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第141話:【悲報】エルフの里が滅びそうですが、萌ちゃんはお耳がツンツンだった頃を思い出そうと必死です

いつもお読みいただきありがとうございます!


前回の第140話では、命がけで割り込んだエルフの女性ルミエラさんが、萌ちゃんの「本当のお母さん」である

ことが判明!


さらに萌ちゃんは元々エルフの赤ちゃんだったのに

魔力がないという理由でうさぎの姿に変えられ、森に捨てられたという胸糞悪い過去が明かされました。


今回の第141話では、大ブチギレの公爵家による「エルフの里へのお裁き」が本格的に執行されます!


長老はお母様に怯えながらも、必死にエルフの伝統や結界の強さを見せつけて保身を図ろうとしますが、公爵家の規格外な兄様たちの前には一切通用せず、里は

文字通り崩壊寸前に!


そんな大騒ぎの修羅場の中、当の萌ちゃんは「きゅー」と鳴きながら、自分のお耳がツンツンだった頃を思い出そうと頭をフル回転させていて……!?

お母様から立ち昇るツルピカな魔力の

残光。






 それに完全に圧倒され、床に額を

激しく擦りつけてガタガタと震えていた

長老だったが、じわじわと公爵家の

大人たちの殺気が里全体を包み込んで

いくのを感じると、絶望的な恐怖の

裏で、エルフの長としての

「傲慢なプライド」が無くなっていく。







「ひ、ひぃっ……! い、いや、お待ちくだされ! 確かに我らの非は

認めよう! 


しかし……しかし、この里には大樹の

結界が眠っているのだぞ! 


もし我らを滅ぼせば、精霊の怒りが人界をも焼き尽くすことになる!


 我らエルフを侮るなよ……っ!」







 長老はお母様の圧倒的な強さに怯え

涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながらも、必死に声を張り上げてエルフの歴史と強さを見せつけようとハッタリを

かました。






 自分たちを害せばタダでは済まないのだと、必死に言葉の牙を剥いている。






 だが、そんな一触即発の、世界が滅びかねない緊迫した空気の真ん中で――。





「きゅ……きゅ〜……?」





 本当のお母さんであるルミエラさんの膝の上で、白い毛玉こと萌ちゃん

(うさぎ姿)は、完全に周囲の修羅場

から置いてけぼりになっていた。






 萌ちゃんは今、それどころではないのだ。







 先ほどルミエラさんから

「元々は耳の尖ったエルフだった」

と聞かされ、小さな頭をフル回転させて必死に二年前の記憶を思い出そうとしていた。






(萌、まえは、お耳がツンツンだった

みゅ……? いまは、まあるくて短いみゅ……?)






 萌ちゃんは短い前足で、自分の今のまあるいお耳をぎゅーっと引っ張ってみる。






 なんとかして、ツンと長くて綺麗

だったはずの「エルフのお耳」を再現しようと必死なのだ。





だが、いくら引っ張っても、もちもちのうさぎの耳は「みょ〜ん」と伸びるだけで、手を離すとやっぱり

丸く戻ってしまう。






「きゅーっ! きゅきゅ〜っ!」






 おかしいみゅ、ともがく萌ちゃん。





 萌ちゃんは、ちっちゃな体を

「ふんぬーっ!」と強張らせ、頭に血が上るほど脳みそをフル回転させて昔の

記憶を探り始める。







 お空が青かったこと、誰かが優しく

抱っこしてくれたこと、そして――

自分の顔の横に、白くてツンと尖った

長いお耳があったような、なかったような……。






 萌ちゃんが「きゅーきゅー」と可愛らしく鳴きながら、頭を抱えてジタバタと悶絶しているその横で。





「……ハッタリは見苦しいですよ

長老」






 アレク兄様が冷酷に告げ、その指先から放たれた青い炎の一閃が、長老が誇る『大樹の結界』の基部を一瞬で灰へと

変えた。







「精霊の怒り? そんなトカゲの化け物みたいな連中、俺が全員ぶっ飛ばしてやるよ!」






 ライダ兄様の大剣が凄まじい風圧を

生み出し、長老の庵の壁という壁を綺麗に粉砕していく。






「我が君を呪いでこのような姿に変えた罪……里ごと闇に沈め、永遠に後悔させてやろう」







 ジント様の影が里の地面を侵食し

傲慢なエルフたちの足を次々と影の中に引きずり込んで拘束していった。






「ひ、ひぃぁぁぁっ!? 大樹の結界が、一瞬で……っ!?」







 見せつけようとしたエルフの強さを

文字通り一瞬で塵にされた長老は

今度こそ声を失ってガチガチと歯を鳴らした。






 そこへ、お母様が静かに歩み寄る。






「ルール、掟、エルフの強さ……。


そんな下らないもののために、これほど愛らしい我が娘を呪い、捨てたの

ですね。


……ならば、あなたたちの誇るその

魔力も、立場も、すべて我が公爵家の

ルールで上書きして差し上げましょう」






 お母様がすっと手を掲げると、その手のひらから眩いばかりのツルピカ魔力が放射された。






 その光は里全体を優しく包み込むかのように広がったが、もたらした効果は

絶望そのものだった。






 ゴオォォォォン……!






「な……魔力が……私の、私の魔力が消えていく……!?」






「そんな、精霊との繋がりが……!?」





 長老をはじめ、里中のエルフたちの

体内から、全ての魔力が根こそぎ吸い尽くされていく。






お母様の規格外の魔力は、里のエルフ

全員の魔力を強制的に封印し、彼らを

「ただの非力な存在」へと変えてしまったのだ。






「あなたたちが萌ちゃんにしたように

魔力のない『出来損ない』として

今度はあなたたちが森の恐怖を味わい

なさい。


安心なさい、命までは奪いませんわ。


……ただ、これからはただの無力な存在として、怯えて暮らすといいでしょう」






 お母様の冷徹な宣告が響き渡る。





 魔力を失い、腰を抜かして完全に

無力化した長老を、衛兵たちが引きずっていく。





 里が物理的にも権力的にも完全に

滅び、凄まじい「ざまぁ展開」が完了したその瞬間。






「みゅッ!!」






 ずっと頭をフル回転させていた

萌ちゃんが、パッと閃いたように短いお耳をピンと立てた。





「萌、おもいだしたみゅ! 

むかしは、お耳がこう、ツンツンって

してて、とっても白くて綺麗だったみゅ!」





 ようやく記憶のピースが繋がった

萌ちゃんは、ルミエラさんの膝の上で

「どうみゅ!すごいでしょ!」と誇らしげに胸を張った。






 エルフの里が文字通り崩壊している

大惨事のド真ん中で、萌ちゃんだけは

ドヤ顔で可愛い万歳ポーズを決めているのだった。


(第141話 終わり)

第141話をお読みいただき、ありがとうございました!


いやー、今回の温度差ギャップ、最高になろうらしくて書いていて楽しかったです!(笑)


周りの大人たちは過去最大級にガチギレして、アレク兄様の青い炎やライダ兄様の斬撃で里が物理的に滅びかけているのに、お母様の腕(ルミエラさんの膝)の中に

いる萌ちゃんだけは「むかしのお耳」のことで頭がいっぱいという……!


短いお耳を前足でみょーんと引っ張って必死に思い出そうとしている萌ちゃん、緊迫した状況なのに可愛すぎて癒やされちゃいました。最終的にドヤ顔で思い出すのも萌ちゃんらしくて最高です。


そして、ハッタリを見せつけようとした長老に対するお母様のお裁き、最高にスカッとしましたね!


里のエルフ全員の魔力を吸い尽くして封印し、自分たちが萌ちゃんにしたように「魔力のない出来損ない」の

立場にして森の恐怖を味わわせるという、これ以上ない完璧な「因果応報ざまぁ」でした!


無事に長老たちへの復讐も終わり、萌ちゃんも記憶を取り戻しましたが、次回はルミエラさんを交えて公爵家がどう動くのか?


気になる第142話もぜひお楽しみに!

エルフの里へのざまぁ最高!萌ちゃんのドヤ顔万歳可愛い!と思ってくださったら、ぜひブックマークや評価

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