表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白内障と緑内障の手術  作者: 夏目 碧央


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/16

魔の巣窟

 今日は手術も診察もないし、ご飯を食べ、予約を取れた時間にシャワーを浴びて、後は決められた時間に目薬を点せばいいのだ。その他は自由。デイルームに行けばパソコンが使える。暇を見つけてはデイルームへ行ってパソコンで作業をした。あとは、部屋でスマホや本。しかし、今は本が読みにくい。メガネは近距離が見えにくく、裸眼では本当に近くしか見えないから。だんだん紙の本を辞めるべきかと考えつつ、積読本を抱える身である。

 さて、午後3時頃にデイルームから部屋に戻ってくると、部屋からいびきが聞こえた。昼寝か。二つ隣のベッドから聞こえる。そして夕飯を食べた後も、やっぱりその辺からいびきが聞こえた。お疲れなのだな、と思った。もしくは具合が良くないのか。

 シャワーの後はまたデイルームで日記を書いてきて、消灯時間の10時よりも前に戻ってくると、看護師さんが二つ隣のベッドのところにいて、その薬は手に入りにくい、などという話をしていた。こちらの病棟は後回しで、とか何とか。そして、

「でも、眠れないのは困りますよね。なんとか手配してみます。」

と言った。耳を疑った。え?睡眠薬の話?ちょっと待て。あなた、さっきいびきかいて寝てましたよね。3時頃にも寝ていましたよね。眠れないのは、昼寝しているからでは?

 寝る準備をして、10時には布団に入り、スマホでイヤホンをして、NHK ONEで歌番組を観ていた。すると、何度かウトウトとした。これは眠れそうだと思った。だが、やっぱりそうもいかない。スマホを辞めてちゃんと寝ようとしたが、ちょっとした物音ですぐに目が覚めてしまって眠れない。廊下を歩く音、室内でカーテンをシャッと開ける音、いびき。隣も二つ隣もいびき。って、おいおい。二つ隣さん、もう眠ってるじゃないか。

 12時半頃、トイレに行きたくなって廊下に出た。扉は全開なのだが、それでも廊下に出たら驚いた。ここは魔の巣窟か!

「ゴゴ―!!」

「ガーガガッ!!」

もう、右の部屋からも左の部屋からも、ものすごいいびき。夜の病院はこんなに怖いところだったのか。廊下の電気は点いていて、怖くないと言えば怖くないが、それでもこのいびきの多さ、大きさと言ったら。私は物心ついてから、入院というものはお産の時しかした事がなかった。その時には若い女性しかいなかったのだ。人間、おじさん、おばさんになるといびきをかくものだ。仕方ない。だけど……特に男性の部屋はひどい。あれは同室者が気の毒過ぎる。なんか、うちの夫がかなり酔っぱらって寝た時のようないびきだ。誰も酒なんて飲んでいないだろうに。それも一人や二人ではない。ああ、怖い。

 部屋に戻ると、二人のいびきなんて可愛いもんだと思った。4時頃にもトイレに行ったが、やっぱり同じように「魔の巣窟」だと思った。最後に2時間くらいはちゃんと眠ったようだ。夢を見ていたから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ