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第114話『ドレス姿の息子たちとばったり遭遇!? 屋敷から追いかけてきたご両親の頭がショート寸前です!』

いつもお読みいただきありがとうございます!

市場の真ん中で、心配して追いかけてきてくれたお父様とお母様にばったり遭遇してしまったドレス姿の

ジント様たち。

驚きを隠せないお父様が、魔法で元の姿に戻そうと試みるのですが……まさかの化学反応が発生!?バグが加速してしまった8歳児ドレスショタ三姉妹(?)を連れて

一行は一度宿屋へと避難し、バグの修正を試みることになります。


さらに、白うさぎ姿の萌ちゃんを見たお父様とお母様にも異変が……!?怒涛のハプニングと尊さが大爆発する第114話、どうぞお楽しみください!

「「――――はぇっっ!?!? ……って、えええええーーーっ!?!?」」



 市場の真ん中に、お父様とお母様の

裏返った絶叫が再びこだました。



 ピクリとも動かなくなったお二人の

前で、私はジント様(見た目は美少女)の胸ポケットからうさぎの耳をピンと

立てて、冷や汗をダラダラと流す。




 そりゃあ、そうなる。無理もない。



 「萌ちゃんを助けに行ってくる」と

ちゃんと言い残し、男らしくお屋敷を

旅立ったはずの我が息子――アレクにい様とライダにい様が、なぜかサックス

ブルーのワンピースと黄色いフリルスカートを着て、両腕にお菓子や串焼きを

抱えているのだ。



 オークにだって負けないはずの立派な騎士たちが、今はどう見ても愛らしい

8歳の美少女三姉妹にしか見えない。 




しかも、その一歩後ろでは、娘の萌の

婚約者であるはずの孤高のエリート

騎士・ジント様が、薄ピンクの令嬢

ドレスに金髪ツインテールという、全男どもの理性を焼き払う姿で「お守りしていますよ」と上品に微笑んでいる。




 ビジュアルの渋滞と次元の歪みがここに極まれり、といった大惨事だ。



「あ、あの……お父様、お母様? 落ち着いてください、変な怪異に襲われたわけじゃなくてですね……!」




「そうだぞ母さん! 父さん! 俺たちは

正真正銘、お前たちの息子のアレクと

ライダだ!」




 サックスブルーのワンピースの裾を

つまみながらアレクにい様が必死に弁明し、ライダにい様は両腕いっぱいの焼き鳥を落とさないようにキリッとした顔

(ただしお団子ヘアの8歳児)でうなずく。




「……アレク、ライダ……? そして

ジント殿……?」




 お母様はプルプルと激しく震え

ながら、ツインテールのジント様から

お団子ヘアのライダにい様、正式な

ワンピースのアレクにい様へと順に視線を滑らせた。 



お父様の方角を見ると、すでに頭から

湯気が出ているのではないかという

ほど、真剣な顔で固まったまま、驚きを隠せない様子で完全にフリーズしていた。




(うわぁぁぁ、お父様とお母様の頭の

メモリが限界突破してフリーズして

おられるよぉ! 一体どうやって、この

「魔法の変身バグ」を説明したらいいのよぉぉぉっ!!) 



私がポケットの中でパニックを起こしていた、その時。




あまりの衝撃に絶句していたお父様が、ガニ股で震えながらようやく右手を突き出した。



「こ、こんな不条理な呪いがあって

たまるか……! 待っていろお前たち

今すぐ私の解除魔法で、元の凛々しい少年の姿に戻してやつからな……っ!」 




お父様は我が子たちの姿を取り戻そうと、必死の形相で高度な状態異常解除の魔法を唱え始めた。




お父様のパニックゆえの親心が、強力な魔力となって市場の真ん中で渦巻く。



「お父様、危ない! 今の僕たちの体に

無理に魔法をかけると――」 



アレクにい様が制止の声を上げたが

時すでに遅し。



お父様の放った淡い純白の魔法光が

ドレス姿の3人を優しく包み込んだ。 




これで元の精悍な大人の姿に戻るのかと思いきや、事態は誰も予想しなかった

方向へと爆走を始める。



 なんと、お父様の解除魔法が、私の体に眠る不安定な異世界魔力と、完全に

「化学反応」を起こしてしまったのだ。




「ぶふぉんっ!!」 




市場に激しいピンク色の煙が立ち込める。




「ケホケホ……うわ、何だこれ!?」



「おやおや……魔法が派手にはじけたみたいだね」



 煙が薄れていく中、現れたのは――

やはり、お揃いのドレスを着た可愛い

8歳児ショタトリオのままだった。



 けれど、お父様の魔法を拒絶したバグが一時的に激しくスパークしたせいで

3人が身にまとっているパステルカラーのドレスや、ツインテ・ポニテ・お団子ヘアのビジュアルが、より一層きらきらと輝きを増して完璧に固定されてしまっている。




「きゅっきゅきゅ……!

(う、うう……尊い……!

元に戻るどころか、化学反応で可愛さが限界突破して

完全固定されちゃってるよぉ……!

お父様、素晴らしいハプニングを

ありがとうございますっ!!)」



 あまりの尊さの暴挙に私が悶絶した

その瞬間、脳内にあの無機質なシステム音声がけたたましく鳴り響いた。




『ピンポンパンポーン! 警告:想定外の魔力干渉による重大な愛されハプニングが発生しました。

あなた様の魔力値がさらに【2】

大アップしました』




(検あああ!? ここで魔力値が2も上がるの!? 嬉しいけど、お父様の魔法でもビクともしないなんて、バグが本格化しちゃってるよぉぉぉ!) 




市場の真ん中でこれ以上の女装姿のまま大混乱を晒し続けるわけにはいかない。




私たちは魂が口から抜けかけている

お父様とお母様を半分引きずるように

して、大慌てで一度宿屋の部屋へと避難することにした。 




宿屋の部屋に戻り、鍵をかける。 



ようやく一息ついたところで、私は

ジント様のポケットからぴょこんと抜け出し、うさぎの体のままベッドの上に

座った。



そして、何が起きているのか

「日替わり変身バグ」の経緯を、一生懸命に短い前足を動かし、長い耳をパタパタさせながらご両親に一から必死に説明した。



「きゅきゅぅ、きゅいっ!

(こういうバグがあって、私が魔力を

上げないとみんな元に戻らないんですっ!)」 



うさぎの言葉なので、人間の言葉としては鳴き声になってしまうのだけれど

私の必死の身振り手振りと、ふにふにとした白い毛並み、そしてうるうるした

虹色の瞳で一生懸命お喋りする姿を見た瞬間――。



「「――きゅ、きゅきゅんっっ!!!

(胸キュン)」」 



お父様とお母様が、同時に胸を押さえてその場に卒倒しかけた。



「あ、あなた……! 萌ちゃんが……我が家の愛娘が、真っ白でふわふわのうさぎさんになって一生懸命お喋りしているわ……! なんて、なんて愛らしいの……っ!」



「あ、ああ……! 息子たちの女装ドレスにも驚いたが、うさぎ姿の萌がこれほどまでに破壊的に可愛いとは……!

我が娘ながら、きゅきゅんが止まらんぞ……っ!」




 お父様とお母様は完全に目がハートになり、大パニックから一転して親バカ

全開のメロメロ状態に。



さっきまで魂が抜けかけていたお父様も、うさぎの私をそっと両手で包み込みたい衝動と必死に戦っている。



(うわぁぁぁ!? お兄様たちだけじゃなくて、私のうさぎ姿までご両親にクリティカルヒットしちゃったよぉ!

この家族、本当に可愛いものに弱すぎるぅぅっ!)



「なるほど……萌を助けに行った代償として、そんな妙なエラーバグが発生して、1日ごとに姿が変わってしまっているのね……」 



お母様が萌ちゃん(うさぎ)をツンツンと優しく撫でながら、ようやく合点が

いったというように、ちっちゃいドレス姿の8歳児3人を見つめる。



「ならば、今度こそ慎重に、宿屋の静かな環境でバグの修正を試みるべきだ。

私の魔力とお前の解析魔法を合わせれば、今度こそバグの書き換え

(元の姿への修正)ができる幕開けに

なるかもしれない!」



 正気に戻ったお父様が真剣な顔で

提案し、8歳のアレクにい様もコクリ

とうなずいた。



 お父様とおアレクにい様が手を取り

合い、宿屋の部屋の中央で、バグを無理やり修正するための大がかりな魔法陣を展開する。 




ジント様とライダにい様アレク兄様も

魔法陣の中心に立ち、元の完璧な美男子の姿に戻るべく、全神経を集中させた。




「システムエラーの修正魔法

展開……!!」 



お父様の叫びとともに、部屋中が眩い青い光で満たされる。



今度こそ元に戻るはず――! と、私も

みちゃーれも固唾をのんで見守った。 



しかし。


「バ、バカな……!? 魔法が弾かれる……っ!?」 



お父様が目を見張った瞬間、魔法陣が

バリバリと音を立てて激しく拒絶反応を起こし、光が「ぼふんっ!」と黒い煙を上げて霧散してしまった。



「ケホッ、ケホッ……やっぱりダメか。頭の中のシステムが言っていた通り

萌ちゃんの魔力上げを行わない限り

外部からの魔法での修正は完全に

シャットアウトされるみたいだね……」



 ツインテールを揺らしながら、8歳のジント様がぶかぶかの袖で顔を覆って

小さくため息をつく。 



バグの修正は大失敗。



3人は8歳児のフリフリドレス姿の

まま、元の姿にはピクリとも戻らなかった。



 足元では、猫のみちゃーれが

「みゃ〜(そう簡単に直ったら苦労は

しないみゃお。お散歩して地道に魔力を上げるしかないみゃおね……)」と

諦めきった顔で肉球をペロペロと舐めていた。



 ――それから、のほほんで怒涛の

1日が終わった。 



宿屋での修正に失敗したあとも、ご両親を交えて次の作戦会議をしたり、市場で貰いすぎたお菓子をみんなで食べたり

しているうちに、夜はあっという間に

更けていった。 



静まり返った深夜の宿屋。 



ベッドの上では、今日1日たくさん歩いて、たくさんお菓子を抱えて疲れてしまった8歳児ドレス姿のアレクにい様と

ライダにい様、列席のジント様が

すやすやと可愛い寝息を立てて眠っている。 



その隣では、お父様とお母様も

「明日こそは……」と疲れ果てて眠りについていた。 



みんなが完全に寝静まったのを確認して、私は静かにベッドから抜け出した。



 うさぎの小さな足で、月明かりだけが優しく差し込む部屋の片隅へと向かう。




 部屋の壁に掛けられた、大きな姿見

(鏡)の前。



昼間はドタバタしていて、自分の姿を

ゆっくり見る暇さえなかったのだ。


(……みんなをこんな可愛い姿に変え

ちゃって、本当に申し訳ないなぁ。

でも、私の魔力上げで直るなら、明日からもお散歩頑張らなきゃ) 



そう思いながら、私は鏡に映る自分の

うさぎ姿を見つめた。 



そして――私は、昼間には気づかなかった「ある異変」に気がついて、小さく

息を呑んだ。 



鏡の中の白い子うさぎの、その丸い背中のあたり。 昼間の市場で魔力を獲得したせいなのか、それともバグの影響なのか。ほんのりと、だけど確かに、小さな光の粒子がピカピカと不思議な紋章の

ように輝き始めていたのだった。


(……えっ……!? これ、一体……なんなの……っ!?)


(第114話終わり)

第114話をお読みいただきありがとうございました!

お父様の解除魔法が萌ちゃんの魔力とまさかの化学反応を起こし、元に戻るどころかバグが加速して

【8歳児ドレスショタ三姉妹】のビジュアルがより完璧に固定されてしまいました!


しかも、一生懸命お喋りする白うさぎ姿の萌ちゃんに

お父様お母様が「きゅきゅんっ!」とハートを撃ち抜かれる親バカ大爆発ハプニングまで発生(笑)。


そのおかげで萌ちゃんの魔力値は2も大アップ

しました!


宿屋での全力の修正魔法は弾かれてしまいましたが

ラスト、静まり返った部屋の鏡の前で、萌ちゃんは自分のうさぎの体に『ある光の異変』を見つけてしまいます……!


萌ちゃんのこの驚きのリアクションのまま、お話は幕を閉じます。


「ご両親のきゅきゅん反応が最高!」


「ラストの鏡を見る終わりの引きが気になる!」

と思ってくださった方は、ぜひブックマークや評価の

【☆☆☆☆☆】で応援していただけると、萌ちゃんの

背中の光がもっと輝くエネルギーになります!


次回、この姿のままご両親とどう過ごすのか、そして萌ちゃんの異変の正体とは!?お楽しみに!

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