↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
75/146

第73話 食テロにご注意を

いつも応援ありがとうございます!前話では大柄な店主さんのホワイトすぎるホスピタリティ(と幼児化チートの可愛さパワー)によって、まさかの山盛りお肉を完食(?)した萌ちゃん。第73話は、そんなお腹いっぱいの状態からスタートします。サブタイトルの通り、ちょっとお腹が空く描写が含まれておりますので、ぜひ皆様も夜食やおやつをお手元にご用意の上、お楽しみください!それでは、第73話どうぞ!

「ふはぁ〜……! ごちそうさまでちゅ。最高にホワイトな市場調査だったでちゅね!」美味しいお肉でお腹は大満足

だが、予想以上の噛むエネルギーを使ったせいで、ぷにぷにの顎が少しだけ心地よい疲労感に包まれている。


(ふふ、脱出して大正解でちゅ。……

はっ! 買い食いが楽しすぎて、本来の最重要タスク(宿探し)を忘れるところだったでちゅ!)


お腹が満たされると、急に心地よい眠気が襲ってくる。元OLとして、残業

(野宿)だけは絶対に避けなければならない。


萌はふぃ〜とアゴをさすりながらベンチから立ち上がると、再びカカトの車輪を構えた。


「さぁみちゃーれ、次はいよいよ萌たちの旅の拠点となる、安心・安全な

『ホワイトな宿屋』を探しに行くでちゅよーーー!」


「にゃ〜ん(ふかふかのベッドがある宿がいいにゃ〜)」


お肉の誘惑を無事に乗り越えた萌ちゃん一行は、満腹になったところで、次なる目的地であるお目当ての宿探しに出かけた。


◇――さて、ここで一つ、読者の皆様に前置きをさせていただきたい。

もしあなたが今、真夜中にこの物語を読んでいるか、あるいは猛烈にお腹を空かせた状態であるならば、ただちに読むのを中断し、何か胃に入れるものを確保することを強く推奨する。


なぜなら、この大都市の市場通りは

お腹を空かせた旅人(と読者)にとって、あまりにも過酷な

『食テロの伏魔殿』だからだ。


「シャーーーッ……って、ちょっと待つでちゅ。あっちから、信じられないくらい香ばしい匂いが漂ってくるでちゅ……!」


宿屋を探して大通りを進んでいた萌の鼻腔を、今度は「磯の香り」が容赦なく突き抜けた。見れば、別の屋台の網の上で、萌の顔ほどもある巨大な貝が

グツグツと泡を立てながら直火で炙られているではないか。


店主が上から特製のタレをたらした

瞬間、――ジュワワワワッ! という最高の音と共に、焦げた醤油に似た香ばしい煙が周囲一帯に爆散する。


(う、嘘でちゅ……! さっきお肉の山を完食したばかりなのに、別腹が

『それ、絶対に美味いやつ!』って警報を鳴らして、よだれが止まらないでちゅ……!)


お隣のパン屋からは、焼きたてホカホカの濃厚バタークロワッサンの甘い香りが容赦なく風に乗って追撃してくる。


胃袋にダイレクトアタックを仕掛けてくる食テロの数々に、危うく二度目の買い食いに全財産を注ぎ込みそうになる。


だが、そんな食のトラップ以上に、今の萌には物理的な大問題が立ちはだかっていた。


「うーん、看板がたかちゅぎて何書いてあるかわかんないなあ……」


そう、萌の現在の身長はまだ110cm程度の幼児サイズ。大人の目線に合わせて

遥か高い位置に設置されている宿屋の

看板は、下から見上げても文字が隠れてしまったり、角度が悪くて全然読めないのだ。


(いくら人類最高峰の『幻のエルフ』でも、物理的な身長の壁には勝てないでちゅ……。前世の満員電車で吊り革に手が届かなかった時並みの敗北感でちゅ……)


小さな頭を悩ませて、うーん、と立ち尽くしていると。


「にゃゃぁぁ! (も、もえ見て! あそこフティラ宿って書いてあるよ! 行って

みようともえ〜)」


萌の頭の上に器用に乗っかっていたみちゃーれが、短い前足をピッと伸ばして

高い場所にある一つの看板を指差した。


高い目線にいるみちゃーれだからこそ、人混みに隠れた看板を見つけることができたのだ。


「みちゃーれありがとう! ワタチ見えなかったでしゅ。道案内頼んでもいい?」


「にゃ〜ん!(任せるにゃ! 萌、あっちにまっすぐ進むにゃ!)」


頭の上の頼もしいナビゲーターに感謝しつつ、萌は再びカカトのローラーシューズを滑らせた。


食テロ屋台街の美味しい誘惑をなんとか振り切りながら、二人はみちゃーれが

見つけてくれた目的地へと向かう。


そして、目的の「フティラ宿」の前に

到着した萌は、どんな宿かなぁと期待感を膨らませていた。


「お金はそんなに持ってきてないから

安い宿だといいなぁ〜……でもベッドはふかふかがいい」


萌は一度立ち止まり、金銭面のやりくりを考えて手元のお金(お財布)を確認しながらも、やっぱり異世界での初夜はふかふかなベッドがいいな、と贅沢な理想を思い描いていた。


これ以上のサービス残業(野宿)を防ぐためにも、ここが優良なホワイト宿であることを願うばかりだ。


萌は小さな手を伸ばし、ゆっくりと年季の入った木のドアをギシッと開けた。


すると、そこに広がっていたのは――。


「ええ……ここ、ほんとにしゅく(宿)でしゅか?」


さすがの中身OLな萌も、この光景には

驚きを隠せなかった。


なぜなら、ドアを開けた先に広がっていたのは、壁から柱まで全てが色鮮やかな「お菓子」で作られたメルヘンチックな店内だったのだ。


カウンターやテーブルの上には、これでもかと盛られたフルーツパフェ、出来立てで湯気が立つふわふわのパンケーキ、宝石のように艶やかなデコレーションケーキなど、ありとあらゆる極上スイーツが所狭しと並んでいる。


(う、嘘でちゅ……! 右を向いても左を向いても、まるでお菓子の部屋(楽園)じゃないでちゅかーっ!?)


お肉の山を完食し、アゴを疲れさせて

「もう食べられない」と思っていたはずの萌の胃袋が、そのあまりにも甘く暴力的な光景を前に、本日二度目の

『別腹起動アラート』を盛大に鳴り響かせる。


お肉の次は、異世界最高峰のあま〜い

デザートの波。まさに、空腹の読者

(と萌の理性)を完全に終わらせにくる、究極の『食テロの罠』が仕掛けられた宿だったのである。

(第73話完)

第73話をお読みいただき、ありがとうございました!異世界の「食テロ大通り」をなんとか突破した萌ちゃんでしたが、みちゃーれが見つけてくれた宿は、まさかの「お菓子でできた部屋」……!お肉の後にこれは、中身がOLじゃなくても別腹が限界突破してしまいますね(笑)。みちゃーれのお手柄(?)によって辿り着いたフティラ宿ですが、果たして萌ちゃんは無事にふかふかのベッドで眠ることができるのでしょうか?「お菓子美味しそう!」「みちゃーれナイスナビ!」など、少しでも楽しんでいただけましたら、ぜひ【ブックマーク登録】や、下部にある【いいね・ポイント評価(評価☆)】で応援していただけると、執筆の凄まじいモチベーションになります!次回、第74話もお楽しみに!

なんと……今日は2話分投稿いたします!

1話目は12時10分

2話目21時10分に投稿致します!

ぜひ見に来てください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。