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白内障と緑内障の手術  作者: 夏目 碧央


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困った事はありませんか

 時刻は2時。6時頃の夕食まで暇である。もう飲食の制限はないと言われたので、早速水を飲んだ。だが、それ以外にやる事はない。目薬を点す以外は。

 家族などから手術が終わったか、という連絡が来ていたので返事をしたり、SNSに投稿していたのでリプライをもらい、その返事をしたりした。それから、本を読んでみた。しかし、左目に合わせて近目をすると、右目をつぶっていても何だか痛い。瞼の中で寄り目になっているのだろうか。目の中に傷があるのだから、あまり目を動かしたりすると痛いのだろう。本は辞めだ。

 右目がだんだんと見えるようになってきた。まだぼやけるが、徐々にカーテンの向こうが見えてくる。明らかに、左目の裸眼よりも遠くがよく見えた。徐々に見えてくる事にドキドキした。だが、逆に部屋の中がよく見えないのが心配になった。こんなに中距離が見えないのだろうか。まだ瞳孔が開いているから分からないが。どんな見え方になるのか。

 お休み時間の2時間よりも、この後の方が長くて退屈だったか。やはり音楽を聴くしかない。また推しのアルバムを聴き、その後、合唱曲やピアノ曲にまで手を出した。5時頃に辞めて、今度は小説のネタを考え始めた。そうなのだ。私には目を使わずにやれる事がもう一つあったのだ。新作のネタを、ただ考えていた。あまり、まとまらなかったけれど。

 そういえば、同室者のうち二人が退院した。二つ隣の人もいつの間にかいなくなっていた。そういえば、暇な時間を持て余していた時の事。誰か男性が来て、患者さんに、

「何か困った事はありませんか?」

と、聞いているのが聞こえた。音楽を聴いていてよく聞こえなかったのだが、病院の今後に活かすからどうの、みたいな話を最初にしていたみたいだ。この後私のところにも聞きに来るのかと思って、一度音楽を止めた。聞かれた患者さんは、あまり困った事はないと言いつつも、

「しいて言えば、暗いという事ですかね。」

と言っていた。確かに、本を読もうとしても暗くて不便を感じた。後ろに蛍光灯はあるのだが、ベッドをリクライニングしている状態では手元を照らしてくれないのだ。聞きに来た男性は、目に優しい照明にしている、みたいな事を丁寧に説明していた。この人、もしかして院長先生とか、偉い人なのかなと思った。私は何を言おうか考えた。その時は枕が低すぎる、くらいしか思い浮かばなかったが、後から考えたら看護師さんによって話が違う事や、朝食が遅い事など、困った事は色々あった。だが、私の所には来なかった。私が手術後でお休み中だと思ったのかなと思ったが、多分他の人にも聞いてなかったのではないか。そうか、退院する時に聞かれるのか、などと思ったのだった。しかし、退院は午前中だし、実際私が退院するまでには誰も困った事を聞きとりに来た人はいなかったのだった。


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