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『第103話 サビついた鍵と頑固な店主! 天才赤ちゃんの即席スイーツ対決』

いつも応援ありがとうございます!


前回、大市場グランマルシェの奥深くに隠された

薄暗くて怪しい骨董品街へとやってきた萌ちゃんたち。


第103話は、元の姿(お姉さん)に戻るための最初の手がかりを見つける大勝負!


萌ちゃんがある一軒の古びた店に、ピンク色に光る

【不思議な本】を発見します。


必死に足をバタバタさせて「あれが欲しい!」と伝える萌ちゃんですが、過保護なお兄ちゃんたちは、お店の

雰囲気の悪さに目をうるうるさせて大反対!?


さらに、店の奥からは一筋縄ではいかないドワーフ族の頑固店主が現れて、「俺の心を震わせるようなスイーツを作ってみせろ」と無理難題を突きつけてきます。


お兄ちゃんたちの過保護っぷりと、天才赤ちゃんパティシエ萌ちゃんの即席お菓子テロが大炸裂する、見どころ満載の第103話をお楽しみください!

ジント様に抱っこされながら、不思議な古い匂いが漂う妖しげな路地裏を進んでいくと、ある一軒の、ひときわ古びた

小さな骨董品屋の前を通りかかった。


その瞬間、ドクン……! と、私の胸の奥で、前世から持ってきたパティシエの

魔力が大きく跳ね上がった。


露店の隅っこに転がっている、一冊の

古びた本。


見た目は真っ黒くてボロボロなのに、私の目には、その本のまわりだけ淡くて

綺麗なピンク色の光がふわふわと灯って見えるのだ。


(間違いない……! あの本、私の魔力に反応してる……!)


私はその店に短いおててで指をさして

自分が求めているものがそこにあることを必死に伝えた。


「ばうあうぅう!!(あ、あれ! あの

ピンクに光ってる本……見た目は黒いけど、きっと私が求めてる物だと思う!)」


言葉はまだ赤ちゃん言葉だけど、私は

ジント様の腕の中で、お兄様やジント様に向かって必死に足をバタバタとさせながらアピールした。


「ん? 萌、この店がいいのか? でも

ここ雰囲気悪ぃし、萌に悪影響を及ぶんじゃあねぇの?」


ライダにい様はじーっと店の中を覗き込み、怪しげな店の雰囲気やカウンターの奥に見える店主の顔を見ながら、あんまり良くない店だなと決めつけていた。


大切な妹をこんな薄暗い場所に一歩も

入れたくないらしい。


「も、萌ちゃんほんとに? この店なの? ここじゃあなくてもっといい店探そうよ……」


アレクにい様は私の顔を見つめながら

もっと綺麗で賑やかな場所に入ろうと

なんと目をうるうるさせながら必死に

お願いをしてきた。


天才お兄ちゃん、萌ちゃんが心配すぎて泣きそうである。


「ばぶーっ! あぅあぅ!(ちがうの

あそこにある本が欲しいのーっ!)」


私がさらに激しく足をバタバタさせて

お店を指差すと、ジント様が優しく私の背中をあやしながら微笑んだ。


「ふふ、お兄さんたちは心配性だね。

でも、萌ちゃんがこれだけ必死に求めているんだ。ただの悪影響がある場所ではなさそうだ。行ってみよう」


ジント様が私を抱いたまま一歩踏み

出すと、お兄ちゃんたちも

「くっ、萌ちゃんがそこまで言うなら……」と渋々ついてきてくれた。


ジント様がお忍び用マントの隙間から

その真っ黒い古びた本を拾い上げようとした。


――だが、その瞬間。


「おいおい、勝手に触んじゃねえよ。

そいつは売り物だ」店の奥の薄暗い

カウンターから、不機嫌そうなダミ声が響いた。


現れたのは、立派なヒゲを蓄え、腕組みをしたドワーフ族の頑固そうな店主

だった。


その目は鋭く、いかにも「一筋縄ではいかない偏屈な職人」といったオーラを

放っている。


ジント様は慌てることなく、気品あふれる笑みを浮かべて懐から財布を取り出した。


「これは失礼した。この本を譲ってほしいのだが、いくらだい? 金貨10枚……いや、100枚でも構わないが」


「ふん、金の問題じゃねえ。俺の店に

あるもんは、俺が価値を認めた奴にしか売らねえ方針なんだよ。


そこの黒い本はな、大昔の魔法使いの

遺品で、普通の奴にゃあ中身すら読めねえ強い封印がかかってやがる。


お前らみたいな、ただの金持ちの道楽に渡すわけにゃあいかねえな」


店主はフンと鼻を鳴らし、取り付く島もない。


ライダにい様が拳をポキポキ鳴らすのをアレクにい様が止め、ジント様も少し

困ったように眉をひそめる。


(う〜ん、困ったなぁ。金貨でもダメなら、どうすればいいんだろう?)


私がジント様の腕の中でうなってい

たら、頭の上のみちゃーれが

「みゃあ(萌、あいつのお腹の音を聞くにゃ)」と耳元で囁いた。


よく見ると、頑固店主はお腹を少しさすっている。


どうやらお昼ご飯を食べ損ねて、かなりお腹が空いているみたいだ。


不機嫌なのはそのせいもあるらしい。

ドワーフといえば、美味しいものに目がないことで有名だ。


「……なぁ、あんた。どうしてもその本が欲しいってんなら、条件を教えてやる。俺は朝から何も食ってなくてな。


俺の心を震わせるような、この世にない最高に美味い【スイーツ】をここで

作ってみせろ。もし俺が満足したら

その本はタダでくれてやる。

できなきゃあ、さっさと立ち去りな!」


店主は意地悪そうにニヤリと笑った。


骨董品屋の店先で、道具も何もないところで「最高のお菓子を作れ」という無理難題。


だが、店主は相手を間違えていた。

私の前世はプロのパティシエ。


そして今世は、神様からお菓子作りの

ための特別な魔力を授かった天才

赤ちゃんパティシエなのだ!


「ばぶーっ!(よし、萌におまかせあれー!)」


私はやる気満々でジント様の腕から降ろしてもらい、お忍びマントをパサリと

脱ぎ捨てた。


店主が目を丸くして驚愕する中、アレクにい様が即座に簡易的な『火の魔法』と『氷の魔法』の魔導陣を空間に浮かび上がらせてくれた。


簡易的なオーブンと冷蔵庫の完成だ。


材料なら、お忍びカバンに最高級の砂糖や新鮮な卵とミルクが入っている。

(よし……マカロンの技術を応用して、その場で作れる最高に濃厚な

『即席フレンチトースト・マカロンクリーム添え』を作るぞ!)


私はちっちゃなおててを動かし、卵と

ミルク、魔法の砂糖を絶妙な比率で混ぜ合わせ、近くにあった白パンを浸した。


そして、アレクにい様の火の魔法の

熱で、外はカリッと、中はじゅわっと

焼き上げる。仕上げに、昨日作った木苺のマカロンの濃厚なピンク色のクリームを、焼き立てのパンの上にトロンと贅沢に乗せた。


じゅわあああ……と、お砂糖が焦げる極上の香ばしい香りと、木苺の甘酸っぱい香りが路地裏に爆発的に広がっていく。


「な、なんだこの暴力的なまでに甘い匂いは……ッ!? 匂いを嗅ぐだけで

ヨダレが止らねえ……!!」


頑固店主の目がカッと見開かれ、お腹がグゥゥゥと盛大に鳴った。


「ばぶーっ!(はい、召し上がれ!)」


お皿に乗せた即席スイーツを店主に差し出すと、店主はガタガタと手を震わせながら、思い切り口に放り込んだ。


サクッ。じゅわぁぁっ。とろ〜ん。


「ひぎゃあああーーーーっ!?!?!?」


店主は叫び声をあげて、その場にドスンとひざまずいた。


「な、なんだこれはぁぁっ!? 外はカリッとしているのに、中は飲み物かと思うほどじゅわっととろける……!

それにこの上に乗ったピンクの

クリーム……! 美味い、美味すぎる……!!」


店主はボロボロと大粒の涙を流しながら、夢中でお皿を舐めるように完食してしまった。


「参った……降参だ……! これを作ったのが、まさかこんな小さな赤ちゃん様

だったなんて……!」


店主は両手を合わせて私を神のように

拝むと、露店の隅からあの黒い本を取り、恭しく私に差し出してきた。


「約束だ。この本はあんたのもんだ

天才赤ちゃん様……!」


「ばぶぅ!(ありがとう!)」


私がその真っ黒い本に小さなおててで

触れた、その瞬間。


黒ずんでいたはずの古い本が、眩いピンク色の光を放ち始め、私の胸の奥の魔力と激しく共鳴を起こしたのだった。


(第103話 完)

第103話をお読みいただき、本当にありがとうございました!


骨董品街で萌ちゃんが見つけたのは、見た目は真っ黒なのに萌ちゃんの目にだけピンク色に光る【不思議な本】でした!


お店の雰囲気を心配して「萌に悪影響が……」と唸る

ライダにい様や、目をうるうるさせて

「もっと賑やかなお店に行こうよぉ」と引き止める過保護なアレクにい様のやり取り、ラジ家のお兄ちゃんたちの溺愛っぷりが全開で最高に可愛かったですね!


頑固なドワーフ店主の無理難題に対しても、萌ちゃん

自慢の『即席フレンチトースト・マカロンクリーム添え』で見事に胃袋をノックアウト!


無事に手に入れた謎の本ですが、萌ちゃんが触れた瞬間にまばゆいピンク色の光を放ち始めました。


この本には、一体どんな元の姿に戻るためのヒントが

隠されているのでしょうか……!?


一方その頃、お父様とお母様の爆走馬車はものすごい

スピードで国境を越え、グランマルシェへと迫ってきています(笑)。これからの新展開もどうぞお楽しみに!


新章大盛り上がり!応援のお願い

「お兄ちゃんたちの過保護なうるうる顔が目に浮かんで最高!」


「即席スイーツでドワーフがガチ泣きするのスカッと

した!」「光り出した本の中身が気になる!」

という方は、ぜひページ下部から、・ブックマーク

登録・評価(☆☆☆☆☆を★★★★★に!)をポチッとよろしくお願いいたします!


皆様の熱い応援の星(★)が、萌ちゃんが謎の本の封印を解き明かし、元の姿に戻るための最強の魔力になります。これからも萌ちゃんたちの冒険をどうぞよろしく

お願いいたします!

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