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白内障と緑内障の手術  作者: 夏目 碧央


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右と左の間、不便な日々

 ドライシャンプーで乗り切った、と書いた日の夜、5日ぶりの洗髪をした。そうしたら翌日、びっくりした。昨日と同じ髪型とは思えない。いかに今まで髪がべたつき、ペチャンコだったかが分かったのだ。特に頭頂部の立ち上がりがなく、老けた印象を与えていたようだ。もうこの髪型はダメだなとか、メッシュは辞めようと思っていたが、洗ったらダメではなかった。やれやれ、早まる所だった。まあつまり、あまり何とかなっていなかったようだ。痒みや匂いは大丈夫で、その点、ドライシャンプーはなかなか良かった。出かける用がなければ問題ない。鏡を見て嫌になる事を除けば。

 右目は遠くが見えるようになったが、緑内障による視野の欠損はそのまま。三重に見える症状がなくなったら、文字列を見ると欠けている部分がある事が分かってしまった。

 左目にだけコンタクトレンズを入れていると調子が良かったが、夜などコンタクトを外した後は不便だった。右目で遠くを見るか、老眼鏡をかけて見るか、左目で近目をするか、いちいち選ばなくてはならない。

 しかし、コンタクトレンズを片方だけ入れていると、いかにレンズは目に負担をかけるかが分かる。裸眼は気持ちが良い。たとえて言うならば、靴下と同じだ。家に帰ってきて靴を脱いだ時、靴下も脱ぎたいではないか。片方は脱いで解放感があるが、片方は履いたまま。そんな感じだ。

 そして、再び手術の3日前になった。3日前からはコンタクトレンズもせずに、殺菌用の目薬をすることになる。夜だけでなく、常に左右の視力差がある状態になった。

 歩くのは、まあ大丈夫だ。今まで、メガネやコンタクトをしても右目が見えづらかったので、左右差があるのは慣れていた。段差がありそうな線を見たら、慎重に確認してから踏むようにしていた。それでも、これだけの左右差は未経験だったので、その状態で初めて外を歩いた時にはちょっと怖かった。因みにどのくらいの差かというと、右が恐らく1.0か0.9くらいで、左が0.006くらいだ。

 入院する前の日、動き回る仕事があった。仕事というかボランティアというか。それがあったから、退院する時に看護師さんにごねてみた。この日にコンタクトをしてはダメかと。

 看護師さんも考えてくれた。見えにくくて困りますよね、と。だが、やっぱりコンタクトはしない方がいいという事だった。目に傷が出来たりしては困るからだろう。まあいい。メリットもある。老眼鏡がなくても何とかなる事だ。文字を読む時には左目で見て、遠くは右目で見る。実際、老眼鏡を掛けずに何とかなった。舞台と楽屋の間を動き回ったけれど、転びそうになる事もなかった。


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