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第38話:巨大ケーキをみんなで食べる

いつも応援ありがとうございます!第38話をお届けします。ついに料理長特製の巨大ケーキが目の前に!料理長の鮮やかな魔法で切り分けられたケーキを、みんなで美味しくいただきます。萌ちゃんとはちみつの妖精さんのもぐもぐタイムをお楽しみください!

お城のようにそびえ立つ特大のフルーツケーキを前に、私たちとお兄様たち、

あるいははちみつの妖精さんは、今にもあふれ出そうなヨダレを必死に過剰に

我慢していた。


全員が目をキラキラさせて見つめる中、料理長が誇らしげに腕をまくる。


「これから切り分けますぞ! さすがに

これだけのサイズをナイフで切るのは手間でございますので、私の魔法でやらせていただきます。――『切り分けろ

(セパレート)』!」


料理長がパチンと指を鳴らして魔法を唱えた、その瞬間。視界が一瞬だけキラリと光ったかと思うと、あの大迫力だったタワーケーキが、一瞬にして人数分の美しいお皿へと綺麗に切り分けられたのだ。職人技ならぬ、まさに魔法技で

ある。


そして、私の目の前に置かれたお皿には、あの黄色くキラキラと輝くお星様のチョコレートがちょこんと乗った、一番豪華な特等席のケーキがセットされていた。


「わぁ……! いちごにメロンにマンゴーに、ぶどうにリンゴに、みんかん

(みかん)! かぞえきれにゃいほどの

フルーツに、生クリームたっぷり!

お花の形をちたデコレーション、もう

我慢出来にゃあ……はむっ!」


あまりの美しさと甘い香りに、私の我慢は一瞬で限界突破を迎えた。小さなスプーンでケーキを大きくすくい取ると、

お口を大きく開けて思いっきり頬張る。

お口に入れた、その瞬間――!


(――う、うまぁぁぁあいいい……っ!!!)


瑞々しい季節ごとのフルーツの果汁が、口いっぱいにじゅわぁぁっと広がって

いく。


しかも、その濃厚なフルーツたちの味を絶対に邪魔しない、驚くほどあっさりとした生クリームが、果物の甘みをこれでもかと引き立てているのだ。濃厚なのに重たくない絶妙なバランスが、さらに食欲をそそる。


(何これ、前世で並んで食べたどこの高級ホテルのスイーツよりも美味しい……! 料理長さん、やっぱり国宝級の天才だよ……!)


あまりの美味しさに脳内で限界OLが大絶賛していると、私の指の上にいたはちみつの妖精さんも、ケーキの甘い香りに誘われてピコピコと嬉しそうに羽を揺らし始めたのだった。


「はい、ようせいしゃんも、あーん!」


『わぁ……! いただき、ます……!』

妖精さんはちっちゃなお口を開けて、

ぱくりとケーキを一口食べた。


すると、その瞬間に彼女の目がまぁるく見開かれたのだ。


『んんん!! お、おいしい!!!! まだ私が知らない美味しいものが、この世界に隠れていたなんて……! ねぇ萌、もっとちょーだい!』


さっきまでの人見知りは一体どこへ行ってしまったのかと思うくらい、妖精さんはケーキにしか目が行っていない。


もっと食べたくて食べたくて仕方がないようで、私のほっぺにちっちゃな身体を「すりすり~」と全力で寄せておねだりしてきた。


(ふふ、はちみつの妖精さん、すっかり料理長のケーキの虜になっちゃったね。かわいいなぁ)


そんな微笑ましい光景を見ながら、お兄様外見も自分たちのケーキを口へと運んでいた。


「ん! 美味しいね! 僕、ケーキって甘すぎて少し苦手だったけれど、これは全然甘すぎない。主役であるフルーツの味がすごく濃くて香るから、これなら僕でもたくさん食べられそうだよ!」


兄のアレクにぃには普段そこまで甘党ではないのだけれど、このケーキの絶妙なバランスにすっかり感動したらしい。

目を輝かせながら、いつもより大きな口でパクパクと食べ進めている。


一方、弟のライダにぃにのほうはというと、自分が食べるよりもはちみつの妖精さんに食べさせてあげる方がいいみたいだった。自分のケーキから一番美味しそうなフルーツをフォークですくい、優しく妖精さんの前に差し出している。


「こんなに美味しいケーキを食べられるのも、元はと言えば君のおかげだな。

あの時は、本当に助けてくれてありがとう! 君に命を救ってもらったんだ。

……なぁ、君のために、今の俺がやれることは何か、ないかい?」


普段のやんちゃな姿からは想像もつかないくらい、ライダにぃには真剣な眼差しで、恩人である妖精さんに真っ直ぐな言葉を伝えていた。


(ライダにぃに、本当に人が変わったみたい……。でも、それだけ妖精さんに感謝してたんだね)


突然の真っ直ぐな言葉に、妖精さんは

食べる手を少し止めて、顔をぽっと赤くしながらライダにぃにの指先を見つめ返した。


照れくさそうにドレスの裾をもじもじと指先でいじりながら、小さな羽をパタパタと忙しなく羽ばたかせている。


そんな健気で愛らしい妖精さんの

リアクションに、ライダにぃには

ふにゃりと優しく表情を緩めるの

だった。(第38話 終わり)

第38話をお読みいただきありがとうございました!フルーツたっぷりで甘すぎない生クリームケーキ、書いていて本当にヨダレが出そうでした(笑)。美味しすぎて人見知りをどこかへ置き去りにして、萌ちゃんのほっぺにすりすりおねだりする妖精さん、可愛すぎますね!もし「萌ちゃんともぐもぐしたい!」「妖精さんのすりすりにきゅんとした!」と思ってくださったら、ぜひ【ブックマーク登録】や下の【☆☆☆☆☆】から評価をポチッと応援していただけると、執筆の大きな励みになります!次回もどうぞお楽しみに!

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