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第17話「敵からの視点」「萌の視点」

いつも応援ありがとうございます!第17話をお届けします。今回は、公爵邸の庭園で賑やかに遊ぶ萌ちゃんたちの日常です。アレク兄とライダ兄も居て、みんなでワイワイとアイスを食べていますが、何やら裏では不穏な空気が漂い始めているようで……?それでは、今話もどうぞお楽しみください!

公爵邸の広大な庭園で、私たちが全力で鬼ごっこをして遊んでいる、その姿を

――遥か高い空の上から見下ろす

モノがいた。


それは人間ではない。空間を歪ませて

浮かぶ、魔法の『遠隔覗き見(遠見)』の光球。薄気味悪い紫色の光を放つその球体は、まるで獲物を探す猛禽類の目のように不気味に蠢いている。


その光の向こう側から、今か今かと

冷酷に狙いを定めているような、肌を刺す視線を感じる。一体、誰が何の目的でもえを狙おうとしているのだろか

不穏な空気が漂う、その敵たちの作戦会議を少し覗いてみよう。

「敵の視点」

「クックッ……あんなに呑気に遊びおって。いざって時に、逃げ遅れても

しらねーぞ……!」


薄暗い部屋のなかで、遠隔魔法の画面を睨みつけながら、男が低く嘲笑う。

だが、その男の瞳の奥には、ドス黒い憎しみと共に、耐え難いほどの苦しみが滲んでいた。


「あんな風に、笑顔ではしゃげてていいよな……。俺の妹は……俺の可愛い妹は、お前みたいにはしゃいだり、外を走り回ることすらできないんだよっ……!」


男はテーブルに拳を叩きつけ、悔しさに歯噛みする。その目からは、怒りとも悲しみともつかない大粒の涙がこぼれ落ちていた。


それは、ヴィンテ・ラジ公爵家を激しく憎む言葉。けれど同時に、胸を締め付けられるような、悲痛な叫びにも聞こえた。一体、過去に何があったら、これほどまでにヴィンテ・ラジ一族を憎んでしまうのだろうか……。


「あ、兄貴……。僕たちはあのヴィンテ・ラジ一族に、特大の恥をかかせてやるんだ! 強大すぎる魔力を持って生まれたせいで、自分の魔力に身体を蝕まれて寝たきりになった妹さんの仇を

討つ……! 理由は『妹が苦しんでいるのに薬を貰えなかった』なだけだけど……僕たちのこれからの運命が、すべてここにかかっているんだから!」


「兄貴」と呼んで男を慕う、大勢 of 弟子や仲間たちが、部屋のあちこちから次々と意気込みを呟いていた。


誰もが真剣な表情で、その瞳には一族への強い復讐の炎が灯っている。

彼らはヴィンテ・ラジ公爵家に、

一体どんな恥をかかせるつもりなの

だろうか?まだ理由も分からない。


なおかつ、明確に萌を狙っている

者たち。そんな恐ろしい陰謀が裏で動き出しているとも知らず、

当の萌たちは――。「萌の視点」


「はぁーっ、疲れたぁ……!」全力の鬼ごっこを終えて、芝生の上に大の字になって寝転がり、すっかり疲れ切って

いた。中身は元OLでも、3歳の身体で

エルフの魔力を引き出しながら

爆走したのだ。


小さな心臓がトクトクと激しく鐘を鳴らし、手足が自分のものじゃないみたいに重い。さすがに心地いい疲労感が襲ってくる。


そんな私たちのところへ、ずっと心配そうに見守っていたお父様が、優しい笑みを浮かべて近づいてきた。

「子どもたちよ、いっぱい遊んで疲れただろう。……ほら、冷たいアイスを用意させた。これを食べたあとに、ちょっと大事なお話をしよっか」


お父様の後ろでは、メイドさんたちが

ひんやりと美味しそうなフルーツアイスをトレイに載せて待っている。


ガラスの器に盛られた色鮮やかな

アイスからは、甘酸っぱいイチゴと濃厚なバニラの香りがふわりと漂ってきた。


(わあ、アイスだぁ! お父様、大好き! しかも私が大好きなストロベリーとバニラのミックスだ!)


目の前のご馳走に目を輝かせていると、一緒に鬼ごっこをしていたお兄ちゃんたちも、それぞれ配られたアイスを手に嬉しそうに声を上げた。


「僕のはチョコミントアイスだよ。

ミントが最高のアクセントになっていて、とっても美味しいんだよね」


そう言って上品にスプーンを口に運ぶのはアレク兄。どうやらちょっと大人な味わいを楽しんでいるようだ。


一方で、いかにも男子らしいアイスを選んだのはライダ兄だった。「俺はラムネ味! 食べた瞬間、口の中がしゅわしゅわって弾けるのが最高にいいんだ

よな〜!」


ライダ兄は嬉しそうに頬張りながら、

口の中のしゅわしゅわ感を全力で楽しんでいる。


なんだかすぐ隣でそんな風に言われると、聞いてるだけで私までそっちが食べたくなってきちゃう。

元OLの理性はどこへやら、3歳児の好奇心が抑えきれなくなってしまった。


「らいた兄、そのしゅわしゅわ食べてみたいっ! 口の中でしゅわしゅわってどんな感じなの? 萌も食べたい!」


私は芝生の上を、まるで小動物みたいにぴょんぴょん飛び跳ねながらライダ兄におねだりする。


そんな私たちの微笑ましいやり取りを

眺めながら、けれど、お父様はどこか

何か言いたげな、

少し真剣な顔をしていた。


そして、優しく、だけどしっかりと私たちを見つめて言葉を紡ぐ。


「……アイスを食べ終えたら、ちょっとお話をしようか。とても大事な話だから、みんなよく聞いてね」

お父様の言う「大事なお話」とは、

一体何なのだろうか……?

(次回へつづく)


第17話を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!いつもと変わらない賑やかなアイスタイムでしたが、お父様の「大事なお話」のトーンが少し気になりますね……。そして、ヴィンテ・ラジ公爵家を激しく憎む謎の男たちの影も動き出しました。一体、萌ちゃんたちの運命はどうなってしまうのでしょうか?続きが気になる!と思ってくださったら、ぜひ【ブックマーク】や、下部の評価の【星(★★★★★)】で応援していただけると、次の第18話を書く大きなエネルギーになります!次回の更新も、どうぞよろしくお願いいたします!

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