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第12話なかなか卵産まれない

いつも『社畜OLの葛木萌、猫を助けて異世界へ!』を応援いただきありがとうございます!第11話でミチャーレという可愛い名前がついた不思議な卵。あれから時は流れ……萌ちゃんはすくすくと、ちょっぴり(?)お転婆な女の子に成長しました!しかし、そんな彼女の元に不穏な知らせが届き――。第12話もどうぞお楽しみください!

それから熱が引いた頃、ライダお兄様の特製の甘いスープを飲んで元気になった私は、順調にお転婆へと進化を

遂げていた。


腕にはいつも、あの桜色とゴールドの不思議な卵、ミチャーレを抱っこして、

あちこちへ行っては話しかけ

続けている。


「ねぇみちゃーれ、このお花はね、願いが叶うお花なちゅんだって。だからわたちが願うのは、みちゃーれがはちゃく生まれますようにってこと

なんだじょー!」


私はちいさな足でトコトコと歩き回り、広い庭を冒険する。……ん? 兄様たちは心配しないのかって?いや、私がちょっと動くたびに「萌ちゃん!」「萌!」ってあちこち血相を変えて

走り回っている。


でも、私は社畜生活から解放されて、せっかく自由の世界に来たんだ。これくらいお転婆になってもバチは当たらない

よね!すぐ生まれるかなぁと思っていた卵はなかなか生まれず、あれからのんびりと一年と半年が流れた。

一年半も経てば、私もそれなりに成長

する。今の見た目は、だいたい三歳くらい。少しはお姉さんに見えるハズだ。


「ふふふ、あんなにはしゃいじゃって。あの頃は歩くのもやっとで、照れてすぐ逃げちゃうことが多かったのにねぇ」

お母様は愛おしそうに私を見つめて微笑んでいたけれど、その瞳の奥には、

どこか消えない不安の色が滲んでいた。


「そうだよな……。萌ももう三歳くらいになるし、そろそろ例の『国王からの

謁見の手紙』の件、無視できなくなってきただろ?」


ライダがボソッと呟いた言葉には、いつもの元気がなかった。そう、三歳という年齢は、この国において特別な意味を

持つ。私がこの家の正式な養女になるためには国王の許可が必要なのだが、それと同時に『幻のエルフ』という貴重すぎる私の存在を、国が黙って見過ごすはずがないのだ。


最悪の場合、「国の管理物になれ」と言われて、家族から引き離されるかもしれない。それが、今の家族の一番の心配事だった。


――けれど、そんな大人の深刻な話を余所に、私は今日も元気に走り回る!木登りに挑戦してスカートを泥だらけにしたり、メイドたちと本気のかくれんぼをして遊んだり。その後はお腹いっぱいお昼ごはんを食べて、幸せな気持ちでたっぷりお昼寝をして、起きたら少し本を読んでみたり。今日も一日、全力で楽しく過ごしてベッドに潜り込んだ。


……そして、私が完全に眠りについた

深夜。屋敷の一室では、重苦しい雰囲気の中で『第二回・緊急家族会議』が幕を開けようとしていた。


「父上! 国王の謁見なんて断れないんですか!? このままじゃ萌が国に取られちまうんだぞ!」


ライダが不安を押し殺すように、机を叩いて声を荒らげる。大切な妹を奪われるかもしれない恐怖に、その肩が小刻みに震えていた。


「……落ち着きなよ、ライダ。でも、国王の許しがなければ、萌ちゃんは養子ともに僕たちの『家族』にはなれないんだ。僕は、どうしても萌ちゃんと本当の家族になりたい」


アレク兄様はいつになく真剣な、それでいて凍りつくような冷徹な瞳で言葉を

放った。


「私だって、萌ちゃんを国に差し出すなんて絶対に嫌よ。でも、一貴族が王命に逆らうわけには……」

お母様が悲痛な声を漏らし、

お父様も苦渋の表情で拳を握りしめる。


「僕も王様には直接掛け合ってはみる。……だけど、あまり期待はしないでくれ。何としても萌を守る方法を

考えよう」


暗い影を落としたまま、その夜の家族会議は幕を閉じた。翌朝、私はついに家族から「お城へ行く」という事実を告げられた。


「こくうのえっけん? いきゃなきゃいけにゃいの? ずーっと、お家にいちゃダメ?」私が不安そうに首を傾げると、

家族全員がたまらなくなったように、

私を壊れ物を扱うみたいにぎゅーっと切なく抱きしめてくれた。


「ごめんね、萌ちゃん。これは国からの絶対の命令だから、断れないんだ……」


大好きな家族の温もりに包まれながら、私はついに、きらびやかで冷酷な王国の城へと足を踏み入れることになる。


果たして、萌は国の所有物として奪われてしまうのか。

それとも、愛する家族が国を相手に戦うのか。動き出す運命の歯車――

どうなる、次回へ!

第12話を最後までお読みいただきありがとうございました!ついに三歳になった萌ちゃん、木登りにかくれんぼと自由気ままに過ごしていますが、夜の家族会議はかなりシリアスな空気になってしまいました……。ライダくんもアレク兄様も、萌ちゃんを国に取られたくなくて必死です。果たして、王宮で萌ちゃんを待ち受ける運命とは!?「萌ちゃんを応援したい!」「家族みんなで乗り切ってほしい!」と思ってくださったら、ぜひ下部の【☆☆☆☆☆】の評価や、ブックマーク登録で応援をよろしくお願いします! 執筆の大きな励みになります!

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