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第151話:ついに到着、世界樹の森! 目の前に広がる本物の絶対結界と、息をのむ神秘の大自然

お待たせいたしました、第151話の完全版です!

お父様の自爆(?)システムによるドタバタな飛行劇を経て、飛空艇はついに聖なる森の強固な壁にぶつかるようにして目的地へと到着しました。


ハッチが開き、船外に降り立った萌ちゃんたちを待ち受けるのは、人間を完全に拒絶する本物の絶対結界。


じんと様が気を引き締め、お兄様たちが頭を悩ませるなか、ついにあの『王』が本領を発揮する……!?

新章の幕開け、どうぞお楽しみください!

「……ふぅ。お父様の防壁が壊れたと

思ったら、今度は本物の結界に衝突するとは。なかなかドタバタな船旅になってしまいましたね。


ですが萌、ここからは何が起こるか

分かりません。


一歩も私の側を離れないでください。

私が必ず、あなたの盾となりますから」






 飛空艇のハッチがプシューという重厚な音を立ててゆっくりと開き、外の空気がサロンへと滑り込んできた瞬間

じんと様がふっと前髪を揺らして息を

吐いた。






 その白手袋に包まれた右手は、いつ

でも剣を抜けるように腰の柄へと添えられている。





ただ優しいだけではない、私を絶対に

守るという張り詰めた空気感が

じんと様の全身から気高く、そして凛々しく漂っていた。





 じんと様は私を背中に隠すように

して、しっかりと、けれど痛くない絶妙な強さで私の手を握り、力強い足取りでハッチの外へと歩みを進めた。





その真剣な眼差しに、私の胸はトクンと小さく跳ね上がる。





いつだって私を第一に考えてくれる

じんと様は、本当に頼もしすぎるみゅ!


 船外へと一歩踏み出した私たちの

目に飛び込んできたのは、全員が言葉を失うほどの、圧倒的で幻想的な光景だった。






「……すごみゅ……! 空気が、キラキラしてるみゅ……!」







 そこは、人間界の常識を遥かに超越した、神秘と大自然の世界。





 周囲にそびえ立つ木々は、王都の

ビルや城の尖塔なんて比較にならない

ほど巨大で、天を衝くような巨木がどこまでも地平線の彼方まで連なっている。






驚くべきは、森全体の空気がまるで

宝石を細かく砕いて散りばめたように

キラキラと淡く緑色に光り輝いている

ことだ。





 すう、と息を吸い込むだけで、体内の魔力が綺麗に洗浄されていくような感覚に陥る。





それほどまでに濃密で、聖なる魔力が

この土地には満ち溢れていた。






 けれど、そんな息をのむような美しい光景の手前で、私たちの進路を完全に

かつ絶対的に遮るものが存在していた。






 キィィィィン……と、耳の奥を

震わせるような、空間そのものが拒絶を叫ぶ音が響いている。





 それは、世界樹の森の全域をドーム

状に覆いつくす、半透明のエメラルドグリーンの巨大な壁――神話の時代から

人間を拒絶し続けてきたという

『聖なる森の絶対結界』だった。







 私たちの乗ってきた公爵家の誇る

最新鋭飛空艇は、この壁に文字通り

コツンと物理的にぶつかる形で、これ

以上の前進を阻まれてようやく着陸できたようだった。






一歩間違えれば、船ごと弾き飛ばされていたかもしれない。





「ふむ……。これが本物の絶対結界か。


さすがに大自然の源流と言うべきか

先ほど私が全財産を注ぎ込んで作った

ものとは、流れている魔力の質が根本的に違うね。実に見事な構成だ」






 お父様が高級な眼鏡のブリッジを

指先で押し上げ、その奥の目を鋭く光らせながら、顎に手を当ててエメラルド

グリーンの壁を見上げる。





「当然ですわ、あなた。これは神の時代に、上位の精霊たちが世界樹を守るために張ったとされる、世界最強の防壁。


もしこれを力任せに壊そうとすれば

大陸一つ分の魔力が一気に逆流して


私たちごとこの周辺一帯が木っ端微塵になるでしょうね」





 ルミエラお母様が、婦人と並んで優雅に高級な日傘を差しながら、事も無げに恐ろしいことを言った。





その隣で婦人も

「あらあら、それは大変ですわね」

と上品に微笑んでいる。




お母様たちの肝の据わり方は相変わらず規格外だみゅ。






「大陸一つ分の爆発って……。


おいアレク、お前の得意な古代魔法や

その小難しい魔導書に何か突破口は

載ってないのか?」






 ライダ兄様が特製の木刀を無造作に

肩に担ぎながら尋ねるが、天才魔導師として若くして名を馳せるアレク兄様ですら、今は苦虫を噛み潰したような顔で

眉間に深いシワを寄せて首を横に振った。







「無理だな。この結界は、外部から与えられた魔力をそのまま吸収して自己修復する特性を持っている。


つまり、僕が国をも滅ぼす最高位の禁忌魔法を叩き込んだとしても

傷一つ付かないばかりか、逆にこちらの魔力を全て吸い尽くされて干からびるのがオチだ。


力技は100%通用しない。どうやってこの結界を通れるようにするか、これは本格的に腰を据えて頭を悩ませる必要があるぞ……」






 みんなで結界の外側に降り立ち

エメラルドグリーンの光る壁を見上げ

ながら、腕を組んで完全に考え込んでしまう。





 じんと様もまた、結界から放たれる

凄まじいプレッシャーを肌で感じ取り

私の前にさらに一歩踏み出して、周囲の気配に鋭く目を光らせていた。





手を出せば一瞬で魂ごと弾き飛ばされ

そうな、絶対的な拒絶の壁。





公爵家の誇る天才たちが集まっても

ただの一歩も前に進めない。






 誰もが突破口を見出せず、森のざわめきだけが響く重苦しい沈黙が流れかけた、その時だった。





「……みゅふん。みんな、何をそんなに深刻な顔をして、眉間にシワを寄せて悩んでいるみゅ?」






 私の足元から、トコトコと小気味よい足音を立てて、先ほどまでの煤(すす)を綺麗に払ったみちゃーれが歩み出てきた。






 短い両足をぽん、と小さな腰に当てて、丸いお腹をぽっこりと前に突き出しながら、これ以上ないほどの完璧な

『ドヤ顔』をキメている。





その短い尻尾は、自信満々に左右へと

パタパタと振られていた。





「男たちの奮闘は、ここでも空回りみゅ? 精霊王である高貴な僕がここにいることを、みんなすっかり忘れているん

じゃないみゅ?」


(第151話 終わり)

第151話をお読みいただき、ありがとうございました!

いよいよ新章『世界樹の森編』に本格突入です!

人間界とは全く違う、空気がキラキラ光る神秘の大自然の描写や、公爵家の面々の掛け合いをじっくり描かせていただきました。


じんと様も未知の土地ということで、萌ちゃんを守るための警戒度をぐっと高めていて、騎士としての格好良さが一段と引き締まりましたね。


「我が剣はあなたを守るためにあります」というセリフ通り、萌ちゃんの手を優しく、でも力強く握って盾に

なろうとする姿は本当に頼もしすぎます!


みんなが大陸級の絶対結界を前に

「どうやって通ろう……」と悩んでいる横で

満を持してトコトコ出てきたみちゃーれのドヤ顔

(笑)。



おやつを食べていただけのポンコツではないところを

次回はついに見せてくれるのでしょうか!?


次回、第152話は、みちゃめーれがこの世界最強の結界を前に、どんな風に「王の権能」を使って道を切り開くのか……!?大活躍(?)の展開をお届けします。


新章の続きが気になる!じんと様にかっこよく守られたい!という方は、ぜひブックマークや評価

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なります!

10月29日木曜はおやすみいたします

10月30日金曜から投稿いたします

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