↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
83/145

第81話:狂気の悪徳宿、暴走するお菓子の結界

いつも『社畜OLの葛木萌、猫を助けて異世界へ!』をお読みいただきありがとうございます!前話、窮地に駆けつけた婚約者のジント様! しかしゲス店員は人質作戦に出ます。第81話は、お互いが凄まじい魔力をまとって睨み合う中、なんとジント様が開けた窓の穴から、萌の二人のお兄様(アルクにい&ライダにい)までもが頼もしく乱入してきます!ライダにいのちょっとドヤ顔な格好いいセリフにも注目です! しかし店員の狂気によってお菓子宿全体が牙を剥く大暴走モードへ突入してしまい……!?それでは、読者の皆様に読みやすく調整した

第81話をお楽しみください!

「ひっひっひ! 殺せるものなら殺しなさいよ!」


お菓子の宿の大広間に、女性店員の下劣な高笑いが響き渡る。


ジント様という圧倒的な強者を前にしながらも、店員は狂気に満ちた目をギラギラと輝かせていた。


「この呪いは私の命とリンクしているの。私が死ねば、そのガキの精神は一生あの暗闇から戻ってこないわよ!」


自分が死ねば萌の心も完全に壊れる。

店員は、人質を取ったも同然の状況を盾にして、目の前のジント様を激しく恐喝していた。


ジント様と女性店員が鋭く睨み合う。


今か今かと戦闘態勢に入ろうとする両者の間には、一触即発の極限状態が漂っていた。


大広間の空気がビリビリと震え、互いの魔力が空間をパチパチと激しく爆ぜさせる。


女性店員の周りには、禍々しい闇の魔法がじわじわと不気味に漂い始めていた。


その黒紫色の魔力は、お菓子宿の結界からエネルギーを吸い上げて、さらに濃厚な死の気配を纏っていく。


対するジント様は、美しく整った眉を不快そうにひそめ、全身から凄まじい覇気を解き放っていた。


彼の周囲では、見たこともないほど神々しく、そして冷酷な「氷の雷(いかずち)」がバリバリと激しい音を立てて弾けている。


ジント様の底知れない怒りに呼応した氷の雷は、周囲の地面をピキピキと音を立てて白く凍らせていった。


いちごゼリーでできていた甘い床が、ジント様の足元から一瞬で絶対零度の永久氷壁へと変貌していく。


そんな緊迫した空気の中。


またもやジント様が開けた窓の穴から、新しく二人の人影が見えた。


「萌ちゃん大丈夫? なんだろう、この部屋というお菓子……?」


一人目は、萌の長兄のアルクにい

だった。アルクにいは軽々と窓の穴から大広間へと降りてくる。


今ここで起きている異様な状態が不思議でたまらない様子で、首を傾げて周囲を見回した。けれど、大好きな妹の萌が危険な目に遭っていることだけは瞬時に

察し、その瞳に鋭い光を宿す。


その次に、次男のライダにいがお菓子の窓から勢いよく降りてきた。


「萌! 俺が来たからには心配いらねぇからな! すぐ悪いやつをやっつけてやる!」


ライダにいは、この大ピンチの瞬間に最高にかっこよく助けに来られた自分に

少しドヤッとしていた。だが何よりも

恐怖に震える萌を早く安心させようとして、力強い言葉を真っ先にかけたの

だった。


最強の味方がさらに二人も増えた。

形勢は一気にこちらへと傾いたかに見えた。


しかし、悪徳宿の店員は完全に追い詰められたことで、理性を失って凶悪に暴走した。


ジント様たちの意識が兄二人に僅かに向いた一瞬の隙を突き、漂わせていた闇の魔法を一気に背後の巨大な魔道具へと注ぎ込んだのだ。


「何人来ようが関係ないわよ! 四人

まとめてこの宿の肥やしになりなさーーい!!」


店員が狂ったように叫んだ瞬間、魔道具がパキィィンと砕け散る。


それと同時に、お菓子でできていた宿の空間全体が、まるで巨大な生き物のように不気味に蠢(うごめ)き始めた。


ゴゴゴゴゴゴ……ッ!!


お菓子宿が激しく揺れ始める。店員が死なばもろともと発動させたのは、宿の

全結界を限界突破させて暴走させる

文字通りの『自爆魔法』だった。


狂ったように暴走するお菓子の結界。

侵入者たちを排除するため、そして人質である萌を完全に「素材」として取り込むために、一斉に牙を剥いて襲いかかってくる。


赤黒い液体へと化したゼリーの床から、突如として禍々しい触手のようなお菓子の濁流が何本も噴き出した。


それが、ガタガタと震えている萌の足元へと容赦なく伸びていく。


「にゃ、にゃあぁぁんっ!!(萌には触らせないにゃっ!)」


ボロボロになりながらも萌の前に立ち塞がっていたみちゃーれが、最後の力を

振り絞って跳躍した。


お菓子の触手に向かって鋭い爪を振るい、萌へ届く前に引きちぎろうとする。


だが、暴走した結界の威力は凄まじかった。みちゃーれの小さな身体は、触手から放たれた衝撃波によって、再び壁へと激しく叩きつけられてしまった。


「……っ!? 猫ちゃん……ッ!?」


後ろで頭を抱えていた萌の瞳に、再び

みちゃーれが傷つく姿が映る。脳内は

まだトラウマに支配されたままだ。


しかし、目の前で自分のために血を流す小さな相棒の姿が、萌の閉ざされた心の内側を激しく揺さぶる。


「無駄だよ、さあ、大人しくお菓子の

材料になりなさい!」


店員が叫ぶ中、天井から巨大なお菓子のツララが、無防備な萌に向かって真っ逆さまに突き落とされた。


「萌ちゃんっ!!」


「萌っ!!」


ジント様とお兄様たちが鋭く叫び、瞬時に萌の元へと肉薄する。ジント様が自身の背中を盾にするようにして萌の上へと覆い被さり、右手を掲げて強固な氷の障壁を展開した。


ズガガガガガァンッ!!!


凄まじい衝撃音が大広間に轟く。暴走

した宿の全魔力が込められたツララは、ジント様の障壁をミリミリと激しく押し込んでいく。


呪いを盾にされて本気が出せないジント様たちと、未だ前世のトラウマに囚われている萌。宿の崩壊という最悪の

『災厄』が、お菓子宿全体を巻き込んで、容赦なく三人へと迫っていた――。(第81話 完 )

第81話をお読みいただきありがとうございました。

ジント様に続いて、アルクにいとライダにいまで助けに来てくれましたね!


不思議そうにしつつも萌を心配するアルクにいと、

「俺が来たからには心配いらねぇ!」とドヤ顔で萌を

安心させようとするライダにい、本当にかっこよくて最高のお兄ちゃんたちです。


しかし、店員の卑劣な自爆魔法によって、お菓子宿全体が赤黒く蠢く大暴走モードへ突入してしまいました……。みちゃーれが再び壁に叩きつけられ、ジント様が萌の上に覆い被さって盾になるシーンは、本当にはらはらします。呪いのせいで全員が本気を出せないこの絶体絶命のピンチ、一体どうやって切り抜けるのでしょうか!?


【作者からのお願い】「お兄ちゃんたち最高!」「ジント様、萌を守って!」と思ってくださった方は、ぜひ下にある【ブックマーク登録】や、評価の【☆☆☆☆☆】を★★★★★にして、みんなの応援をよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。