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『第91話 詳細は言えない!? 神様のいじわるな予言にムズムズする萌』

いつも応援ありがとうございます!


前回、夢の中で転生神から「未来で家族とジントを

救ってほしい」という衝撃の予言を受けた萌。


ですが、一番大事な詳細は言えないまま夢は強制終了!「対策のしようがないじゃん!」とイライラが止まらない萌が、怒りのあまり「んもう!」と叫んで目を覚ますと、そこには「萌が目を覚まさない!」と涙を浮かべて過去最大の大パニックに陥っている過保護な男たちがいて――!?


じれったい萌ちゃんと、生きた心地のしなかった男たちの爆笑の目覚めから、いよいよ新章スタートです!

神様は言い残してぷつりと夢が終わってしまった。


私は手を伸ばしたところで止まってしまい、未来に起こることを何も聞き出せずに終わったしまったことにイライラしてしまった。


あーもう神様肝心なところで切れるってどういうことよ!一体何が起きるって

いるの……

私にしか救えないって言ってたー詳細も聞いてないし対策しょうがない私は心の声で文句をいいながら現実に戻った。


夢から覚めた私はんもう!と叫び声を

あげて目をあけた。


「あうーー!!(詳細を教えてよーー!)」


そんな叫び声を聞いたジント様とお兄様は涙を浮かべていた。


「も、萌ちゃん……!? ああ、神様

本当によかった……! 目を開けてくれた……っ!」


アレクにい様が、いつもの冷静な理知的一面を完全にどこかへ吹き飛ばし、ボロバラと大粒の涙を流しながら私の元へ飛び込んできた。


そして、私の小さな頭を、まるで世界で一番壊れやすいクリスタル細工でも扱うかのように、細かく震える手で優しく優しく撫でてくれた。


「萌……っ! 頼むから、頼むから急に

白目を剥いて全然起きなくなるような真似はしないでくれ! 兄ちゃんは、俺は

もう本当に生きた心地がしなかったんだぞぉ……っ!」


ライダにい様までもが、一国の軍を震撼させる最強の戦士らしからぬ情けない顔になり、ゴツい手の甲でボロボロと溢れる涙を拭っている。


そして何より、私をその逞しい腕の中にしっかりと抱いているジント様にいたっては、まるで国家の崩壊という最悪の

危機から奇跡的に世界が救われたかの

ような、安堵と感激の極致といった表情を浮かべていた。


「萌ちゃん……。君がこのまま二度と目覚めないのではないかと、本気で目の前が真っ暗になった。もし君に何かあれば、私はこの世界すべてを呪って壊してしまっていたかもしれない……。

無事で、本当に無事でよかった……っ」


ジント様の切れ長の美しい瞳からも

きらりと一筋の大きな涙が零れ落ちて

私のぽっちゃりとした赤ん坊の頬に

ぽつりと当たった。


その涙は驚くほど温かくて、彼らがどれほど私を心配してくれていたのかが

痛いほどに伝わってくる。


(みんな、心配かけて本当に本当にごめんね……っ! でもね、私は病気じゃなくて、あのいじわる神様のせいで心がムズムズ・イライラしてるだけなの……!)


いくら謝りたくても、私の未熟な声帯から出るのは「ばぶぶ」という情けない

喃語だけだ。


「あうー、ばぶばぶぅ! (ジント様

お兄ちゃんたち、泣かないでー! 私は

こんなに元気だよー!)」


私はジント様の胸元で、精一杯の元気

アピールをするために、クリームパンのような短い手足をバタバタと大きく動かした。


ジント様は私のその動きを愛おしそうに見つめながら、今度は痛くないように

だけど絶対に離さないという強い意志を込めて、絶妙な力加減で私をきゅっと

抱きしめ直してくれた。


男たちの私への情愛が深すぎて、私が

ちょっと深く眠っただけで毎回世界滅亡レベルの大パニックになるのには本当に困ったものだ。


けれど、こんなにも私の存在を全霊で

大切に想ってくれているのが分かって

私の胸の奥もじんわりと切ないほどの

温かさで満たされていく。


だからこそ、私の頭の中には、さっきの神様の予言が重く、けれど決して揺るがない確固たる『決意』として刻み込まれた。


未来で、私の大切な家族であるヴィンテ・ラジのお兄ちゃんたちと、私の

大好きな婚約者であるジント様を救う。


そのために、まずはこれから向かう商業都市グランマルシェの商会の奥深くに

眠るという『伝説のアイテム』を手に

入れなければならない。


そして、あの悪徳宿の強欲領主から

がっぽりと回収した、大量の最高級砂糖を使って、前世の知識をフル活用した

至高の『マカロン』を完成させるのだ。


それによって、ペットボトルの底にちょびっとしか残っていない私の空っぽの

魔力を一気に全回復させる。


詳細を教えてくれない神様には猛烈にムズムズするし、対策の立てようがない

ことにはイライラするけれど……

やるべき道のりはハッキリと見えた。


(何が何でもマカロンを完成させて

元の姿に戻って、私がみんなを絶対に

守ってみせるんだから……!)


私は赤ん坊のちっちゃな拳をきゅっと

握りしめて、心の中で力強く宣言した。


その時、馬車の速度がみるみるうちに落ちていき、静かに、けれど完全にその動きを停止させた。


「閣下! 長旅大変お疲れ様でした! 門番の検問所に到着いたしました!」


御者席に座る御者さんの、ハキハキと

した元気な声が馬車の中に響き渡る。


アレクにい様がそっと窓の高級なカーテンを横に引くと、そこには、これまでに見たこともないほど巨大で強固な、白い石造りの城壁がどこまでもそびえ立っていた。


世界中のあらゆる富と商人が集まると

称される、大陸最大の商業都市

『グランマルシェ』の正門だ。


門の周囲には、きらびやかな馬車を連ねた大商人の一団や、巨大な魔獣の素材を運ぶ屈強な冒険者たちが長い列を作っており、すさまじい熱気と活気がここまで伝わってくる。


「よし、着いたな。萌ちゃん、涙を拭いてから外へ出よう」


ジント様とお兄ちゃんたちは、お互いに顔を見合わせて急いで涙を拭うと

一瞬にしていつもの凛々しく、誰も寄せ付けないほど冷徹で近寄りがたい

「最強の男たち」の表情へと戻った。


その切り替えの早さは、さすが一国の軍や騎士団を率いるエリートたちである。


ただし、そんな威風堂々とした

グランマルシェ公爵閣下の逞しい腕の中には、マントにくるまれた、ばぶばぶな0歳児の私がしっかりと抱かれているのだけれど。


神様が残していった不穏な未来の謎。


そして、私の身体を元に戻し、みんなを救うためのマカロン作り。


様々な新しい想いと決意を胸に秘め

ながら、私は大好きな家族と共に

大注目と大騒動が待ち受ける大都会へと、いよいよド派手に足を踏み入れるのだった。

(第91話 完)

第91話をお読みいただき、ありがとうございました!


神様から「未来を変えて」と言われたものの、一番大事な詳細は教えてもらえず、心の中(中身OL)でイライラ・文句が止まらない萌ちゃん(笑)。


手を伸ばしたところで夢が途切れてしまった焦燥感に

思わず「んもう!」と全力の叫び声をあげて目を覚ましました。


一方、現実世界では急に深い眠りに落ちて「んもう!」と叫んで起きた萌ちゃんを見て、ジント様やお兄ちゃんたちが涙を浮かべて生きた心地のしない大パニックを

起こしていましたね。


ムズムズしつつも、「みんなを守るためにマカロンを

完成させる!」と小さな拳を握って決意を新たにした萌ちゃん。


次回、ついに馬車を降りてグランマルシェの街へ突入します! 門番たちの前に、最高にクールなはずの最強男たちと、天使の赤ん坊が姿を現した時、一体どんな大騒ぎが起きるのでしょうか!?


読者の皆様へのお願い

「神様のいじわるな予言にイライラする萌ちゃんが

可愛い!」

「男たちが涙を浮かべて心配する姿に強い絆を感じた!」

と思ってくださった方は、ぜひ作品への応援をお願いいたします!


ページ下部にある【広告の下】から、・ブックマーク登録・評価(☆☆☆☆☆を★★★★★に!)をポチッと押していただけると、萌ちゃんが次の街で伝説のアイテムをサクッと見つける大きなエネルギーになります。

どうぞよろしくお願いいたします!

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