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第28話:深夜の緊密会議

いつも応援ありがとうございます!前回、バブ萌ちゃんの『痛いの飛んでけ』という聖なる癒やし魔法によって、身も心も救われた伝説の鬼の少年。ジント様の腕の中でスヤスヤと眠りについた萌ちゃんを寝かせ、お屋敷では深夜の緊急作戦会議が始まろうとしていました。家族一同、そして拘束された鬼の少年が席につく中、主導権を握るジント様から、誰もが予想していなかった「超ド級の爆弾発言」が飛び出します……!ヴィンテ・ラジ公爵家を揺るがす衝撃の瞬間を、どうぞお楽しみください!

 ジント様は萌ちゃんを静かに寝床へと寝かせ、部屋の扉をパタンと閉め

ました。


 その後、公爵家の家族、ジント様、

そして捕らえられた鬼の少年は、別室へと移動して緊急の会議を始めようとしていました。


「では始めようか。今回の件と、この鬼の対処について話を進めていこうかな」


 ジント様がにこやかに席に着きます。なんだか、この公爵家において完全に

主導権をジント様が握っている気がしますが、きっと気のせいではない

でしょう。 


お父様は気を引き締めつつも、これからの話し合いにどこかハラハラした様子を隠せないでいました。


「……ジント様。まずは、萌ちゃんの

ことを改めて確認いたしましょう」


 お父様は悩んだ末、まずは萌ちゃんが先ほど見せた異次元の能力について話し合った方が、鬼の対処を決めるのも早いと考えたからでした。


 すると、お兄様のアレク様が、ものすごい勢いで首を上下に激しく振って頷きました。


「僕もそう思います! 萌のこの先のことが気になって、もう仕方がありません!」


 アレクお兄様は興奮で息を

「ふんす!」と荒くしながら、体をグイッと前に乗り出して興味津々な様子

です。 


一方、もう一人のお兄様であるライダ様は、腕組みをしながら

「さっさと始まらないかなぁ」というように口をへの字に曲げて待って

いました。

「早く始めようぜ。朝になっちまう前にさ。俺たちも早く寝たいんだからな」 


お母様は目元にまだ涙の跡を残しながらも、愛娘の今後のことを考えなければいけないという思いで頭がいっぱいなようです。


「そろそろ始めませんこと? 萌ちゃんが途中で起きてしまうかもしれないわ。早く始めましょう」 


お母様は凛とした態度で、淡々と事を進めようと促しました。 さて、渦中の鬼の少年はというと、二度と暴れられないように強力な拘束魔法で全身をぐるぐる巻きにされ、床に転がされていました。


「おい、そろそろ始めようぜ……。

つーか、いい加減この拘束魔法を解いて欲しいんだけどさ。もう逃げたりしねえからよ」


 伝説の鬼としての威厳はどこへやら、鬼の少年は身動きが取れない状態で、

少し気まずそうに声をあげるのでした。


「では、僕から話を切り出しようか」 そんな鬼の声を軽く流しながら、ジント様は全員を見回すと、真剣な、それでいてどこか楽しげな表情でこう言い

ました。


「萌ちゃんはエルフであり、強力な回復魔法、そして精霊王をも従える規格外の力を持っている。……正直に言って、

これほどの存在をヴィンテ・ラジ公爵家だけで守り抜くのは、もう手が回らなくなると思うんだ。教会の奴らや他国が、血眼になって萌ちゃんを奪いに来るだろうからね」


 お父様たちは、ジント様の不敵な指摘に、重苦しい表情で深く頷きました。

まさにそれをどう対策するかが、今夜の会議の本当の論点だったからです。


 しかし、ジント様は不敵にニヤリと微笑むと、見事なまでに予想外な爆弾発言を投下したのです。


「そこで1つ提案なんだけど――萌ちゃんを、僕の婚約者にするというのはどうかな?」


「「「「……は?」」」」


 あまりの衝撃的な言葉に、ヴィンテ・ラジ公爵家の一同は、一斉に目を見開いてジント様に注目してしまいました。

部屋の中の時間が完全に停止します。


床でぐるぐる巻きにされていた鬼の少年すら、「こいつ、今なんて言った……?」

と呆然と口を開けています。


「な、ななな……何をおっしゃるのですかジント様ぁぁぁーーーっ!!!???」 


最初に静寂を破ったのは、アレクお兄様でした。椅子をガタァンッ! と凄まじい音を立てて跳ね飛ばし、顔を真っ赤にして叫びます。


「萌はまだ赤ちゃんですよ!? 婚約なんて早すぎます! というか、僕たちの可愛い萌をジント様にあげるわけにはいきません!!」


「そうだぜ! いくらジント様しても、それとこれとは話が別だ! 萌を国同士の政治の道具にするなんて絶対に許さねえ!」 


ライダお兄様も、眠気なんて一瞬で吹き飛んだ様子で、拳を握りしめてジント様を睨みつけます。 


お父様に至っては、愛娘を奪われる未来を想像しただけで頭のキャパシティを超えてしまい、幽体離脱でもしそうなほど真っ白な顔でガタガタと震えています。


お母様が「あなた! しっかりなさい!」と慌ててその背中を叩いている有様です。 凄まじい大ブーイングと殺気の中、ジント様だけは涼しい顔で、くすくすと肩を揺らしていました。


「おや、誤解しないでほしいな。政治の道具にするつもりなんて毛頭ないよ。

僕の婚約者という『最強の盾』があれば、教会も皇帝陛下も、誰も萌ちゃんに手を出せなくなる。それに……」


 ジント様は、萌ちゃんが眠る部屋の扉を愛おしそうに見つめながら、本音を漏らします。


「ただ単に、僕が萌ちゃんを誰にも渡したくないだけさ。……さあ、お父様。

萌ちゃんを僕にくださいな?」


 深夜の会議室は、鬼の対処そっちのけで、最強の少年ジント様 vs 溺愛過保護な公爵家による『萌ちゃん攻防戦』の

ゴングが激しく鳴り響くのだった――。(第28話・完 / 第29話へつづく)

第28話をお読みいただき、ありがとうございました!鬼の対処や萌ちゃんの今後の対策を話し合う大真面目な会議のはずが……ジント様のまさかのプロポーズ宣言によって、一瞬で『萌ちゃん争奪戦』に早変わりしてしまいました(笑)!愛娘を奪われる未来を突きつけられ、ショックのあまり幽体離脱しかけて真っ白になっているお父様と、慌てて背中を叩くお母様のやり取りが目に浮かぶようです。アレクお兄様もライダお兄様も、萌ちゃんのことになると眠気なんて一瞬で吹き飛んで全力でジント様に噛みつく姿が最高に過保護で愛おしいですね。そして床で芋虫のようにぐるぐる巻きにされたまま、このカオスな会話を聞かされている鬼の少年の明日はどっちだ……!?次回、第29話!ジント様の「僕にくださいな?」に対し、ついに正気に戻った過保護パパ(お父様)たちの猛反撃が始まります!果たして、この萌ちゃん攻防戦の行方は!?「ジント様の直球プロポーズに痺れた!」「お父様の白目っぷりに笑った!」という方は、ぜひ画面下の【☆☆☆☆☆】からポイント評価やブックマーク登録で応援していただけると、執筆の大きな励みになります!次回もお楽しみに!

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