↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
5/9

5.さあ、答え合わせをしましょう!①

卒業パーティの三日後。


王妃は事件の関係者を集め、各々の主張を聞いて話のすり合わせを行う事にした。


集まったのは王妃、王太子、王太子側近の三人、モニカ辺境伯令嬢、マリアン男爵令嬢の七人。


最初に王妃であるオリアーナが口を開く。


「ジョナス、もう身体は大丈夫そうで安心したわ。

それでは卒業パーティーでの出来事を話し合いたいんだけど、もう直接的に聞きたいのだけど、あなた婚約破棄しようとしてなかった?」


「母上、どうしてそれを」


ふふん、分からいでか。いや色々対策しておいてよかったわ~。


「でも、それはモニカの事を思っての最終判断で・・・本心はモニカに断って欲しいと思ってました」


ん~?どういう事?


「あ、僕がパーティの際にモニカに話そうとした事を最後まで言いますね。あの時は暗殺者が向かってきて最後まで言えなかったから・・・」


「モニカ、マリアンは十歳の時の君に雰囲気が似てるんだ。

だから僕は、君にマリアンの笑顔を見てもらいたかった。

そして思い出してほしかったんだ。

君の心からの笑顔を。今昔のような笑顔ができるかい?」


そう言われてマリアンは笑顔になろうとしたが、それはいつもの貴族令嬢の典型的な微笑みにしかならなかった。


「出来ないんだね・・・でもそれは僕の責任だ。

僕が自然豊かな土地で伸び伸び過ごしていた君を、窮屈な世界へと引き入れた。

あの頃は、君も僕も幼かった。後の事なんて深く考えもしなかった。

だから、君が今僕との婚約を後悔しているとしたら、婚約を解消してもいい。」


その言葉を聞いたモニカは、今まで死んだ魚のような眼をしていたのに、クワッと目を見開き、

「そんなの嘘よ!」と叫んだ。


「本当の理由は、私が失った笑顔を男爵令嬢が持っているから、彼女に惹かれているんだわ。

だから婚約解消を望んでいるのよ」


「そうよ・・・きっとそうよ」


モニカはまた無気力状態のようになり、独り言をボソボソと呟いている。


「あの~モニカ様?それは誤解です。私とジョナスの間に恋愛感情はありません」


マリアンが話に割り込んできたが、もう学院を卒業したというのに、学院時代の話し方のままだ。


セルジュが「マリアン、不敬、不敬」と囁いている。


しかしマリアンは、不敵な微笑みを浮かべ、

「分かっているわよ、それくらい。私の言葉使いが不敬にあたるから、処罰されるかもしれないって事は。まあ、それは願ったり叶ったりなんですけどね」と理解不能な事を言った。


ジョナス以外が、ん?どういう事?という表情を浮かべているが、オリアーナが

「この部屋は私達だけだし、私は早く先日の事態の全てを把握したいので、不敬罪なんか問いませんよ。

今この時はそのままの言葉使いで結構よ。」と言った。


「ありがとうございます。王妃様。それでは話を続けさせていただきます。」


「モニカ様、確かに私はよくジョナスと話していました。でもその内容は平民の暮らしや流行などの世間話のようなものなのです。」


そう、マリアンの生い立ちについては、皆が知っている。


ロイズ男爵の屋敷で働いていたメイドがマリアンの母親で、二人は平民として暮らしていたが母親が亡くなって男爵家に引き取られた。

マリアンが十四歳の時だ。


次の年から貴族学院の高等部に入学の為、付け焼刃的なマナーは身に着けたが、まだまだ庶民感覚が抜けていない。


ジョナスは、色々な階級の者と話をしてみたいと常々思っていた。

しかし、平民と交流を持つのは、難しい。

例え話す機会があったとしても王太子に率直に話せる者などいるはずもない。


そんな時、学院内で一際気安く声をかけてくる女子生徒がいた。


周りからの情報でつい最近まで市井で育った男爵令嬢だと知った。


なので、彼女に今まで知りたかった平民の暮らしぶりなどを聞いていたのだが、マリアンは話が上手い。


彼女の笑い話を交えた話しぶりに、よく笑わせられた。


だから端からみれば、もしかして二人は・・・と思われただろう。


「ですから、ジョナスの言っている事は本当ですよ。

確かに私達は仲良くなりましたけど、あくまで友情関係です。

だって私には愛する幼馴染の男性がいますからね~」


そうなの⁉とその話は初耳だったらしく、側近たちは驚いている。


側近達も、二人の会話には色気も何もないけれど、それは人前だからで、実は隠れて二人は会っていて愛を育んでいるのではないかと思っていた。


「モニカ様ごめんなさい。誤解されていても仕方がないです。だって私がそう見えるようにジョナスに頼んでいたから・・・。

でもね、ジョナスには婚約者のモニカ様には、ちゃんと事情を説明するように言ったんですよ。

それなのに、話してなかったのね。」


「う・・・すまない。なかなか話す時間がなくて」


「え~そうかな~?おそらくモニカ様に嫉妬してほしいから、わざと伝えなかったんじゃないかな~と思えるんだけど」


「とにかくお二人とも会話が少なすぎます!お互い好きなくせにどうしてギクシャクしているんですか」


「だ、だって先生が・・・」


恐る恐ると言った感じでモニカが話し出した。


王妃だけで国王の存在が全く感じられない・・・。


蚊帳の外に置かれて可哀想なので、簡単に人物紹介しておきます.。

メルヴィン・フィリップ・フェルゼン・セントディア国王。


まあ皆に「国王陛下」と呼ばれるので、果たしてどれだけの人が国王の名前を省略せずに言えるか怪しいものなんですがね。

外見は、中肉中背、黒髪、榛色の瞳です。

性格も能力も凡庸だけど、まあまあ上手く国政を回しています。

現在三十八歳。ヒゲを生やしているので実際の年齢より歳上に見えます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。