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第139話:お母様のツルピカ魔力が、傲慢な長老を土下座させるまで

いつもお読みいただきありがとうございます!


前回の第138話では、萌ちゃんを二歳で捨てたすべての元凶である長老が登場。

萌ちゃんを「いないもの」としてあしらう最悪の不敬に対し、お母様が魔圧だけで庵の屋根を吹き飛ばしました!


今回の第139話では、激怒した公爵家の男たちが一斉に攻撃を仕掛けますが、さすがは長老、あらゆる攻撃を術者に返す「絶対魔法反射」の結界で反撃してきます!


絶体絶命の光の嵐が吹き荒れる中、なんと一人のエルフが命がけで二者の間に割って入り……!?


そして、そんな結界すらも笑顔でねじ伏せるお母様のツルピカ魔力が、ついに傲慢な長老を無様な土下座へと追い詰めます!

 メリメリメリ、バリィィィンッ!





 お母様が放った超高密度のツルピカ

魔力オーラによって、長老の庵の屋根がまるで紙細工のように粉々に吹き飛んだ。





 壮麗だった大樹の庵は、一瞬にして

天井のないオープンカー状態へと成り果てる。





 頭上にぽっかりと広がった美しい青空を見上げて、お母様の腕に抱かれた

白い毛玉が嬉しそうに短い耳をピコピコと動かした。





「みゅ〜! お屋根が飛んでいって

お空がよく見えるみゅ〜!」





 相変わらず状況を1ミリも理解していない萌ちゃん(うさぎ姿)のピュアな

歓声が、吹きさらしになった庵の中に

響き渡る。





 だが、その無邪気な声とは対照的に

庵の中に満ちる殺気は臨界点を突破していた。





「我が娘を出来損ない扱いした罪、その命で償え!」






 ライダ兄様が咆哮し、完全に引き抜いた大剣から放たれた烈風の斬撃が長老へと襲いかかる。





 同時に、アレク兄様の指先から無数の雷撃の矢が放たれ、ジント様の影から

伸びた黒い刃が長老の四肢を狙って

殺到した。





お父様の漆黒の魔圧もまた、長老を押し潰さんと狂い咲く。






 最強の男たちによる、一切の手加減のない同時飽和攻撃。





 誰もがエルフの長老の即死を

確信した、その瞬間だった。






「フン……人界の最高峰とて、所詮は

野蛮な人間か」






 恐怖に顔を青ざめさせていた

はずの長老が、冷酷な笑みを浮かべて

白い髭を揺らした。





 長老の周囲の空間がグニャリと歪み

極彩色の魔法陣が幾重にも重なって出現する。





 キィィィィィンッ!





 鼓膜を刺すような高音が響き、男たちの放ったすべての攻撃が、その極彩色の結界に激突した。






 次の瞬間、信じられない光景が

広がる。





ライダ兄様の斬撃も、アレク兄様の

雷撃も、ジント様の影の刃も、お父様の魔圧さえもが、すべてそのままの威力を維持してヴィンテ・ラジ公爵家の一同へと跳ね返ってきたのだ。






 エルフの長老が展開した掟の秘術――あらゆる外部からの攻撃をそのまま術者に返す『絶対魔法反射』の結界である。






「くっ……! 攻撃が跳ね返って……!?」






「全員、防御体制を――!」





 自分たちの規格外の攻撃がそのまま

直撃する形となり、アレク兄様とライダ兄様が慌てて防御魔術を展開しようと

する。





跳ね返ってきた光の嵐が一同を飲み

込もうとし、庵の中が盲目的な閃光に包まれた。






 そんな爆発的なエネルギーの渦の真ん中に、突如として割り込む影があった。






「お願いです、もうやめてくださいッ!!」





 引き裂くような悲鳴とともに、一人のエルフがヴィンテ・ラジ公爵家と長老の間にその身を躍らせた。







 それは、広場に一同が踏み込んだ

際、お母様の腕の中の萌ちゃんを見て

何度も何度も目を擦りながら声を殺して涙を流していた、あの優しいエルフ

だった。






 その優しいエルフは、公爵家一同を

背中で庇うようにして両腕を広げ

長老の結界から跳ね返ってきた凄まじい攻撃の奔流の前に、自らの体を盾として差し出したのだ。






「……ッ!? なぜそこのエルフが割り込んでくる!?」






 ジント様が驚愕に目を見張り

即座に影を伸ばしてそのエルフを救おうとする。






 しかし、跳ね返ってきた攻撃の光が

その優しいエルフの体を飲み込もうと

した瞬間、それよりも遥かに速く、圧倒的な『光』がその場を支配した。






「ふふ、危ないですから、下がっていらして?」





 お母様だった。






 にっこりと微笑んだままのお母様が

すっと片手をかざすと、公爵家全員の

攻撃が跳ね返ってきたはずの絶望的な

エネルギーの奔流が、お母様の放つ

強烈なツルピカ魔力の前に、まるで霧が消えるかのように一瞬で霧散してしまったのだ。





 絶対反射の結界ごと、お母様の規格外の魔力がすべてを上書きして消し去ったのである。






 光の嵐が収まり、静寂が戻る。






 命がけで割り込んだ優しいエルフは

怪我一つない自分の体を確認し、荒い息を吐きながらその場にへたり込んだ。






その瞳からは、またしてもぽろぽろと

大粒の涙が溢れている。






 そして、自分の絶対的な切り札で

あった『魔法反射の結界』すらも笑顔

一つで無効化された長老は、今度こそ

完全に理解した。





 目の前にいるのは、エルフの歴史や

秘術などという生ぬるい概念が一切通用しない、世界そのものを滅ぼしかねない理外の怪物たちなのだと。






 お母様から放たれるツルピカ魔力の圧力が、容赦なく長老の肩へとドスンと伸しかかる。






「ひ、ひぃぃっ……!!」






 長老のプライドが音を立てて崩壊した。






 あまりの恐怖に両膝の力が完全に

抜け、ガタガタと全身の骨の音を言わせながら、長老は床に頭を激しく

こすりつけた。





床の木板が額の血で染まるほどの

無様な、そして完璧な土下座である。







「申し訳ありませんっ……!

我が里の不敬、どうか、どうかお許しを……!!」







 さっきまで萌ちゃんを『いないもの』として無視していた傲慢な長老が

今は涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら命乞いをしている。






 その無様な土下座姿を、お父様や兄様たちは氷のように冷たい視線で見下ろしていた。






 だがお母様は、土下座する長老には目もくれず、自分たちを庇おうとして

へたり込んでいる優しいエルフへと

ゆっくりと歩み寄るのだった。


(第139話 終わり)



第139話をお読みいただき、ありがとうございました!


いやー、さすがはエルフの長老、ただの傲慢ジジイではなく「攻撃反射」という厄介な秘術を持っていましたね!

男たちの最強の攻撃がそのまま跳ね返ってきたときは

ヒヤッとしました。


ですが、その緊迫した状況の中で、前話で涙を流していた「優しいエルフ」が命がけで公爵家を庇うために

割って入るシーン……めちゃくちゃ熱くて鳥肌が

立ちました!


里の中に、これほど萌ちゃんや公爵家のために命を張れるエルフがいたなんて感動的です。


まあ、そんな反射の嵐も、お母様のツルピカ魔力の前にはただの微風でしたけれど(笑)。


笑顔で全部消滅させるお母様、やっぱり次元が違います。


プライドをへし折られてガタガタ震えながら土下座する長老のざまぁ姿には、本当に胸がすく思いでした!


ラストでお母様が歩み寄ったあの優しいエルフは

一体萌ちゃんとどんな関係があるのでしょうか?


次回、ついにそのエルフの正体や過去の真実が明かされるのか、今から目が離せません!


長老の土下座ざまぁ最高!と思ってくださったら

ぜひブックマークや評価(☆☆☆☆☆)で応援していただけると嬉しいです!

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