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白内障と緑内障の手術  作者: 夏目 碧央


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右目の手術

 さあどうぞ、と言われて車いすに乗った。なんか、今までいそいそと歩いてきたのに急に変な感じ。左目の透明な眼帯は、先ほど部屋で外されたが、ここでメガネも外して看護婦さんに預けた。うん、これは車いすに乗った方がいい。良く見えない。

 エレベーターで異動しながら、

「歩けるのに車いすに乗るなんて、なんか変ですね。」

とか、口数の多い私。緊張しているのかもしれない。車いすは初めてですかと聞かれて、

「出産の後に乗りました。あの時も歩けるのに車いす?と思ってびっくりしてー」

しゃべり倒す私。そして手術室に到着。名前や手術の内容などの確認を行い、オペ台へ。右耳には水が入らないように耳栓。使い捨ての帽子をかぶせられる。お!なんと、靴を履いたまま座る感じのオペ台だったか。半年ほど前、ここでばね指の手術をしたのだが、手の指の手術だから座ってするのかと思いきや、ベッドにガッツリ寝かされたのだった。今回は上を向くのだから寝かされるものと思っていたが、美容院のシャンプー台みたいな椅子に座らされたのだった。

 ここにいる皆さん、同じ帽子に白衣姿で、誰が誰なのか分かりにくいが、ふいに知った声で、

「よろしくお願いします。」

と言われて、横に手術をしてくださる先生がいる事を知った。感じの良い、優秀な緑内障の専門家の女性の先生である。

 まず、麻酔の目薬を点された。そして台が倒される。ここは何だか冷房の風が吹いていて寒いかも、と思ったが、タオルを掛けられて、まあまあ。

「今、タオルを2枚掛けたのですが、寒いですか?あとビニールが一枚被せられますが。」

と、看護師さんに聞かれた。大丈夫だと答えた。そんな長時間ではないし。だが、タオルは細長く、台と足の隙間がちょっと寒い。と、そこでガバッと大きなビニールシートのような物が掛けられた。おぉ、これで全く寒くない。風が完全に遮断された。更に顔にもシートが被せられる。穴が開いているシートで、その穴は当然右目を出す為にあるのだ。

「細かい作業をするので、くしゃみとか咳が出そうになったら、まず声で教えてくださいね。」

と先生に言われる。入院して最初の説明の時にも言われたことだ。しかし、その説明の時には点滴をすると言われて、薬を流すかどうかは先生の判断だ、点滴は翌日までそのまま、という事だったが、手術が始まろうとしているのに、点滴の用意はされなかった。ただ、左腕には血圧計、右手の人差し指には血中酸素濃度を測る機械が付けられた。それと既に胸に心電図を測るための電極も貼られている。

「まつ毛を留めますね。」

と言われて、テープで固定された。目を開けたままにしておけるのか、と疑問だったが、特に瞬きをしてしまったという感じはしなかった。そして、

「注射しますね。」

と先生に言われ、緊張した。針が見えた気がした。だが、ちっとも痛くなかった。チクリともしなかった。既に目薬の麻酔が効いているのだろう。

「それでは手術をしていきますね。」

と、先生。真っすぐ上を見るように言われて、眩しい所を見てと言われる。青い光が3つ見える。だが、元々この目は1つの明かりが3つに見える症状を抱えていたので、本当は1つなのか、3つなのかは分からない。多分3つだと思う。

 まずは白内障の手術だ。レンズを取り替えるのだから、何も見えなくなる瞬間があるのかなと思っていたが、ちょっと暗くなったりもしたけれどもずっと何かは見えていた。時々水を目に流される。先生が指で目を撫でているな、という感じがする事もあったが、痛みなどは全くなかった。

「両目を開けておいてくださいね。」

と言われたのに、気づくと左目をつぶっていた。両目を開けるよう努力した。

(これで良く見えるようになるんだ。)

と、何度も心の中で唱えた。怖いと思わず、ポジティブな事を考えようと思ったのだ。そのうち、何も痛みはないなと思ったら、体もリラックスしてきて楽ちんだった。

「それでは緑内障の手術をしますので、頭を左に向けてください。目線も左です。」

先生に言われて従った。今回の手術では、白内障の手術として水晶体の交換と、緑内障の手術としてアイステントという、水を排出する小さいパイプのような物を取り付けるという事だった。白内障の手術は15分程で、緑内障の手術をしても余計に5分かかるだけだと言われていた。

「はい、ステントは入りましたよ。また真っすぐ上を向いてください。」

と言われた。この間5分も経っていないと思う。体感としては1~2分ではないだろうか。流石優秀な先生。素晴らしい。因みに、優秀だと言ったのは私の担当医の若い男性の先生だ。この女性の先生をたいそう慕っている様子。

 手術が終わった。起き上がった。右目を瞑っているつもりはないのだが、多分くっついていて開いていなかったと思われる。その上から包帯のような物を貼られた。これで全く左目だけしか見えない状態になった。

「車いすへ移動してください。」

と看護師さんに言われて、すぐ目の前の椅子に移るだけなのだが、これがまた、遠近感がなくてヨロヨロ。車いすのアームを手探りで触り、ゆっくりと移った。全身麻酔ではないにせよ、麻酔をされた状態なので体はだるい。先ほど力が抜けていい感じにリラックスしていたのは、麻酔のせいなのか。いや、リラックスしていたから今、だるいのか?

 車いすで運ばれた。メガネは部屋に置いておいてくれたそうだ。これから2時間はお休みタイムだと言われ、飲食しないようにと言われた。ああ、既に喉が渇いている。2時間も水を飲めないのは辛い。トイレに行くかと聞かれて、別に行きたくないと思ったが、部屋へ行って、これから2時間寝るしかないと思ったら、やっぱりトイレに行っておきたいと言って無理矢理メガネをかけてトイレに連れて行ってもらった。車いすでね。そして部屋にまた連れてきてもらい、ベッドに入った。


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