『第102話 謎のヒントはグランマルシェに? 天才赤ちゃんの秘宝探し!』
いつも応援ありがとうございます!
前回はお留守番中のパパとママの親バカ大暴走
(特別編)をお届けいたしましたが、今回から再び
グランマルシェの萌ちゃん視点に戻ります!
ついに新章へと突入する第102話。マカロンの匂いに釣られてやってきた料理長やホテルのスタッフたちを入れた【試食会】は大盛況! みんな大満足でゾロゾロと自分の持ち場に戻っていき、部屋に残された萌ちゃんたちは
マカロンの余韻に浸りながらほっこりタイム。
お兄ちゃんたちの食いしん坊な会話や、ジント様からの甘〜い感謝の「ちゅっ」に萌ちゃんが身悶えしたあと
物語は「元の姿に戻るための秘宝探し」へと動き出します!天才赤ちゃんパティシエ萌ちゃんの、新たな大冒険がここから始まります!
マカロンのあまりにも甘く魅力的な匂いに釣られて押し寄せてきた料理長や
ホテルのスタッフたちを部屋に入れ
私たちは臨時の【試食会】を開催した。
結果は、言うまでもなく大・大・大成功!異世界の誰も食べたことのない極上スイーツの前に、大人たちは涙を流して感動し、みんな大満足した様子でゾロゾロとそれぞれの持ち場へと戻っていった。
嵐のような大騒ぎが去り、部屋の中は
とうとう、私たちいつものメンバーだけになった。
「ふぅ〜! マカロン美味しかったぜ!
あのサクッとした食感に、口の中でとろけるマカロン、まだ食べたいけど……
この後夜ご飯もあるしな」
ライダにい様は両手を上に突き上げ
気持ちよさそうに背伸びをして身体を
伸ばしていた。
マカロンの美味しさを思い出すだけで
また食べたくなってしまうらしいけれど、この後に控えている美味しい夜ご飯のために、これ以上は多く食べないようにと必死に我慢しているみたいだ。
「たしかにあのマカロンは、もう一度
食べたくなる味だよね。……僕はもう
20個も食べたから、夜ご飯が入るかな?」
「おいアレク、お前いつの間にそんなに食ってやがったんだよ!?」
アレクにい様がうんうんと真面目な顔で頷きながら、衝撃の告白をした。
スマートな顔をして、実はマカロンを
20個も爆食いしていたお兄ちゃん。
ライダにい様が我慢している横で、自分の夜ご飯の心配をしているギャップが
ちょっと面白い。
そんなお兄ちゃんたちのドタバタを
見つめながら、ジント様が私を優しく
抱き上げた。
「僕の婚約者の萌でもあるけど、天才的な才能と、前世の記憶があったからこそできたマカロンだったね。ありがとう
萌」
ジント様は私に心からの感謝を伝え
ながら、私のモチモチとした柔らかい
ほっぺに、ちゅっと音を立てて優しく唇を当ててくれた。
(ふぇええっ!? ジ、ジント様、いきなりの不意打ちちゅーは心臓に悪いよぉ……っ!)
言葉は「ばぶばぶ」しか言えない
けれど、前世は普通の女の子だった私だ。
イケメン公爵様からの甘すぎるスキンシップに、お顔がマカロンみたいに真っ赤になってしまう。
私のおてての中で、すっかり元気に
なったみちゃーれが「みゃあ(ジント、萌を独り占めするな、にゃ)」と抗議するように尻尾をパタパタさせていた。
幸せなマカロンの余韻に包まれながらも、私は小さなおててをギュッと握りしめた。
マカロンは大成功した。だけど、私には次なる大きな目標がある。
それは、神様が言っていた『ある物』を探し出して、この不便な赤ん坊の姿から元の姿(お姉さん)に戻ることだ。
(お姉さんの姿に戻れたら、もっと自由にいろんなお菓子が作れるようになるはず! だけど、そのお宝が何なのかも
どこにあるのかも全然わからないんだよね……)
「萌ちゃん、どうしたんだい? そんなに眉間にシワを寄せて、難しい顔をして」
ジント様が私の顔を覗き込む。
「あぅー、ばぶばぶ!(ジント様、お宝を探したいの!)」と大真面目に訴えてみるけれど、口から出るのはやっぱり
可愛い赤ちゃん言葉だけだ。
「おい、アレク。萌ちゃんが何か言いたそうだぞ。お前の得意な『翻訳魔法』でなんとかならねえのか?」
ライダにい様が鋭い目を向けると
アレクにい様は机の上でグランマルシェの分厚い地図を広げ、スマートに眼鏡を押し上げて首を振った。
「僕の翻訳魔法は感情のニュアンスを
読み取るのが限界だよ。でも、萌ちゃんが何か大切なものを探そうとしている
こと、そして神様から授かったという
パティシエの魔力が、何かと共鳴しようとしているのは分かる。
……神様が暗示していた大市場
グランマルシェ。
ここには世界中の珍しい魔道具や、出所不明の秘宝が集まる巨大な【骨董品街
(アンティーク・エリア)】があるんだ。萌ちゃんの魔力に反応する
『ある物』を探すなら、まずはそこを
歩いてみるのが一番確実だと思うよ」
「なるほどな! さすがアレク、話が
早ぇ! よし、萌ちゃん、俺が抱っこしてその骨董品街ってところに連れてって
やるからな!」
ライダにい様がガタッと立ち上がったが、ジント様がピシャリと扇子でそれを遮る。
「待ちなさい、ライダ。骨董品街は少し治安が悪い。それに、さっきのマカロンの試食会で噂が広まり、ホテル周辺には萌ちゃんを一目見ようと野次馬が集まり始めているんだ。
萌ちゃんをお忍び用の最高級魔導マントで包んで、気配を隠して出かけよう。
もちろん、私が萌ちゃんをしっかりと抱っこしてエスコートするよ」
「はぁ!? なんでお前が抱っこなんだよ!」
「ジント様、どさくさに紛れてまた萌ちゃんを独占しようとするのは感心しないな」
お兄ちゃんたちが一斉にジント様を睨みつけ、部屋の中が一触即発のピリピリ
した空気モードになる。
みちゃーれは「にゃーん
(やれやれだにゃ)」と呆れたように
前足で顔を洗っていた。
「ばぶーっ! あぅあぅ!(みんなケンカしちゃダメ! 早くお宝探しに行こーっ!)」
私がジント様の腕の中でパタパタと両手を振ってご機嫌に笑うと、大人たちは
一瞬でメロメロになり
「萌ちゃんがそう言うなら……」と一瞬で武器を収めたのだった。
赤ちゃんスマイル、最強である。
こうしてジント様の特製マントに包まれた私は、みんなと一緒にホテルの裏口
からこっそりと抜け出し、グランマルシェの奥深くに隠された【骨董品街】へ
と足を踏み入れた。
そこは、普段の賑やかな市場とは打って変わって、少し薄暗く、不思議な古い匂いが漂う妖しげな路地裏だった。
見たこともない怪しい魔石や、ボロボロの古文書などが露店にズラリと並べられている。
ジント様に抱っこされながらキョロキョロと周りを見渡していると――
ある一軒の、ひときわ古びた小さな骨董品屋の前を通りかかった瞬間だった。
ドクン……! と、私の胸の奥で、前世
から持ってきたパティシエの魔力が
今までにないほど大きく跳ね上がった。
(えっ……!? な、なにこれ、胸が
熱い……!?)
「みゃあうっ!?(萌、なんか凄い魔力を感じるにゃ!?)」
頭の上のみちゃーれが、ピクッと耳を立てて毛を逆立てる。
同時に、私の視線はある露店の隅っこ
に転がっていた、黒ずんだ
【一本の古い古びた本】に完全に釘付けになっていた。
見た目はただのサビついた鉄の本。
だけど私の目には、その本のまわりだけ、淡くて綺麗なピンク色の光がふわ
ふわと灯っているように見えたのだ。
「……萌ちゃん? どうかしたかい?」
私の様子が一変したことに、ジント様がいち早く気がついて足を止めた。
アレクにい様とライダにい様も、鋭い
視線でその古い本を見つめる。
(間違いない……! あの本、私の魔力に反応してる……!)
私は短い手を一生懸命に伸ばし、その
錆びついた本を指差して、ありったけの声で叫んだ。
「ばぶぅーーーっ!!!(みんな
あれ!! あれが萌の探してるお宝だよーーーっ!!!)」
天才赤ちゃん萌ちゃんの、元の姿を取り戻すための秘宝探し。
グランマルシェの薄暗い路地裏で
ついに運命の第一の手がかりが激しく輝きを放ち始めるのだった。
(第102話 完)
第102話をお読みいただき、本当にありがとうございました!
ついに新章『グランマルシェの秘宝探し編』が本格的にスタートいたしました!
前半の試食会終わりのまったりタイムでは、ライダにい様が夜ご飯のためにマカロンを我慢している一方で
アレクにい様がすでに20個も完食していたという衝撃の事実が発覚(笑)。
そして、ジント様からの「ありがとう」の言葉を添えたほっぺへのちゅーなど、ラジ家の仲の良さと甘い雰囲気にニヤニヤが止まらないスタートになりました。
お忍びマントに身を包んでやってきた骨董品街では
萌ちゃんの魔力にだけピンク色に反応する「古い本」との運命的な出会いが!
一方、前回の特別編で爆走し始めたお父様とお母様も
大量のお土産を持ってこちらに猛追してきています。
一体この本の秘密とは? そしてご両親の合流はどうなるのか、これからの展開もどうぞお楽しみに!
新章開幕!熱い応援のお願い
「アレクにい様が20個も食べてて笑った!」
「ジント様のほっぺちゅーが甘すぎて最高!」
「謎の本の正体が気になる!」という方は、この
新しい大冒険の始まりに、ぜひ作品への最大の応援を
お願いいたします!
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元の姿に戻るための最大の幸運エネルギーになります。
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これからも萌ちゃんたちの冒険をどうぞよろしくお願いいたします!
そして9月3日木曜日はおやすみ致します
9月4日金曜日からまた投稿いたします
よろしくお願いします




