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第41話『家族みんなとはちみつ精霊さん』

いつもお読みいただき、本当にありがとうございます!前話のラストで、ケーキのご褒美と引き換えに、大人たちの前で姿を現すことを快諾してくれたはちみつ精霊さん。今回はついに、お父様、お母様、ジント様の前にお披露目となります!伝説の精霊を前にした大人たちの、三者三様な(少しズレた)リアクションにご注目ください。そして、あのやんちゃなライダにぃにに、まさかの人生最大のモテ期(?)が到来します……!

はちみつ精霊さんがふわりと魔法の光を放った、次の瞬間。 お母様とお父様、そしてジント様の目の前に、それまで見えなかった小さくて愛らしい姿が

くっきりと浮かび上がった。


「まぁ……! これが精霊なの!? とってもちっちゃくて可愛いわ! お花のドレスや、綺麗なレースのドレス……ふふ、

いろんなドレスが似合いそうだわ〜!」


 はちみつ精霊さんを見た瞬間、お母様は瞬時に目をハートに染め上げていた。 萌ちゃんに続いて新しい

『ちっちゃくて可愛いお着替え対象』が現れたことで、早くも専属デザイナーの血が騒いでいるらしい。

ドレスを仕立てたくてうずうずしながら、脳内妄想で「うふふ……」と怪しい笑い声が漏れてしまっている。


「おお, おおお! これが精霊なのか……! 本当に手のひらに乗るくらいの小ささだな。だが、これは私のような男だと、

よほど手の力加減をしないと潰してしまいそうで怖いぞ……っ」


 お父様は伝説の精霊の出現に大喜びしつつも、そのあまりのはかなさに冷や汗を流していた。本当は可愛くて今すぐ手のひらに乗せてみたいのだが、自分の鍛え上げられた怪力でうっかり潰してしまわないか、本気で恐怖している

ようだ。 


そんな夫婦の横で、ジント様はまだ眠そうな目を細めながら、はちみつ精霊さんをじっと観察していた。


「へぇ、これがはちみつ精霊なんだね。とっても可愛らしいし、何より身体中からすっごくいいはちみつの甘い匂いがするよ。……うーん、これだけ香ばしい匂いを嗅がされると、ますますはちみつが効いた甘いものが食べたくなっちゃうな」 


ジント様は徹夜で疲れた脳が糖分を欲しているせいか、精霊さんの愛らしさよりも、その美味しそうな

『はちみつの香り』にすっかり胃袋を掴まれてしまっているようだった。


 お父様、お母様、ジント様に自分の姿が見えるようになったのを確認して、

さっきからずっとうずうずしていた

ライダにぃにが、満を持してはちみつ精霊さんに問いかけた。


「なぁ、はちみつ精霊ちゃん。俺、君にあの時の恩返しがしたいんだ。……何か、俺にできることはねぇか?」


 真っ直ぐにそう聞いてみられたはちみつ精霊さんは、小さな人差し指を顎に当ててうーん、と少し悩んでいたが、やがてハッと閃いたような顔を輝かせた。


『……あのね、あなたが良ければ……なんだけど。私、あなたについて行きたいの……!』


「えっ?」


『なんか、あなたってやんちゃなのにちょっと危なっかしい所とか、すっごく優しいところが……好きになっちゃったの……っ』 


小さな顔を林檎のように真っ赤に染めて、もじもじと恥ずかしそうに打ち明けるはちみつ精霊さん。なんと、恩返しの代わりに『これからはずっとライダにぃにと一緒にいたい』という、まさかの

相棒(?)指名だった。


「良かったじゃない? ライダ。これからははちみつ精霊と一緒に過ごしていきなさいな。もぐもぐ、ふふ、このケーキ本当に美味しいわ……」


(お母様ーーーっ! ケーキをお口いっぱいに詰め込みながらお返事してるー!? もっと真剣に話を聞いてあげてー!) 


お母様はなんの拒否も驚きもなく、大好きなタワーケーキを淡々と受け入れながら味わっていた。私は思わず心の中で

盛大にズッコケる。


「もぐもぐ、うん、良かったなライダ! 精霊の相棒ができて、しかそんなに懐かれるなんて男冥利に尽きるじゃないか。……美味い、やっぱり肉は最高だな!」


(待ってぇぇぇー! お父様もなんでお肉を幸せそうに頬張りながら話してんのよ! もっとこう、息子の大事に大喜びして飛び跳ねたりしないの!? しかもなんか、お肉の旨味汁が溢れ出るほど目が肉肉しいし……!)


 まさかの両親揃っての「食欲優先」な態度に、私の心の中のツッコミが完全に追いつかない。


「いいんじゃないかな? この国で精霊を連れているなんて、萌様とライダくんだけだしね。ただ、稀少な精霊目当ての泥棒や不届き者には注意しないとダメだよ。……んん、このフルーツも瑞々しくて最高だね。まさに祝福の味だ」


 ジント様は、精霊を連れ歩くリスクについて実にもっともらしく、王族らしい的確な注意点を述べている……と思っていたのだが。彼もまた、まさかの限界徹夜明けの糖分補給として、高級フルーツを優雅に、しかし凄い勢いでパクパクと平らげていたのだった。


(待って、そもそも私、まだこのイケメンの人の名前すらまともに知らないんだけどー!? しかもなんで当たり前みたいに王族が我が家のリビングにいるの!? 王族の癖に偉そうにするどころか、

しっかり甘ーいフルーツを全力で堪能してるじゃん……!) 


もう萌のツッコミが朝から大炸裂する、あまりにも賑やかすぎる食堂の一幕。 


そんな周囲のフリーダムな空気など一切耳に入っていないライダにぃにはというと、顔から火が出そうなくらい真っ赤になって茹だりきっていた。


「す、好きって……えっと、ぷ、プロポーズされてるぅぅぅの、か……!?

しかも俺の傍にいたいって、そんなのもうプロポーズ以外の何物でもないよな……っ!?」 


完全にピュアなハートを撃ち抜かれたライダにぃには、これが妖精さんからの愛のプロポーズなのか何なのか、頭を全力で悩ませながら

「うわぁぁぁ!」

と両手で頭を抱えて激しく悶絶しているのであった。(第41話 終わり)

第41話をお読みいただき、ありがとうございました!はちみつ精霊さん、まさかのライダにぃにへの熱烈なストレート告白でしたね!「やんちゃなのに危なっかしくて優しいところが好き」だなんて、精霊さん、にぃにのことを本当によく見てくれています。当のにぃには「プロポーズ!?」と大パニックになって頭を抱えていて、ピュアすぎて最高に可愛いです(笑)。それにしても、我が子のそんな一大事の横で、ケーキとお肉を「もぐもぐ」しながら淡々と許可を出すお父様とお母様……。ジント様に至っては、いいことを言っているのに口元はフルーツでいっぱいです。これには萌ちゃんの鋭いツッコミが炸裂するのも無理はありませんね(笑)。賑やかでフリーダムな家族の朝の風景に、私自身も書いていてとても癒やされました。次回は第42話!頭を抱えて悶絶するライダにぃにはどうなってしまうのか? そして、まだ謎のイケメン止まりになっているジント様とのちゃんとした(?)対面はどうなるのか、どうぞお楽しみに!「萌ちゃんのツッコミに笑った!」「ライダにぃに頑張れ!」と思ってくださった方は、ぜひブックマーク登録や、下の【☆☆☆☆☆】から評価ポイントでの応援をよろしくお願いいたします!読者の皆様の応援が、毎日の執筆の大きなパワーになっています!

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