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第4話兄弟達に会う

第3話へのたくさんの応援、ありがとうございます!幼児化してしまい、涙が止まらなくなってしまった萌。大ピンチの彼女の前に、なんと凶暴な「虎」が現れてしまって……!?そこに駆けつけてくれたのは、とっても綺麗な美形兄弟!しかも、兄上アレクくんの口から、萌の身体にとんでもない「秘密」が発覚します。元OLらしい(?)心の声にも注目しつつ、ドキドキの第4話をお楽しみください!

うぅぅ、ひっっく……ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛うぅ……っ」


どうしてなかなか涙が止まらないの……。


心は20代の大人なのに、幼児化した

身体のせいで涙腺のコントロールが

全くきかない。

おまけに転んだ膝がズキズキ痛む。


そんな私の泣き声に引き寄せられるように、林の草むらからガサガサと巨大な影が現れた。


……うそ、大きな虎!?


「ガルルルルっ、ガルッ!」


虎は私に気づくと、低く唸りながら鋭い牙を剥いてこっちへ向かってくる。


「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ぅ、うわや、やだー! こにゃいでー!!」


本物の魔獣とらがこんなに大きいものだなんて聞いてない!

前世のテレビ画面や動物園で見るの

とは、放たれる殺気のレベルが違い

すぎる。


恐怖で全身がすくみ上がったその時――。近くの茂みから、凄まじい風を切る音と共に二人の影が飛び出してきた。

「兄上! 子供がいましたよ!!

……キッ、不浄の虎よ、我が剣の前に

退け!!」


若い男の子が鋭く剣を抜いて叫ぶと、

その圧倒的な気迫に圧されたのか、

虎は尻尾を巻いてそそくさと森の奥へ

逃げて行った。


「ふぅ……間一駆けだったね。君、

助けを呼んでいたんだね!

もう大丈夫だよ」


危機一髪のところで私を救ってくれたのは、息を呑むほど綺麗な顔立ちをした美形兄弟だった。


「兄上」と呼ばれた男性は、夜空のような黒髪に深い青の瞳。騎士のような凛とした佇まいだ。


「弟」らしき青年は、明るい青髪を揺らす無邪気な雰囲気で、お兄さんと同じ綺麗な瞳をしている。


二人の整った顔立ちを見上げて、私の

元OLとしてのイケメンセンサーが激しく反応する。


(異世界、顔面偏差値が高すぎじゃないでちゅか……!?)すると、


黒髪の兄上が私をじっと見つめ、驚愕に目を見開いた。


「君、大丈夫かい? ……って、!? 弟よ、この子まさかエルフかい!?」


「えっ!? どうしたんだよ兄上……って、エルフ!? これは滅多にお目にかかれない、伝説の種族ですね、兄上!」


「あぁ。エルフは結界に守られた聖域に住み、滅多に人里に降りてこないはずだ。こんな幼い子がなぜ……」


兄弟は驚いたように私の耳や綺麗な髪を見て話し合っているけれど、今の私にそんな考察をする余裕はない。


「ひぅうう、ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛うう……こにゃい(怖かった)……っ」


「!? す、すまない! よしよし、もう怖くないからな。俺たちが守るから」


「この子、足に怪我をしてるよ。僕が治してあげよう」お兄さん(アレク)が


そっと私の膝に手をかざすと、手のひらから温かい緑色の光が溢れ出た。


すると、一瞬で痛みが綺麗に消え去っていく。

(これ、本物の回復魔法だ……!

すごい!)


「あ、ひゃりがとう……。わたち、もぇえって言いまちゅ」


「萌ちゃんって言うんだね。

僕は兄の『アレク』。よろしくね」


「俺は弟の『ライダ』だ! 萌ちゃん、

よろしく!」


アレクさんは優しく微笑み、ライダくんは人懐っこく笑いかけてくれる。


「萌ちゃん、僕たちと一緒にここを

出よう。ここはとっても危険で、凶暴な魔獣が多いところなんだ」


「そうそう、ここは『S級』の資格を持った超一流の冒険者しか入れない

【 危険地帯】んだよ! だから滅多に人は近寄れないんだ」


(えええっ!? 神様の誠くん、なんて恐ろしい場所に私を送り込んでくれ

たの!?)


前世のブラック企業並みの過酷な初期スポーン地点に、心の中で誠くんに盛大にツッコミを入れる。

あの人たちが来てくれなかったら、今頃虎のおやつになっていたかもしれない。


「いしゅ(一緒)、あれくゆ(アレクくん)と、らいだ(ライダくん)といしゅ(一緒)にいくぅ……っ」


私は幼児の舌足らずな口調で、噛みまくりながらも


「ここに置いていかないで」と必死にアピールした。小さな手をぎゅっと握って見つめると、兄弟は「うっ……!」


と胸を熱くしたように顔を赤くした。

「もちろんだ、一緒に行こう!」


「こんな可愛い子を置いていけるわけないよ。……お母さん達、連れて帰ったらどんな反応するかなー」


(つづく)

第4話を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!間一髪のところで萌を助けてくれたのは、アレクくんとライダくんの美形兄弟でした!しかも萌の正体は、この世界でも滅多に出会えない幻の「エルフ」だったなんて……! さらに、今いる場所がまさかの「S級危険地帯」という事実も発覚し、誠くんの規格外な送り先選定にツッコミが追いつきません(笑)。危険なエリアを脱出して、いよいよ二人の「お家」へ向かうことになった萌。「エルフ萌ちゃんを応援したい!」「兄弟のママの反応が気になる!」という方は、ぜひブックマーク登録や評価の星(★★★★★)をポチッと押していただけると嬉しいです!次回、第5話でお会いしましょう!

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