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第42話『食堂は大騒ぎ、そして新しい一歩へ』

いつも『社畜OLの葛木萌、猫を助けて異世界へ!』をお読みいただきありがとうございます!前回の第41話では、はちみつ精霊ちゃんからライダにぃにへの、まさかの(?)愛の告白で大騒ぎになった食堂。今回はそのドタバタの続きからスタートです!甘酸っぱい青春の空気から一転、あの「徹夜明けのイケメン」がとんでもない爆弾発言を投下します……!萌ちゃんの可愛い(心の中は激しい)ツッコミと合わせて、どうぞお楽しみください!

ライダにぃにが1人で

「プロポーズ以外の何物でもないよな!?」

とあたふたしながら顔を真っ赤にしていると、その指の上にいるはちみつ精霊さんはキョトンとした顔で首を傾げ、不思議そうに言い始めた。


『ぷろぽーず? ……っ! ち、ちがうよ! 私、私はただ、君を守りたいとか、契約してほしいとか、ずっと一緒にいたいな、って……えっ? ……えええっ!? プ、プロポーズ、な、なの……っ!?』 


最初は否定しようとしたはちみつ精霊さんだったが、自分が今口にした言葉

(守りたい、一緒にいたい)を客観的に見つめ直して、大パニックに陥ってしまった。 それって人間たちの間では完全にプロポーズそのものじゃないか、と自分で言っておきながら今更びっくりしてしまったのだ。 


精霊さんはちっちゃな両手で自分の顔を隠すと、今度は自分の方が林檎のように顔を赤らめてもじもじし始めてしまった。


「……っ、あ、相棒だよな! そうだよな! わりぃ、俺の勘違いだ! これからよろしくな、相棒!」


ライダ にぃには大きく深呼吸をして無理やり息を整えると、お互いのために言葉をガタガタに震わせながらも、引きつった笑顔を浮かべて必死に誤魔化した。


 その必死な様子に乗っかるようにして、はちみつ精霊さんも慌てて顔から

手を離し、ははは、と笑いながらこう言った。


『う、うん! そうだよ! 相棒ってことだよ! よろしくね、ライダ!』


 はちみつ精霊さんも笑いながらなんとか誤魔化しきった……つもりだったけれど。 なんだか、そう言い切った瞬間にちっちゃな胸がほんの少しだけ

『ズキッ』と痛んだような気がした。 


でも、精霊さんは「きっと気のせい、気のせい!」と自分に言い聞かせるのだった。 ――そんな甘酸っぱすぎる青春の一幕が繰り広げられたせいで、食堂は

一瞬、なんとも言えない『ちーん……』とした静かな空気に包まれてしまう。 


両親もお兄様たちもジント様も、誰も次の言葉を発せない中、その絶妙な空気感をいち早く察した私は、ずっと気になっていた疑問を口にすることにした。


「も、萌、あのぅ……王子ちゃま……じゃなくて、けーに(ケーキ)……じゃなくて、フルーツを美味しそうに食べてる、その王子ちゃまは誰でしゅか?」


 その私の(精一杯可愛く、かつ空気を変えるための)幼児噛み噛み質問を聞いて、お父様が「そういえばまだ紹介していなかった!」という顔でガタッと立ち上がった。 


お父様は急いでお肉をお口に詰め込むと、もぐもぐさせながら必死に紹介を始める。


「ご、ほん! え、えっと、萌。この方はだな、私たちよりも遥かに上の存在に値する……ジント様であらせられる! ご挨拶お願いします」 


お父様は無理やり咳払いをして、まだ口をもごもごさせながら、緊張した面持ちでジント様へと話をパスした。


 するとジント様は、手ハンカチで優雅に口元を拭うと、椅子の席からすっと立ち上がった。そして、信じられないほど綺麗な動作で私の前に膝をつく。


「自己紹介が遅れてしまったね。僕の名前はジント。――そして、萌の『(仮)の婚約者』だよ。今後ともよろしくね、萌」 


サラリと、とんでもない爆弾発言を口にしたジント様は、私の小さな手の甲にふわりと甘いキスを落とし、極上の王子様スマイルを浮かべた。


(へ……っ!?)


 あまりのイケメン度至近距離アタックに、私の顔はぽっと林檎のように真っ赤に染まる。 だけど、それ以上に脳内に響き渡った「婚約者」という不穏な

ワードの衝撃が強すぎて、私の口は金魚のようにパクパクと動くばかりだった。


「へ、ぇぇぇぇぇ!!? こんにゃくとゃ(婚約者)!? な、なんでちゅかそれ! わたち、まだしゃんしゃい

(3歳)なのにぃぃぃ!」 


なかなか受け入れられなくて、脳の処理が完全に追いつかない。 私の頭の上には、大きなハテナマークが5つくらい綺麗に並んで浮かんでいる気分だ。 

しかし、驚いているのは私だけでは

なかった。 


隣にいたアレクにぃにも、ライダにぃにも、この事実を今初めて知ったらしく、あんぐりと口を開けたまま完全にフリーズしてしまっている。


 にぃにたちの頭の中も、今は真っ白な状態に違いない。 そんな男子たちの

フリーズ状態を綺麗にスルーして、お母様だけは優雅にタワーケーキを口へ放り込み、極上の紅茶を喉へと滑らせていた。そして、パンッと嬉しそうに両手を叩く。


「さぁ! それじゃあ萌のお披露目と、ジント様との婚約発表に向けて、お披露目会の準備を再開しましょう!」


(待って待って、お披露目だけじゃなくて婚約発表までセットになってるのーーー!?) 


はちみつ精霊さんのプロポーズ(?)騒動に始まり、最後はまさかの私の婚約者(仮)の登場。 


そんなドタバタの中、一度は話がどこかへ飛んでしまっていた


『お披露目会の準備』の再開に向けて、我が家はさらなる大騒ぎと共に、勢いよく動き出すのだった。

(第42話 終わり)

第42話をお読みいただき、ありがとうございました!はちみつ精霊ちゃんの切ない胸の「ズキッ」にキュンとしたのも束の間、ジント様のまさかの「(仮)の婚約者」発言……!萌ちゃんだけでなく、にぃにたちまで魂が抜けかけるほどの衝撃展開となってしまいました(笑)。お母様のマイペースっぷりも相変わらず絶好調です!これから一体どんなお披露目会(&婚約発表会)になってしまうのか、我が家のドタバタはまだまだ止まりそうにありません。「続きが気になる!」「萌ちゃんのツッコミが可愛い!」と思ってくださった方は、ぜひ画面下部から【ブックマーク登録】や【評価(ポイント★)】で応援していただけると、執筆の大きな励みになります!次回、第43話もお楽しみに!

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