表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
39/74

第37話:はちみつの妖精とお食事

お待たせいたしました、第37話です!今回は萌ちゃんのお願いで、はちみつの妖精さんがお兄様たちの前についに顕現します。そして後半は、さらにボリュームアップしたお城の「飯テロ」をお楽しみください!

虚空に向かって、ちっちゃな身体で

ぎこちないカーテシーを披露した私。

それを見たアレクにぃにとライダにぃには、お口をポカーンと開けたまま完全にフリーズしてしまっていた。


沈黙が流れる食堂の中、先に口を開いたのはアレクにぃにだった。


「萌ちゃん……? そこに誰かいるの?

僕には何も見えないけれど……まさか、幽霊じゃあないよね……?」


アレクにぃには不思議そうに眉を下げていたけれど、その声は少しだけ震えて

いる。普段はすごくしっかりしているにぃにだけど、実はちょっと怖がりなところもあるんだなぁ、と私は心の中で

クスッと笑ってしまった。


すると、隣にいたライダにぃにがハッと我に返ったように動き出した。


「萌! 夢から現実に戻ってこーい!!」ガシッと私の小さな肩を掴むと、まるで「起きろー!」と言わんばかりに前後に揺さぶってくる。


ちょっとちょっとライダにぃに、揺さぶられすぎて目が回りそうなんだけど!

けれど、突如としてその手の動きがピタッと止まった。ライダにぃには何かを閃いたような顔をして、顎に手を当てる。


「んっ? でも待てよ……。萌、もしかして幽霊じゃなくて、精霊とか妖精の類が見えてんじゃあねぇのか?」


揺さぶるのをやめてライダにぃにが考えて口にした言葉は、なんと大正解

だった。いつも思うけれど、ライダにぃにって普段はやんちゃなのに、こういう時の勘がものすごく鋭いよね。


「そうでちゅ! ここにはちみつの精霊しゃんがいるの!」


私は自分の人差し指を二人の目の前にそっと差し出した。もちろん、お兄ちゃんたちの目にはまだ何も映っていない。


「ねぇ、精霊しゃん。お兄ちゃまたちにも、見えるようにちてもらえない?」


私が指の上の光の玉にそう優しくお願いすると、はちみつの妖精さんは少しモジモジしながらも、私のお願いを聞いて

あげようと思ってくれたらしい。

頭の中に、小さな声が響く。


『い、いいよ……。でも、本当は精霊ってあまり人前に出てはいけないの……。だから今回は特別に、萌のお兄様達に見せて……あげるね』


妖精さんがそう呟いた瞬間、私にとまっていた小さな光の玉が、ぽわん、と優しいゴールドの光を放って弾けた。


光の粒子がお兄様たちの目の前でキラキラと弾けた途端――。二人の目にも、

はっきりとその妖精の姿が見えるようになったのだ。そこにいたのは、はちみつのような綺麗な金色の髪をして、お花のドレスを着た、手のひらサイズの小さな女の子だった。


アレクにぃには何度も目をパチパチとさせながら、目の前にいるはちみつの精霊を見つめ返し、驚きを隠せない様子

だった。


「……これが精霊なんだね。すっごく

新鮮で、なんて美しいんだ……!

萌ちゃん、他にもまだ隠れているのかな? 僕、もっといろんな種類の精霊を見てみたいよ!」


知的好奇心を刺激されたアレクにぃには、少年みたいに目をキラキラと輝かせている。一方、ライダにぃにのほうは

というと――。


最初はちょっと不思議そうな目をしていたけれど、アレクにぃにほど驚いてはいなかった。じっと妖精さんを見つめていたライダにぃには、いつもより少し落ち着いた、優しい声で語りかけたのだ。


「はちみつの妖精さん……俺たち、前にどこかで会ってないか? 小さい頃、俺が一人ではちみつを採りに行ってさ。

凶暴な蜂に刺されて倒れかけた時……

君が、俺を治してくれたんだろう?」


「――ぇ?」


私は思わず声を漏らしてライダにぃにを見上げた。いつもは元気いっぱいのライダにぃにが、静かに昔のことを話している。まるで人が変わったような言葉

だった。


そんなライダにぃにの言葉に、私の指の上のはちみつの妖精さんは、さらにモジモジと顔を赤くして、コクンと小さく頷いたのだった。


そんな衝撃的な過去の事実を聴きながら、しんみりとした空気が流れていた、その時だった。廊下の向こうから、

パタパタパタパタ! と勢いよく走って

くる激しい足音が聞こえてきた。


次の瞬間、食堂のドアが――バァン!! と大きな音を立てて勢いよく開け放た

れた。


「萌お嬢様ぁぁ! 私の渾身の出来である、巨大タワーケーキを持ってまいりましたぁぁ!! ……? あれ、もしかして私、来るタイミング違いました?」


息をゼイゼイと切らしながら、両手で

ドデカい皿を掲げて立っていたのは、

先ほどの料理長だった。感動の再会

ムードを完璧にぶち壊してくれた料理長は、室内の妙に静まり返った空気を察して、持ち上げたケーキの裏で冷や汗を流している。


私たちは思わず苦笑いを浮かべてしまったけれど、次の瞬間には、料理長が持ってきたあまりにも美味しそうな巨大ケーキに、全員の視線が釘付けになって

しまった。


「わぁ! パンケーキのタワーもちゅごかったけど、パンケーキよりすっごくちゃかい(高い)!!!」


私は思わず声を張り上げて、お皿の上を見上げた。そこには、純白の生クリームがこれでもかとデコレーションされ、

熟成された甘い甘いイチゴや、色とりどりの季節のフルーツが山盛りになった、

お城のようにそびえ立つ特大ケーキが

鎮座していたのだ。


しかも、一番てっぺんには黄色いチョコで作られた大きなお星様が飾られていて、料理長がかけた演出の魔法に

よって、まるで本物の星みたいにキラキラと眩しく輝いている。


甘くてフルーティーな最高の香りが一瞬で食堂を満たしていく。お兄様二人も、私も、そして指の上の法事はちみつ

の妖精さんも。


「「「「ゴクリ……」」」」


全員で同時に喉を激しく鳴らし、今にも口からあふれ出そうになるヨダレを、

ジュルッと必死に我慢するのだった。

りがとうございました!熟成された甘いイチゴに山盛りのフルーツ、そしてキラキラ輝くお星様のチョコレート……料理長の本気が詰まった特大ケーキ、みんなと一緒に「ゴクリ」と喉が鳴ってしまいますね。妖精さんも一緒にヨダレを我慢している姿が愛らしすぎます。今後も萌ちゃんとはちみつの妖精さんの可愛いやり取りを応援してくださる方は、ぜひブックマークや評価での応援をよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ