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第10話逃亡劇の終わりを告げる後編

いつもお読みいただきありがとうございます!前編のラスト、棚に隠れたものの謎の激痛と熱さに襲われてしまった萌ちゃん。お屋敷全体を揺るがす大異変の中、萌ちゃんが叫んだ言葉とは――。怒涛の展開を迎える第10話・後編、スタートです!

「んむぅ、あちゅい……からたのなかでなにゃにか出たそうにしてる…」

私は、内側から体温が燃え上がるような激しい熱感に襲われていた。

ただスプーンから逃げ出したくて、

この棚に隠れただけなのに……

かみちゃまのいじわるぅ。


私は必死にその熱さに耐えようとしていたが、体の奥からせり上がってくる熱量は変わらず、ただただもがき苦しむことしかできなかった。


その時、お屋敷全体がガタ、た、ガタガタと激しく鳴り響いた。


「!? なんだ! この地震のような揺れは! ……まさか、萌ちゃんなのか?」

お父様は突然の大きな揺れに驚いてはいたが、これが普通の地震ではなく、愛娘である萌ちゃんから放たれている未知の気配アウラであることを本能的に

感じ取っていた。


「きゃっ!? なにこの揺れ、屋敷がすごく揺れているわ! 皆大丈夫かしら」


お母様はあまりの衝撃にびっくりしてその場に尻もちをついてしまったが、幸いにも怪我はなく、すぐに自分の子供たちの安全を心配して声を上げる。


「うぉ、なんだこの揺れ? 大きな

揺れだな」


「ライダ、大丈夫か? ……待て、この揺れ、俺たちにまったく害をなさない揺れだな。なんでだろう」


アレクお兄様とライダも驚きを隠せなかったが、すぐに奇妙な点に気がついた。これほど大きな揺れなのに、壁の飾り

一つ落ちてこない。まるで、誰かが必死に「誰も傷つけないように」と、周囲への影響を力ずくでコントロールしているかのような、優しくて温かい魔力の波動だったのだ。


(萌ちゃんは自分がこんなに苦しいのに、私たちの身を案じて魔力を抑えてくれているのか……っ!?)

大人たちは、萌ちゃんのあまりの健気さと優しさに(勝手に)涙し、さらに愛おしさを爆発させていた。


……が、実際のところ、棚の中の萌ちゃん(中身アラサー)はそれどころでは

なかった。

(ひえええ! お屋敷がガタガタ言ってる! 弁償!? 公爵邸の修理費なんていくらになるのよ!? 幼児の私に自己破産は早すぎるわよーーーっ!!)


という、前世の社畜精神が染み付いた大人としての現実的な恐怖が、無意識に魔力を抑え込んでいただけだったりする。


しかし、ついに限界が訪れた。

「んぅんんっ、やぁ、あちゅい……たちゅけて、アレクにいぃ!」


その小さな悲鳴が廊下に響き渡った瞬間、アレクお兄様の目が完全にガチになった。「萌ちゃんーーーっ!!」

へっぴり腰でジリジリと追いかけていた姿はどこへやら、我が身の危険など目

もくれず、凄まじい速度で廊下を

激走した。

バシャァアン!!

「萌ちゃん!! もう大丈夫だ! お兄様がここにいるよ!!」


棚の扉が乱暴に開け放たれ、お兄様が

私をきつく抱きしめる。同時に、お兄様の冷たくて心地よい魔力が体内に流れ込んできて、私の体の熱がすうっと引いていくのが分かった。


お屋敷をガタガタと揺らしていた暴走魔力も、静かに収まっていく。

(あ……たすかった……)


ほっと胸をなでおろした、その

時だった。私の体から完全に魔力が

引き抜かれる直前、行き場のなくなった光のエネルギーが、お兄様と私の間に

ぽつんと集まったのだ。


「……んぅ? なにゅこれ……?」熱が引いた棚の床の上に、コロン、と転がったもの。それは、さっきの桜色とゴールドの光をそのまま閉じ込めたような、手のひらサイズの小さな、綺麗な卵だった。


「これは……萌ちゃんの魔力が結晶化した……卵……?」


抱きしめてくれていたお兄様も、それを見つけて驚きに目を見張っている。


一体、私の魔力から何が生まれて

しまったの!?


(う、嘘でしょ……ただスプーンから逃げたかっただけなのに、卵まで産んじゃうなんて聞いてないわよーーーっ!?)そんなアラサー心の絶叫を最後に、

私は急激なエネルギー切れによる眠気に襲われ、今度こそストンと意識を失ったのだった。

10話の後編をお読みいただきありがとうございました!萌ちゃんの熱の正体は、なんと規格外な魔力の暴走でした!大人たちが萌ちゃんの(勘違いの)優しさに感動する中、お兄様のおかげでなんとか一命を取り留めた萌ちゃん。……ですが、最後に残された「謎の小さな卵」はいったい何なのでしょうか!?ただスプーンから逃げたかっただけなのに、とんだ大事件になってしまいましたね(笑)。これで第10話は前後編合わせて無事に完結となります!「萌ちゃんお疲れ様!」「卵の正体が気になる!」と思ってくださった方は、ぜひ評価やブックマーク、感想などで応援していただけると執筆の励みになります!次回の第11話もお楽しみに!

ごめんなさい萌ちゃんがどんな風に過ごして行くのか

の小説ですが、おやすみさせていただきます!

1日程休みをします

6月3日にまた投稿します

休んでしまいすいません!

6月3は2話連続投稿いたします

お詫びなので喜んでいただけら嬉しいです

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