なるほど、孤児を助けたいのだな。真っ直ぐに育ってくれてうれしいぞ。では、開墾に必要なスキル、それに家を作るためのスキルを与えよう。それとその土地には加護を与えよう。魔物、害獣、害虫から守り、豊作を約束しよう。」
『スキル《開墾》《農業》《牧畜》《発酵》《加工》《収穫》《建築》《大工》《建材加工》を取得しました。』
「ありがとうございます。」
「また何かあったら相談するのだぞ。」
教会を出て、早速新たにもらったスキルを確認する。
開墾: 荒地、山野を切り開き、耕して農業のできる土地に作り替える
農業: 作物を育てる知識が得られる。
生活魔法ウォーターと連動し水やりができる。
作物に適した肥料を作製することができる。
牧畜: 家畜に最適な環境を与える。
適したエサを配合できる。
発酵: 発酵を促進し、発酵食品を作ることができる。
加工: 食品加工がうまくなる。
収穫: 収穫がうまくなる。収穫量が増える。
建築: 工場、橋などの設計、建築ができる。
大工: 家に特化した設計、建築ができる。
建材加工: 建築用材料を加工する。
その職業の人に羨ましがられるようなスキルが得られた。
まずは材料を確保しなければ。
テレポートを使い、魔の森へ転移した。
魔の森であれば多少伐採してもバレないだろうと考えた。
でも、バレたら大変なので間引きする感じで伐採した。
木はインベントリに収納し、《建材加工》で材木に加工していく。
まずは孤児院を作りたいので《大工》を発動し設計を考える。
大食堂と大浴場は必要だな。
10人部屋を10室作れば100人は暮らせるか。
もうちょっと増やしておこうかな。
子供とは言え年齢層が幅広い。成人に近い子もいるだろう。
何かあっては困るので男女別がいいよね。
2階建てにして1階は男、2階は女にしよう。
ところで孤児は何人いるのだろうか?
炊き出しに集まっていたのは100人に満たなかったがもっといるのかな?
『ティア、設計のフォローよろしく。』
『マスター、鉄や粘土も大量に必要です。最果てのダンジョンで入手していきましょう。』
『了解。木の方はこのくらいでいいかな?』
『OKです。』
その後、ダンジョンにも行って鉄や粘土を大量に入手した。
「よし、建材もそろったしやるか!」
『ティア、よろしく。孤児院を作ってくれ。』
何も無かった草原にドーンと学校のような大きな孤児院が建った。
神チートスキルは凄すぎる。
材料さえ揃えれば一瞬でこんな大きな建物が建っちゃうんだよ。
おかげで俺の魔力は枯渇寸前だけどね。
今日はこれ以上無理なので家に帰ることにした。




