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番外編:雲の上で食べるスイーツは格別だみゅ! 展望サロンでルミエラお母様の甘やかしが止まりません!

前回の第146話では、大株主であるお父様の圧倒的な財力により、伝説の「超大型魔導飛空艇」がついに発進!

初めて見る大空の絶景に、ルミエラお母様と萌ちゃんが大興奮しました!


今回の第147話は、ちょっと一息つく【

番外編】をお届けします!


雲の上を往く豪華な飛空艇の中で、女の子たちは展望サロンに集まり、極上のマッサージや可愛い空色スイーツを堪能中! ルミエラお母様と萌ちゃんの甘々で尊い

「あーん」の応酬に、サロン内は幸せいっぱいです。


そんな中、大株主のお父様、婚約者のジント様、そしてお兄様たち男組はというと……?


女の子たちの可愛い会話を必死に盗み聞き!

しかし、萌ちゃんたちと目が合った瞬間に

大パニック!? 汗をダラダラ流しながら、必死に掃除や筋トレのフリをして誤魔化そうとしますが、特にアレク

兄様の言い訳が大変なことに……!?


最強の男たちが過保護すぎてポンコツ化する、爆笑必至の癒やし日常回です!

 伝説の超大型魔導飛空艇が、真っ白

な雲海をかき分けて優雅に空を往く。





 そんな夢のような飛行船の最上階に

ある展望サロンは、いまや完全に女子

たちの極上リゾート地と化していた。





「ふあぁぁ……すごく、気持ちいいです……っ」





 高級ソファーにうつ伏せるルミエラらお母様が、とろんとした声を漏らしている。






 ヴィンテ・ラジの大株主である

お父様が、愛する妻のために同乗させた超一流のマッサージ師の手によって、エルフの里で長年蓄積されてきた萌のお母様の

身体のコリが、極上の魔導オイルと共に優しく解きほぐされていた。








「みゅふふー! 雲の上で食べるスイーツは格別だみゅ!」





 私はその横で、特等席のクッションに座りながら、目の前に並んだ豪華な食事とスイーツに目を輝かせていた。




 青空と白い雲をイメージしたふわふわの特製クリームケーキや、太陽の光を浴びて宝石のように輝く色鮮やかな

フルーツ。





どれもお父様の圧倒的な財力によって

用意された絶品ばかりだ。





「ほら、お母様、あーんだみゅ!」





 私が小さな前足でフォークを器用に

使い、小さくカットしたケーキをお母様の口元へ運ぶ。






 マッサージで完全にリラックスしていたルミエラお母様は、顔を真っ赤にしながらも、「ぱくり」とそれを受け止めた。






「っ……! 萌ちゃん、なんて美味しいの……! 口の中でクリームが雪のように溶けて……っ。はい、今度は萌ちゃんの番よ、あーん」








「みゅー! おいしいみゅー!」





 展望サロンには、公爵夫人も交えて

「美味しいですね」「ルミエラさん

もっとマッサージの強さを上げさせますか?」なんて、終始フワフワとした

温かい女子トークが花咲いていた。






 ――さて。






 そんな天国のような女子空間から

ほんの少し離れたサロンの入り口付近でのことである。






 そこには、なぜか額から滝のような

汗をダラダラと流しながら、必死に

雑巾がけをしているアレク兄様と

無駄にキレのある動きで廊下の素振りをしているライダ兄様。





そして、必死に壁の魔導回路を点検するフリをしている婚約者のジント様と

腕組みをして厳しい顔で壁を睨みつけているお父様の姿があった。





 男たちの目的はただ一つ。





 愛する妻、娘、そして婚約者たちの

可愛い会話を、一言も聞き漏らさずに

『盗み聞き』することである。





「……聞いたか、ジント。萌がルミエラお母様に『あーん』をしたぞ」





 大株主であるお父様が、圧倒的な威厳を完全に殺しながら、地を這うような

小声で呟いた。






「ええ、お義父様。バッチリ聞こえて

おります。ルミエラお義母様も萌に

『あーん』を返しました。


現在、サロン内の尊さ成分が臨界点を

突破しております。


私の愛しい婚約者があまりにも可愛すぎて、本来なら今すぐあの中に入って萌にケーキを――」






「おいジント、手が止まってるぞ。


アレク、お前もだ。静かにしろ、次は

マッサージの感想を喋りそうだ」





 ライダ兄様が木刀をブンと振り回しながら、耳を信じられない角度でサロン

側へと傾けている。




最強の騎士の聴力は、いまや防音魔術の隙間をすり抜けて女子たちの吐息まで拾おうとしていた。





 そんな弟の言葉に、アレク兄様も眼鏡をクイと上げながら小声で参戦する。






「ライダの言う通りですジント殿。


現在の萌の可憐さは歴史的資料に値するレベル。


我々は一言一句漏らさずに記録せねばならないのです。おっと、ルミエラさんが萌の頭を撫でましたよ……

ぐはっ、尊い……っ」




 しかし、男たちのあまりの気配の怪しさに、ふと私が入り口のほうへ視線を向けた。






 ルミエラお母様も、何やらただならぬ視線を感じて、ひょこっと入り口のほうを振り返る。





 ピキィッ!!!





 女子組と、盗み聞き男組の目が

真っ正面からガッツリと合ってしまった。





「ひぇっ……っ!?」





 ジント様とアレク兄様が跳び上がり

そうなほどビクンと身体を震わせ、顔面蒼白で汗をダラダラと噴き出させた。





「……あ、いや! ルミエラさん、萌!

気にしないでくれ! 私はただ、この船の強度が万全かどうか、大株主として壁の魔導回路を直々に点検していただけだ! うん、実に頑丈な壁だな!」






 お父様が普段の威厳はどこへやら

見たこともないスピードで冷や汗を

流しながら、ペタペタと壁を触って満面の笑み(引きつり顔)で誤魔化し始めた。





「そ、そうですよお母様! 私は萌との

結婚にふさわしい男になるため

飛空艇の廊下に一微塵の塵も残さぬ

よう、全力で壁の魔導点検を、ええと

床の点検をしていただけです!」





 婚約者であるジント様も顔を真っ赤にして汗を流しながら、もの凄い残像が

残るほどの超高速で壁を拭き掃除し始める。





 するとその横で、アレク兄様が眼鏡をガタガタと震わせながら、もの凄い早口でまくし立てた。





「そう! その通りです母上! 萌!


私は決して二人の微笑ましいあーんの

応酬や尊すぎるやり取りを盗み聞きしてニヤニヤしていたわけでは断じてなく!


この伝説の飛空艇の赤絨毯における摩擦係数と雑巾の吸水率のデータを極めて


学術的な観点から採取するために超高速で拭き掃除をしていただけでありまして決して断じて不審な意図はございません!!」





 言いながら、アレク兄様は残像が残るほどの超高速雑巾がけを披露している。





その速度はもはや攻撃魔法の域である。





「俺もちょっと体が鈍ってたからよぉ! たまたまこのサロンの前で! 筋トレしてただけだぜ! フンッ! フンッ!」






 ライダ兄様はバキバキに筋肉を浮き上がらせながら、猛烈な速さで腕立て伏せを始めた。あまりの勢いに床が微かに

振動している。





「あら……? 皆様、そんなところで

お忙しそうですのね……?」





 ルミエラお母様は、男たちのあまりの必死さと汗の量に騙され

「大株主である旦那様も、婚約者の

ジント様も、お兄様方も、移動中まで

こんなにストイックにお仕事や特訓を

されているのね……!」と、すっかり

感心した目で見ていた。






「みゅー……(完全に盗み聞きしてたみゅね……)」





 私はジト目でジント様やお父様たちを見つめたが、彼らが「頼むから萌ちゃん(ルミエラ)に幻滅されないように

バラさないでくれ……!」

と言わんばかりに、涙目で汗を流しながら必死に掃除と筋トレを続けているのが面白くて、クスッと笑ってしまった。





「お父様もジント様も、お兄様たちもいっしょにケーキ食べるみゅ?」





 私がそう声をかけた瞬間、男たちの

目が「ご褒美が来た!!」とばかりに

カッと輝いたのは言うまでもない。





 女の子たちの甘やかしタイムと

それを必死に誤魔化しながら見守る男たちの超過保護な大騒ぎ。





 伝説の飛空艇の旅は、終始こんな

風に、賑やかで温かい笑顔に包まれながら進んでいくのだった。





(番外編 終わり)

番外編をお読みいただき、ありがとうございました!


本編の緊迫した遠征の裏で、こんなに可愛いやり取りが行われていたと思うとニヤニヤが止まりませんね

(笑)。



サロンでマッサージを受けながら、萌ちゃんと

仲良くケーキを「あーん」し合うルミエラお母様

本当にエルフの里の苦労が報われて良かったです。


世界一可愛い空間がそこにありました。



そして、今回の見どころは何と言っても男たちの

ポンコツっぷりです!


大株主のお父様や、婚約者としていいところを見せたいジント様が、女子の会話を盗み聞きするためだけに全神経を集中させているのが最高に笑えます。


特に目が合った瞬間のアレク兄様! いつもの

理知的な雰囲気はどこへやら、「摩擦係数と雑巾の吸水率のデータ」とかいう謎の限界早口言い訳をしながら超高速雑巾がけをする姿は、書いていてお腹が痛くなりました(笑)。


ライダ兄様のその場腕立て伏せも脳筋すぎて最高です。


お母様が「なんてストイックなのかしら!」と純粋に

騙されているのも可愛すぎました。


次回、第148話からは再び本編へと戻り、飛空艇はいよいよ「世界樹の森」の古代結界へと突入します!

みちゃーれのドヤ顔ナビが本領発揮するのか!?


アレク兄様の早口言い訳に笑った!男たちの過保護っぷりが最高!という方は、ぜひブックマークや評価(☆☆☆☆☆)で応援していただけると励みになります!

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