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第40話『家族が集まる』

いつもお読みいただき、本当にありがとうございます!前話では、萌ちゃんの知らないところで大人たちが深夜の激闘(&深い愛の叫び)を繰り広げていました。今回はそんな大人3人が、4時間のお昼寝から目を覚ますところから始まります。お腹を空かせた大人たちが食堂のドアを開けると、そこにはケーキを楽しんでいる萌ちゃんたちの姿が……!家族が勢揃いする賑やかな団欒を、どうぞお楽しみください!

 ――それから、あれから4時間ほどが経った頃。 ようやく深い眠りから目覚めたお母様とお父様、そしてジント様は、ゆっくりとベッドから這い出ると、萌の部屋を後にした。


 まだ頭が完全に起きていないのか、

3人とも少しぼーっとした様子で廊下を歩いていく。


「そういえば萌ちゃん、お腹を空かせていたけれど、もしかして食堂にいるのかしら? ……お話ししていたら、なんだか私までお腹がすいてきてしまいましたわ。早くいきましょう」 


お母様は歩きながら、ぺこりとお腹をひっこめる。 昨夜から朝ごはんも食べずにそのまま寝てしまったのだから、大人の彼らもすっかり空腹状態だった。


「ははは、そうかもしれないね! 萌のあの大きなお腹の音を聞けば、空腹なのは間違いないと思うぞ。……いやはや、

食事の話をしていたら、本当に腹が減ってきたな」 


お父様は、昨夜萌のちっちゃなお腹が

「ぐぅぅ~」と盛大に鳴り響いた瞬間を思い出し、くすくすと肩を揺らす。

そして「やれやれ」とお腹をさすって

いた。 そんな2人の横で、王族であるジント様は、まだ眠そうに細い指で目をこすっている。


「さすがに、徹夜の夜泣き対応は身体にキツかったですかねぇ……。でも、萌様の可愛い秘密を知ることができたので、私としては大満足ですよ。……はぁ、

疲れた時には、なんだか無性に甘いものが恋しくなってしまいますよね」


 ジント様は徹夜で脳をフル回転させたせいで、糖分を激しく欲していた。

 甘くて美味しい、最高のご褒美スイーツでもあれば最高なのだが――。 


大人3人がそんな会話をしながら廊下の角を曲がった、その瞬間だった。 

甘い香りに誘われるようにして食堂の大きな扉を開けると、そこにはアレクにぃにとライダにぃに、そして萌が、とっても美味しそうにケーキを食べている

真っ最中だった。


「萌ちゃん! お腹が空いていたのに、お傍についていてあげられなくてごめんなさいね。……それにしても、なんて凄いタワーのケーキかしら!」


 お母様は真っ先に萌のもとへ駆け寄って心配したあと、テーブルの上にそびえ立つ大迫力のタワーケーキに、すっかり目を奪われてしまっていた。


「すっごいねぇ、この部屋全体に甘々〜な匂いが漂っているよ。……うーん、

お父様はどちらかというとお肉が欲しいなぁ。お肉はあるかい?」 


部屋をいっぱいに満たす甘い香りを嗅いだお父様は、どうやら甘党よりも完全なる肉派のようだった。ケーキを前にして、すでに目が肉肉にくにくしく

輝いている。


「あれ? お父様、お母様……なんだか消えかけている『くま』がありますけど、昨夜は一体何かあったのですか?」


 萌がかけてくれた優しい睡眠魔法のおかげで、4時間前よりはかなり薄くなっている大人たちのくま。 


アレクにぃには不思議そうに首を傾げて、昨日の会議がそれほど過酷で長引いたのだろうか、と大真面目に思っているようだった。


すると、お父様はははっと豪快に笑いながら、思いっきりドヤ顔を浮かべた。


「アレク、これは『男の勲章』ってやつさ! 私が夜を徹して、頑張った証拠ってことさ!」

(※本当は、萌の子守りと、暴れたあとの片付けに一晩中追われていただけなんだけどね!)

 お父様は楽しそうに笑いながら、

詳しい理由は絶対に話さなかったけれど、自分がとにかく頑張ったことだけは力強く言い切るのだった。


「お父様、お母様、ジント様おはよう! 見てくれよ、ここに精霊がいるんだぜ! しかも、子供の頃に俺を助けてくれた

精霊で、はちみつ精霊っていうん

だって!」 


ライダにぃには、大人たちに早くこの嬉しい事実を聞いて欲しくて、ずっとうずうずしていたらしい。 


大好きな家族に向かって話をするにぃには、いつもよりずっと楽しそうで、少年のようなワクワクした顔を輝かせていた。


「へぇ、ライダくんの目の前にはちみつの精霊がいるんだね? 私には何も見えないけれど、確かにそのあたりから、微かに温かい魔力が漂っているのは分かるよ」 


ジント様は、ライダにぃにが興奮気味に指さす虚空を見つめ、興味深そうに目を細めた。 普通の人間であるジント様には精霊の姿そのものは見えなかったが、優れた魔法の才で、微かな魔力をしっかりと感知しているようだった。


「そうにゃの! ここにはちみつ精霊さんがいるの! 待ってて、みんなにも見えるように頼んでみるにゃ!」


 お父様やお母様、そしてジント様にもこの可愛い妖精さんを見てほしいと思った私は、指の上の、はちみつ精霊さんに向かって優しくお願いをしてみた。


『いいよー! お願い、引き受ける! その代わり、ご褒美はケーキがいいな!

すっごく甘ーいのがいい!』 


はちみつ精霊さんは、嫌がったり否定したりすることもなく、実にあっさりと引き受けてくれた。 どうやら、料理長が作ったケーキの美味しさに完全にとろけてしまったらしく、お姿を見せる代わりの報酬として、とっても甘~いケーキをご所望のようだった。


「ふふ、食いしん坊さんだにゃぁ」 

快諾してくれた精霊さんが、大人たちの前でその姿を現そうと、ゆっくりと光を放ち始め――。


(第40話 終わり)


※次回、お母様、お父様、ジント様が精霊を見た反応や、ライダにぃにの

「自分に何かできないか」という熱い

想いを詳しくお話しします!

どうぞお楽しみに!

第40話をお読みいただき、ありがとうございました!お父様の「男の勲章」のドヤ顔、最高でしたね(笑)。本当は昨夜、萌ちゃんの子守りと暴れた蔦の片付けで大忙しだったという裏事情とのギャップに、書いていて思わずクスッとしてしまいました。ジント様も相変わらず萌ちゃんへの甘い想いを胸に秘めていて尊いです。そしてラストでは、ライダにぃにの熱い報告を受けて、萌ちゃんがはちみつ精霊さんにお願いをしてくれました!ケーキをご所望する食いしん坊な精霊さん、とっても可愛いですね。次回は第41話!ついに姿を現すはちみつ精霊さんを見た大人たちの反応や、ライダにぃにの「恩人のために何かしたい」という熱い想いが描かれます。どうぞお楽しみに!もし「お父様のドヤ顔が面白かった!」「はちみつ精霊さん可愛い!」と思ってくださったら、ぜひブックマーク登録や、下の【☆☆☆☆☆】からポイント評価をして応援していただけると、執筆の大きな励みになります!よろしくお願いします!

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