第14話その時…卵ミチャーレが生まれる
いつも『社畜OLの葛木萌、猫を助けて異世界へ!』を応援いただきありがとうございます!第14話は、ついに……ついにあの卵からミチャーレが生まれます!絶体絶命のピンチに陥ったヴィンテ・ラジ家と萌ちゃん。家族の深い愛に応えるように、1年半の眠りから覚めた相棒が、とんでもない奇跡を起こします。第1話からの驚きの繋がりにもご注目ください!
――まさに、その時だった。王の間を、まばゆい光が包み込むように放たれた。
あまりの光の眩しさに、国王陛下は
「何事だ!」と取り乱した様子で、前で手をブンブンと振り回しながら、鎧を
着た兵士たちを必死に呼び集めていた。
その隣の王妃様はというと、普通なら
「キャー!」と悲鳴を上げて怯えるところなのだろうけれど、どういうわけか、とても落ち着いた様子でその光景を見つめている。まるで、この場面がいつか訪れることをあらかじめ予想していたかのような、不思議な落ち着きだった。
その頃、光が溢れかえっている王の間で、ヴィンテ・ラジの家族は一斉に叫んだ。「萌!」「萌ちゃん!!」
「「「命に代えても守るからね!」」」みんながお互いに私を覆うような形で、私の体をぎゅっと必死に抱きしめて守ってくれている。
(あぁ、私……この世界に来て、本当に良かったんだ……)正直、あの危険な魔の森に転生させられた時には、理不尽な運命を強いた神様を本気で恨んだり
もした。でも、このヴィンテ・ラジの
家族に出会えたことには、いくら感謝しても足りないくらいだ。前世では知らなかった「愛」を知って、誰かに心から心配されること。
何より、家族の温かみってこんなに嬉しくて幸せなことなんだって、みんなが教えてくれた。だからこそ、私もこの大好きな家族を絶対に守りたい!
「みちゃーれ、私たちを守って――っ!!」私が心からの叫びをあげた、
その途端だった。腕の中で、卵が綺麗な音を立てて弾けた。
パリン、パリパリッ――!
「みぁーーあ!」殻を破って現れた眩い光の中心から、頭の中に、優しくて懐かしい男の子の声が直接響いてきた。
(萌! 私を1年と半年もの間、ずっと大切に育ててくれてありがとう!
――そして、あの時、地球で僕を助けてくれてありがとう! 今度は、僕が萌を
助ける番だ!)
まばゆい光が消え去った後、そこから
現れたのは、なんとこの国のてっぺんに立つという「精霊王」――またの名を、あの時助けた猫であった。その猫の
姿は、ピンクと白の綺麗なグラデーションのような色合いをしており、おでこには金色の音符の形をした不思議な模様がついている。
「あ、あれは! この国でてっぺんに立つ精霊王じゃないか!」
「なぜあの娘の卵から精霊王が出てくるんだ! あの家族には渡せないな!」
我に返った国王陛下や周囲の魔術師たちが、驚愕の声を上げて騒ぎ出す。そんな大人たちの動揺を余所に、生まれたばかりのミチャーレは私を見上げて甘えた
声を出す。
「みゃあん、みゃあ」
「ん? みちゃーれ、通訳
してほしいの?」「みゃあーーー!」
「わかっちゃ(わかった)」私はコクリと頷くと、ミチャーレを抱っこした
まま、玉座の国王陛下を真っ直ぐに見据えた。そして、ミチャーレが伝えてくる言葉をそのまま口にする。
「えっと……
『萌をこの国の道具として使うにゃ。萌には萌自身の人生があって、それを国の国家の戦争に使うなにゃ。もしそんなことが起これば、僕は君たちを地獄の果てまで追い詰めるからにゃ』……
だって!」
語尾の「〜にゃ」は可愛いけれど、
まるでミチャーレ自身が喋っているかのように、地の底から響くような凄まじい威圧感の籠もった声。
怒りを感じるほどの恐ろしい言葉――
だからこそ、それほどまでに私のことを大切に思ってくれているのだと感じて、胸が熱くなる。
これが、ミチャーレの本気なんだ。
伝説の精霊王を味方につけた萌ちゃん。ここから国王陛下はどうなってしまうのか。そして、大好きな家族とこれから
平和に暮らせるのだろうか。
次回へつづく――!
第14話を最後までお読みいただきありがとうございました!ついにミチャーレが生まれました! その正体はなんと、この国のトップに君臨する「精霊王」であり、萌ちゃんが地球で助けたあの猫ちゃんでした! 1話の伏線がここで回収される熱い展開、書いていてとてもワクワクしました。語尾は可愛いのに、国王を「地獄の果てまで追い詰めるからにゃ」と脅すミチャーレ、最高に頼もしすぎますね(全身はピンクと白のグラデーションでとっても可愛いです)。「ミチャーレ誕生おめでとう!」「国王の鼻を明かしてスカッとした!」と思ってくださったら、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】の評価や、ブックマーク登録で応援をよろしくお願いします! 次回の更新もお楽しみに!




